叙述トリック短編集

著者 :
  • 講談社
3.26
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本棚登録 : 434
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065131398

作品紹介・あらすじ

*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。

本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!

よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。
問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか?
そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • 「全ての話に叙述トリックが入っています」と冒頭から作者が言い放つ短編集。確かにいろんなパターンの叙述トリックが使われていて、傑作も珍作もあり、総合的にはバカミスと紙一重だったが楽しく読めた。
    叙述トリックを使いつつ犯人当てにもなっていた『貧乏荘の怪事件』がマイベスト。気を抜いていた訳では無いがあのトリックには盲点を突かれたな(^O^)。似鳥さんって結構技巧派だったんだね。

  • ここまで正々堂々とタイトルで表してしまっていいものか、と思えるほど潔く手口が公開された(笑)連作ミステリ。だけど分かってても騙されちゃうんだよねえ。ものすごーくわかりやすいヒントも差し出されたうえでの勝率は半分くらいでしょうか。ま、騙されるのが楽しいんですけどね。
    お気に入りは「なんとなく買った本の結末」。ミステリとしてのトリックは「なーんだ」って思ってしまう部分もあるけれど。本好きはこれを読んで、ますます本に対する愛着が湧くのではないでしょうか。そうだよね、本って素晴らしいよね!

  • 全編叙述トリックを使ってます、と宣言してから始まる短編集。
    すぐわかるトリックもあるけれど、おもしろい試みでたのしめた。
    探偵役がマニアで、うんちくをやたら語るのも、たのしい。
    筆者のスタイルなのかもしれないが、読点が極めて少ないのは、読みにくかった。

  • まぁ読み終わった時に、こんな気持ちになるだろうなってままの気持ちになりました。面白くないわけじゃないけど。
    1話目からしてそんな理由でそこまでする?って感じだったけど、概ね悪意のない優しい話が多かったです。
    叙述トリックが好きなので、それに果敢に挑戦した事に、好感は持てます。

  • 「叙述トリック」とは本ならではの楽しみ方。この響きがまた読者側の騙されないぜ感を煽ってくる。

    そんな叙述トリックが好きなのだが、この作品は「これが叙述トリックですけど解いてみろや!」的な、なんとも傲慢な似鳥鶏氏の挑戦状であった。しかも「ヒントも出してやってるのに解けないの?っは?」的な威圧感すら感じてしまう。「…っち」と思いながら読んでいたわけだが…結局敗北宣言。完敗。読む前からトリックがあることを喚起されていてもこの体たらく。別紙の奴め…と憎しみすら覚えてきた。

    まぁそれが楽しいんだけど。脳が活性した。

  • まず帯が良いんですよ帯が。
    こればかりは電子書籍には真似できまいザマァ!って気持ちになれる。
    帯が無いとプレビュー通りの海が写ってる状態だが、帯を上に持ってくると何の変哲もない横断歩道に。そして真ん中の少女も別の人に。
    裏表紙でも卵が孵化していたり割れてなかったり。楽しい。

    本文のレビューだが、正直言って自分のように推理小説などで犯人を当てよう、トリックの謎を解こうと思って読んでない人にはあまりオススメできないかもしれない。
    叙述トリックも何も、そもそも騙されていることすら気づいておらず、物語そのものを楽しんでいたよ!となると、「この本に含まれる短編には全て叙述トリックが仕込まれています」と言われても、「はぁ、そうですか」という感じ。

    まあ、それでもなんとかどこで騙されているのか頑張ろうとはしてみたものの、結局自分にはそういう回路は無いなぁと思ってしまう結果に。

    とは言え、面白く無いとかではない。登場人物自体なかなかクセのある人物が多く、読み物として興味深いことに加え、普通におお、そういうことだったのかというケースも多く、ニヤリとさせられる。
    叙述トリックがあると分かっていても面白いとは、読書ってやっぱり面白いよね、と違うベクトルから楽しめる本ではある。

    なので、トリックを解こうとがんばる人にも読んでもらって感想をもらってみたい。

  • 試みには喝采。前半はやや技巧に寄りすぎている感じがしたけれど、終盤ぐいっと上げてきた。たしかに「そこ」気になってはいたんだよなあと。でも、まんまとやられた(苦笑)し、最後の最後まで味わい尽くせた。似鳥さん特有の「注釈」はニンマリさせられたり、なるほどと思ったり。最終話が一番楽しめたけれど、「貧乏荘の怪事件」のずれた感じもGood。「カツ井か? カツ丼を食べれば白状するのか」

  • 叙述トリック好きだけどだいたいいつもわからないので、この短編集も1つの話以外綺麗に騙された。トリックがわかった瞬間、脳がグルンと入れ替わって物語の匂いも変わるから叙述トリック作品は楽しい。そしてなんだか似鳥先生の話は読んでると優しい気持ちになるから良い。

  • 2018年114冊目。叙述トリックであることを堂々宣言してくる姿勢がもう堪らない。著者のファンであれば確実に嵌まる作品全体の構成は見事。⌈貧乏荘の怪事件」はちゃんと読めば誰でもわかるだけにしてやられた感が強い。

  • 全ての話に叙述トリックが使われている、というネタバレが最初になされた上で、作者からの挑戦&ヒントまで出してくれている斬新な本。見抜けたものも騙されたものもあったが、どれもフェアではあり、楽しめた。

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著者プロフィール

似鳥 鶏(にたどり けい)
1981年生まれ、千葉県出身の小説家・推理作家。男性。千葉大学教育学部卒業。北海道大学法科大学院在学中の2006年、『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し、2007年に同作品で小説家デビュー。
2012年の『戦力外捜査官』が代表作。本作はシリーズ化し、武井咲主演でドラマ化された。

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