ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発

著者 :
  • 講談社
3.93
  • (5)
  • (4)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065130001

作品紹介・あらすじ

2014年7月、GMaC(ギヴ・ミー・ア・チャンス=ぼくにチャンスを)と呼ばれるプログラムが、千葉県にある八街少年院でスタートしました。非行を犯して少年院に送られた少年たちが、動物愛護センターなどに保護された「保護犬」を訓練する。その経験をとおして、一度は社会からドロップアウトした少年たちが、少しずつ変わっていきます--。
3か月におよぶプログラムに密着し、少年たちと犬との温かい交流を描く渾身のルポルタージュ!

〈小学上級・中学から〉

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 保護犬活動、非行少年の更生プログラム、どちらにも興味があって手にとりました。
    保護犬と少年たちが触れあって心を通わせていくさまが誇張なしに描かれていてすてきでした。
    それぞれの少年が自分で工夫して犬たちを導いていくさまは感動もの。
    犬の躾と子育てって共通点が多いから、女子刑務所・少年院でもぜひ実施してほしい。
    悲しい犬と悲しい子供が少しでも減りますように。

  • 少年院の子どもたちが捨てられていた犬を訓練し、新しい飼い主に出会えるようにする、更生プログラム。アメリカで実践されていたのを日本でも始めた、とのこと。素晴らしい!条件が整わないとできないけど、このプログラムに参加できた少年たちはラッキーだったと思う。写真もすごく良い。信頼関係を築く事の大事さを言葉ではなく学ぶことができる。

  • 図書館でおススメされました。

    公益財団法人と千葉の八街少年院とが協力し、GMaC(=give me a chance)「ぼくにもう一度チャンスを」プログラムが立ち上がりました。
    本書はそのプログラムがどのようにして誕生し、実践されてきたかを紹介した本です。

    殺処分されそうになった保護犬を家庭犬として訓練していくという経験を通し、犯罪を犯した少年達の成長と更生を促すというこのプログラム。
    犬が人間に信頼を寄せていく過程や、少年が犬を訓練しながら逆に、様々なことを学んでゆく姿は感動的でした。
    犬の力の偉大さを感じ、犬好きな私としてはとてもうれしい気持ちです。

    ☆訓練士さんのコトバ
    ・常に一貫性をもって接すること
    ・あきらめることを教えること
    なるほどねえ~

  • ギヴ・ミー・ア・チャンス

    2014年、八街少年院で誕生したGMaCと呼ばれるドッグ・プログラム
    非行をして少年院に送られた少年たちが、なんらかの事情によって捨てられたり、手放されたりして動物愛護センターなどに保護された保護犬を訓練する
    捨てられた犬たちを救うこと
    犬を救う過程を少年たちに担ってもらうことで、彼らの社会復帰のきっかけをらつかんでもらうことを目指している
    少年院だけで完結せず、地域のボランティア家庭に犬を預かってもらい、少年たちと交流してもらう

    三人の少年と三頭の保護犬

    非行する子どもたちの多くは、感情のコントロールが苦手で、相手が自分の思い通りににならないとすぐにカッとなってしまう。

    捨てられた犬の回復を自分自身に重ね合わせることで、「自分も回復できる」と希望を持つこと

    三つの掟
    1つめ、責任
    2つめ、 チームワーク
    3つめ、前向きであること

    責任;
    「犬のリードを持っているときは、その犬の命に責任があるということ。『責任』という言葉、辞書で引いてください。これは宿題!」
    「このプログラムは遊びじゃなくて『仕事』です。みなさんにはこの仕事を任された責任があるんだということ、常に頭にいれといてくださいね」

    チームワーク:
    自分が先にできるようになったら、ほかの人を助けること。逆にできないときは、できなている人に助けてくださいっていうこと」

    前向きであること:
    「ネガティブな気持ちってなんでしょう!」
    「できない、あきらめ・・・」
    「めんどくさいとか、やりたくないとか・・・」
    「人の気持ちは犬に伝わっちゃうの、全部。自分がマイナスの感情を持つともううつっちゃうと思ってください。私はこれを『へその緒』って呼んでいます。」
    「太鼓の昔から人とともに生きて生きた犬は、人の感情を敏感に察知する。だからその日dんな嫌なことがあったとしてもけっして附の感情を持ち込んではいけない」

  • 「この子たちが立ち直るのに必要なのは愛情だけじゃない。成功体験が必要なの。みんな『愛さえあれば』というけど、まちがった愛し方だってあるわ。私はなにより大切なのは『成功』、つまりいいことをしてほめられるというポジティブな経験の積み重ねだと信じている。それによって、その子はセルフ・エスティームを育み、同時に他者をも尊重できる人間になっていくのだから」

  • ざっくりとレポートを読んでいる感じ。GMaCという八街少年院で誕生した、少年たちが保護犬を訓練する取り組みについて。10代の非行をした子ども達が犬の訓練をする、というアメリカで行われたプログラムをモデルにしたもの。さくさくあっさり読めた。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

大塚敦子
1960年和歌山市生まれ。上智大学文学部英文学学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争を取材を経て、死と向きあう人々の生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。
『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で、2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞。『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書)、『はたらく地雷探知犬』(講談社青い鳥文庫)、『ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発』(講談社)、『いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館)など著書多数。
ホームページ:www.atsukophoto.com


「2020年 『シリアで猫を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大塚敦子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×