裏関ヶ原 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065129067

作品紹介・あらすじ

あの日、それぞれの「関ヶ原」があった。

黒田如水
佐竹義宣
細川幽斎
真田昌幸
最上義光
織田秀信

東軍と西軍、徳川と豊臣などではない。
ただ、己の「家」の意地と志をもって、全国で戦った武将たちの関ヶ原を描いた連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 黒田如水、佐竹義宣、細川幽斎、
    真田昌幸、最上義光、織田秀信。
    関ヶ原にいなくとも
    それぞれが
    それぞれの義のため戦っていた。
    そして、
    今一度、
    石田三成に思いを馳せたい…
    ジャケ買い、大当たり!

  •  裏関ヶ原のタイトル通り、通常焦点の当たらない人物に光を当てた短編集。派手さはないものの、それぞれ興味深く読んだ。黒田如水、最上義光の動きは知っていたが、佐竹義宣や織田秀信の戦いなどは初めて知った。
     中でも細川幽斎の『細き川とて流れ途絶えず』が一番良かった。歌人である幽斎らしく関ヶ原の戦いを切り取る所が新しく、実に風流。幽斎と忠興、細き川が徳川という川に流れて力を与え、生き永らえる、そんなタイトルが非常に趣深い。
     全体を通して、石田三成への作者の好評価を感じられ、三成好きとしては非常に嬉しい。特に三成に敵対した如水が彼を評価する場面から三成の政治家としての有能さを評価していることが窺えた。作者の『治部の礎』は未読で大事に積読していたが読んでみたい気持ちになった。

  • 黒田如水、佐竹義宣ら関ヶ原の合戦に集わなかった武将たちの苦闘を描いた傑作短編集。

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著者プロフィール

吉川永青
一九六八年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。二〇一〇年「我が糸は誰を操る」で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、翌年に刊行。一二年、『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』で吉川英治文学新人賞候補。一五年、『誉れの赤』で吉川英治文学新人賞候補。一六年、『闘鬼 斎藤一』で野村胡堂文学賞受賞。近著に『新風記 日本創生録』『乱世を看取った男 山名豊国』などがある。

「2023年 『憂き夜に花を 花火師・六代目鍵屋弥兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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