呉越春秋 湖底の城 第九巻

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 78
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065129753

作品紹介・あらすじ

呉越の最終決戦がついに始まる――。それは呉の巨人・伍子胥と、越の天才・范蠡の知の対決でもあった。10年に及ぶ連載が遂に完結。

感想・レビュー・書評

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  • 復讐の鬼のイメージであった伍子胥
    爽やかに描かれている
    スマートな振る舞いの范蠡
    越を退去してのちの物語が欲しいと思うのは欲張りかな

  • 范蠡が守った越の国。 勾践が耐えた10年余が最後に呉を滅ぼす。ただ目的を達した後の維持は非常に難しい。 大夫種の最後もそうなってしまったかと思われ、范蠡のようにさっさと逃げ出すのも知恵かと思う。 孫子の兵法が生きる時代の知恵は現代でも十分通じる話であることがわかる。今話題の日産は頭を切ったが、ルノーのくびきを絶つことが出来るか、誰も孫子の兵法を活用できるような人が見当たらないので、呉のようにならないと良いのだけど・・・

  • 范蠡を書きたくて、書き出しに伍子胥を楚都の津に立たせてスタート~陳を攻める呉に荷を贈らなければ後難に遭うと考えた越は范蠡と諸稽郢を遣わしたが、陳を救援に来た楚との戦いが楚の退却で幕切れとなり、上機嫌の夫差と謁見した二人は呉に人質として残され、句践の帰国が許された。呉の大夫・伯嚭は魯攻めに両者を追従させ、范蠡が危険だと暗殺を謀ったが旧友に救われ、范家に仕えていて夜盗に焼け出され,持ち出した財貨により呉で富商となった牙門が後宮に働きかけて、夫差により帰国が許された。帰国の船には西施も乗っていたが、帰国しても誅されると心配した范蠡は湖に沈められそうになった西施を救い、楚に逃がした。楚では呉の戦陣で王が病没していたのだ。後継は越姫の産んだ子が立てられた。喪に服す楚の隙を突いて呉は出兵を繰り返し国力を減退させる中、越は10年を無税として国力を蓄えていることを知った伍子胥は後継の姑曹に憂いを説いたが相手にされず、幻想の中に身を置いている夫差を喜ばせるように、句践は斉への出師を祝福した。絶望した伍子胥は自分以外を斉へ亡命させる準備を行い、呉軍勝利の後に自裁を求められた。越を見くびって会盟に出発した呉王・夫差の留守を衝いて句践は呉都を攻めたが勝利できずに引き上げ、翌々年に出兵して笠沢の戦いに越は勝利した。2年後、呉都・故蘇を包囲すること1年半、夫差は自頸し、范家から盗み出した黄金の盾を持ちだした伯嚭を仕掛けを知っている范蠡は刺し殺し、船に乗って越を去り斉から陶に行き西施と再開し、呉を併呑した句践は周王から伯に認定されたが大夫種を疎んで剣を賜った~臥薪嘗胆の臥薪が呉王夫差、嘗胆が越王句践・・それも潤色で資料も乏しいので、この小説はできた・・完結

  • 長年楽しみにしてきた本書もついに完結。呉越の話はあまり親しみがなかったが、宮城谷先生独特のペースで読ませます。特に本巻は最後ということで、たんたんと話が進むように感じました。この当時の空気感をあらわしているような気がします。

  • 呉越の攻防を描く中国歴史小説の9巻(最終巻)。

    9年越しの大作が完結して感無量です。
    本巻では存在感はあるものの登場シーンが少なかった前半の主人公の伍子胥と後半の主人公の范蠡の出処進退の違いが明確に表れていて考えさせられました。
    主要人物以外の登場人物が多すぎて混乱することもありましたが、関連エピソードも著者らしい解釈でほとんど網羅されていて大満足でした。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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