- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065131398
作品紹介・あらすじ
*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。
本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!
よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。
問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか?
そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋)
感想・レビュー・書評
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面白かったー。
全て叙述トリックであると明言された短編集。
気づいたものもあれば全く気づかなかったものもあり、どちらも楽しめた。
書くのも楽しむぞ、読者も楽しませるぞ、という気持ちがびんびん伝わってきて、にこにこしてしまった。いいなぁ。
その中にさらっと社会的な意見も織り込むところがまた好き。 -
似鳥鶏さんの他の作品で、気持ちよく騙されたので今作を購入。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、短編集となっていますが初っ端から最後までまるっと騙されてました。
どうしても普通にミステリーを読んでいる感覚でいるので、不意にそう言えば叙述トリックなんでした、と騙された後に気付かされる。
「なんとなく買った本の結末」
一番騙されにくかった話でしたが、一番好きな話。
「閉じられた三人と二人」
いきなりぶっ飛んだ展開かと思いきや…
と中身は言えませんが、ネタバレ後の再読も楽しめそうです。
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「全ての話に叙述トリックが入っています」と冒頭から作者が言い放つ短編集。確かにいろんなパターンの叙述トリックが使われていて、傑作も珍作もあり、総合的にはバカミスと紙一重だったが楽しく読めた。
叙述トリックを使いつつ犯人当てにもなっていた『貧乏荘の怪事件』がマイベスト。気を抜いていた訳では無いがあのトリックには盲点を突かれたな(^O^)。似鳥さんって結構技巧派だったんだね。 -
あまり話にのめり込めず。
初めのお話は全体がわかって面白かったですが。 -
最初から叙述トリックってわかってると、全て疑って読んでしまう分、たしかに書く人にとっては難しいんだろうなー。
「背中合わせの恋人」はなかなか。
「ちゃんと流す神様」はネタが分かってからもう一度読むと、思ってたイメージとだいぶ変わって面白かった。 -
ここまで正々堂々とタイトルで表してしまっていいものか、と思えるほど潔く手口が公開された(笑)連作ミステリ。だけど分かってても騙されちゃうんだよねえ。ものすごーくわかりやすいヒントも差し出されたうえでの勝率は半分くらいでしょうか。ま、騙されるのが楽しいんですけどね。
お気に入りは「なんとなく買った本の結末」。ミステリとしてのトリックは「なーんだ」って思ってしまう部分もあるけれど。本好きはこれを読んで、ますます本に対する愛着が湧くのではないでしょうか。そうだよね、本って素晴らしいよね! -
全編叙述トリックを使ってます、と宣言してから始まる短編集。
すぐわかるトリックもあるけれど、おもしろい試みでたのしめた。
探偵役がマニアで、うんちくをやたら語るのも、たのしい。
筆者のスタイルなのかもしれないが、読点が極めて少ないのは、読みにくかった。