海をわたったコウノトリの大冒険 げんきくん物語 (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065129265

作品紹介・あらすじ

「げんきくん」は、2014年6月14日、福井県越前市の施設で生まれました。福井県では1964年以来、じつに50年ぶりとなるコウノトリの孵化でした。
馴化訓練を受けた後、翌年の10月に放鳥、大空に飛び出します。北は宮城、南は長崎まで移動をくり返し、ついに海をわたって北朝鮮に到達しました。ふたたび日本に舞いもどったげんきくんは、さらに移動を続けます。その大冒険旅行の総飛行距離は、1万2000キロメートルにもおよびました。そして島根県雲南市で「ななちゃん」と出会い、結婚生活をスタートするのですが……。
鳥類研究の第一人者が、科学的調査をもとに、コウノトリの数奇な半生を描く感動のノンフィクション!

〈小学上級・中学から すべての漢字にふりがなつき〉

感想・レビュー・書評

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  • 福井県で育ち、放鳥された「げんきくん」と呼ばれるコウノトリの半生とともに、兵庫県立コウノトリの郷公園をはじめとする、コウノトリの野生復帰に関わる人々や取組について、科学的なデータに基づきながらも、わかりやすい文章で描かれている。

    個人的には、ちょうど昨年度(平成29年度)からコウノトリの郷公園の施設担当となり、県内のコウノトリの状況のみならず、徳島県だ島根県だと言われても何のことかさっぱり理解もできていないところに、あの誤射事件である。訳がわからないままに毎日ドラマチックに展開して行くあれやこれやを、この本を読みながらひとつひとつ思い出していた。今となっては、ある程度は状況がつかめてきているので、それぞれの情景や、人々の表情が目に浮かんでくるような描写でした。

    担当するまで知らない世界だったが、知ることで、とても興味深く、意義のある事業に関わっているのだと、改めて感じた。

    世界でも最先端であるこの取組が、地元ゆかりの地で展開されているのが面白いし、誇らしい。
    そんな取組について理解するには、この本はちょうどいいと思います。

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著者プロフィール

 昭和14(1939)年,長野県須坂市に生まれる。信州大学教育学部卒業(京都大学理学博士)。大阪市立大学理学部教授,京都大学理学部教授,山階鳥類研究所長,新潟大学朱鷺・自然再生学研究センター長,兵庫県立コウノトリの郷公園長を歴任。この間,日本鳥学会長,応用生態工学会長などを務める。『BirdsNote』(信濃毎日新聞社),『モズの嫁入り』(大日本図書),『マダガスカル自然紀行』(中央公論新社),『けさの鳥』(朝日新聞社),『げんきくん物語』(講談社),『日本の希少鳥類を守る』(編著, 京都大学学術出版会)など著書・編書・訳書多数。平成11(1999)年に山階芳麿賞受賞。平成19(2007)年に環境大臣表彰。大阪市立大学名誉教授。

「2022年 『日本書紀の鳥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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