七月に流れる花 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 531
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065130216

作品紹介・あらすじ

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 児童向け作品のようである。
    城の構造やレイアウトが中々、掴みきれないところがあり、
    難解かもしれない。
    主人公は幼稚な性格でもない気がするが、そこまで秘密にする理由が今ひとつ、説得力に欠ける気がする。
    真実を知れば、人は成長するものであるから。
    やたら、恐怖を漂わせるところに疑問を感じた。

    数々、読破したので、ストーリー展開は容易に読めてきた。
    児童には難解すぎて、受け入れらだろうかと思った。

  • 6月という半端な時期に転校し、
    いまいち馴染めないまま夏休みに突入した
    主人公の元に林間学校の招待状が届く。

    恩田さんの書く女学生達が好き。
    6人の女学生が過ごす穏やかで長閑な日々は
    私も参加してみたいと思う程だが、
    だんだんと明らかになっていく真実に
    切なく苦しくなってしまった。

    「淋しいあたしたちの、お城なの」
    という蘇芳の言葉が最後に刺さる。

  • 6月に夏流に転校してきたミチル。中途半端な時期の転校なのでなかなか友達を見つけられず。そんな中、ある鏡を見ていたら、中の世界に「みどりおとこ」を見つけた。実際の世界でも逃げだすが、クラスの子に会い、安全を確認する。しかし、呼ばれた子どもは必ず行かなければならないという夏の城―夏流城での林間学校への招待状が鞄に残されていた。謎だらけの城で参加した六人とともに暮らすが、ここにも不思議があり…。
    異国のような世界、恩田さんはこういう不思議さを出すのがうまいなあと思う。そして、「みどりおとこ」とか花の謎、すっと引き込まれました。その世界に自然に浸れた。短いし気軽に楽しめた。『8月は〜』も続けて読みたい。

  • すらすらと読めるし、引き込まれるのだが、
    設定とか、ツッコミ所が多い。子供向けだからなのか?

  • 懐かしいというのを一番に感じた。恩田さんが紡いでいく、形にも言葉にもし辛い、ただ確かにこの空間にある恐怖の演出が、恩田陸という作家を追い続けるキッカケとなった、六番目の小夜子のあの劇を彷彿とさせた。
    勿論、手に取れば分かるがあれよりもずっと薄い作品なので恐怖の濃度は低めではあるが、主人公ミチルが真実をしるまでの駆け寄ってくる恐怖心は読者を惹きつける。

  • なんだかブクログの表紙と違う。。奥付は2016年。なにかの特装版か?と思って調べたらミステリーランドという企画版らしい。資材がなく一度中座していた企画のようで、我が身と思うとドキドキする。
    たしかなにかの謎解きイベントで買ったのだ。装丁がきれいだった。編集さんの苦労が偲ばれる。中身はホラー調ぽく、謎は終盤まで解決へ進んでいく感じはない。主人公が探り偵う者ではなく中学生女児だからね。作者さんが企画の中座でモチベ保てなかったかなぁなんて邪推もしてしまうけど、ともかく形として世に出たことに感謝を。
    中盤の大きな謎がほったらかしにされるのもいい意味で中学生らしく。対になる物語で明らかになるようなのでしっかり踊りましょう。

  • まるでぐるぐるキャンディの迷路に迷い込んだようだわ。私はみどりおとこに出会ってしまった。
    そう、あれは7月。夏の始まり。夏の人。
    考えぬようにと考えながら、流れる花を数えていた。鮮やかな赤。雪のような白。否、それは生命の色だったのかもしれない。
    線香花火がパチパチと、落ちた瞬間ふいに思い出す。「淋しい私たちのお城なの」...。
    何故だか私は急に泣きたくなって、いつだって心で唱えるのだ。私は一人じゃない、不安なことなど、あるものか。淋しいことなど、あるものか。
    真実は、決して幸せなものばかりだとは限らない。それでも私なら、知りたいと思った。
    怖かったみどりおとこが最後に優しく見えた。

  • ミチル一緒に なぜ? どうして? 変なの… とつぶやきながら読んでいく。あぁ そうだったのかと読み終わったけど、あれは? それは? これは? と残った疑問の答えを想像してみる。少しゾクッとして何だかにんまりしてしまう。

  • 六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、全身緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。逃げ出したミチルの手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。五人の少女との古城での共同生活。少女たちはなぜ城に招かれたのか? 長く奇妙な夏が始まった。

  • 最初はホラーなのかな?と思ったけど違いました。
    読み進めてとても不思議な感覚になりました。
    出てくる少女たちにも感情移入してしまいます。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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