継続捜査ゼミ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 568
感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065131497

作品紹介・あらすじ

元刑事が教授に。学生たちと「捜査」する。
「女子大生×警察」小説、前代未聞の新シリーズ第1弾!
退職警察官の再就職先は女子大だった。5人の学生とゼミで未解決事件を謎解く!

長年の刑事生活の後、警察学校校長を最後に退官した小早川の再就職先は女子大だった。彼が『刑事政策演習ゼミ』、別名『継続捜査ゼミ』で5人の女子大生と挑む課題は公訴時効が廃止された未解決の殺人等重要事案。最初に選んだのは逃走経路すら不明の15年前の老夫婦殺人事件だった。彼らは時間の壁を超え事件の真相に到達できるのか。異色のチーム警察小説、シリーズ第1弾!

感想・レビュー・書評

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  • いろいろなジャンルがある今野さんですが、今回は女子学生×未解決事件。
    警察学校の校長から再就職したのは、女子大の三宿女子大学の教授職。
    そこで教鞭を取るのは、『刑事政策演習ゼミ』、通称継続捜査ゼミ。
    実際の未解決事件を取り上げて、演習ゼミを行うという。

    実際には、あり得ない設定が面白いですね。
    5人の女子大生たちも、キャラが書き分けられており、それぞれの推理も面白いです。

    事案は、15年前の老夫婦殺人事件であった。
    プロの刑事たちが解けないこの謎に、如何に彼女達は、挑むのか?

  • 今野敏お得意の刑事ものとはちょっと趣向をかえた一冊、女子大のゼミで未解決事件を”研究対象”にしつつも、研究の過程で事件を解決に導くというストーリー。

    三宿の女子大ということですので、舞台のモデルは昭和女子大あたりですかね。元警察官である大学教授が自身が担当するゼミのなかで、捜査においては素人である女子大生に物事の見かた、考え方を丁寧に解きながら、関係者への聞き取りを進めるという構成だけに、読み手にとっても懇切丁寧なつくりになっているといえるでしょう。扱う事件も複雑な人間関係が背後にあるものではないので、余計なアタマをつかうことなく、ストーリーを追うことに集中できます。登場するゼミ生5人はいずれもそれぞれに得意分野があり、この点はSTシリーズを彷彿とさせます。

    主人公である小早川の冷静で地に足の着いた思考パターンはまさに刑事のそれであり、女子大という華やかな舞台との対比もあり、作品に落ち着きを与える軸になっていると思います。

    少しづつ打ち解けた竹芝教授に対する評価や彼との関係性も、好ましく感じました。特に自己評価の低い竹芝教授が、小早川との付き合いを重ねるうち、また何人かの学生が持つ自身に対する想いを知ることで、ちょっとだけ自信を取り戻したようで、読み手も明るい気持ちになりました。次作も期待。

  • 中盤くらいまでの身近な事件を解決する場面は、気持ちが盛り上がらずに、モチベーションが切れかけた。中盤以降はそれなりに読めたが、全体的に劇的なワクワクドキドキする展開があるわけでもなく淡々と話が進む感じがする。

  • 元刑事の大学講師が女子大生とともにゼミの課題として迷宮入りの事件に迫る物語。薬の知識が豊富、武道の心得がある、法律に詳しいなど女子大生たちは個性を武器に、当時の警察の捜査とは別の答え「導き出していく。ゼミの課題に取り組みつつ、大学のちょっとした事件も考えていく。ハラハラした切迫感のある展開にはなりませんが、ぼんやりした気持ちでも読めるライトなミステリー

  • 舞台設定が面白そうで手に取ったが、ちょっと稚拙すぎる/ 警察が犯人に関してこんな初歩的な見落としをするとは思えない/ とはいえ、女子大生に事件を解決させるにはこれくらい警察が馬鹿じゃないと無理なのかもしれない/  出てくる女子大生のキャラがあまりにも古くさい/ 主人公のジジイのセリフ回し、考え方が凡すぎて尊敬に値しない/ いちいち説明調で地の文体もクソほど古い/ あと名前が覚えにくい/ 一文字漢字ばっかの女を出すな/

  • 元刑事が受け持つ女子大でのゼミ演習。設定が斬新。
    けっこう序盤から真犯人に目星はつきましたが、あくまで刑事ではなく講師としてゼミを成り立たせようとする主人公の模索する話も併行して描かれていて飽きずに読み終えました。
    続編も気になる...。

  • こんな大学があったら通いたい。
    女子大生も5人それぞれ得意分野があるけれども、そこまでキャラが濃くなく、、、15年前の未解決殺人事件を解決するほどの、キレキレ感がない!事件未解決やし、大学のゼミに警察官3人も見学してるし、警察官にもキレキレ感がない!

  • 登場人物のキャラクターが濃くてよい。
    主人公の人柄が好きだなぁ・・・。
    それほど生々しくなく軽く読める。
    好き嫌いが分かれるかもしれないが、私は楽しく読めた。

  • 継続捜査ゼミ
    230201読了
    今年5冊目今月1冊目。

    #読了
    #継続捜査ゼミ
    #今野敏

    未解決事件を女子大生が捜査。
    ゼミ生は得意領域が五者五様。
    もっとキャラが明確でも良かったか。

    教育者目線で読んでしまった。

    ゼミ生が積極的なゼミとは、対象領域の問題か、教員の情熱か、就職優位性か。

    ちゃんと建設的議論ゼミしてて良い。
    また大学生したい。

  • 三宿女子大学の小早川教授は元刑事。彼のゼミでは未解決事件を課題にしていて…5人女子大生と共に15年前の殺人事件に挑む。

    初めての今野敏さんの作品。
    長編だから、途中で飽きちゃう可能性があるかな?って思ったけど、週末一気読みしてしまった。未解決事件だけでなく、大学で起きた奇妙な事件も出てきてそちらも解決して面白かった。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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