溝猫長屋 祠之怪 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 72
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065133514

作品紹介・あらすじ

猫まみれ長屋の奥にある祠に、毎朝お参りすることになった溝猫長屋の年長組、十二歳の忠次たち四人。そのお多恵の祠の力なのか、忠次たちは幽霊を感じることができるようになる。桶職人の倅、忠次は「見る」ことが、提灯屋の倅、新七は「嗅ぐ」ことが、油屋の倅、留吉は「聞く」ことができるようになった。将棋盤の職人の倅、銀太だけは何も変わらない。お多恵の祠は、はたして長屋の子供たちの守り神なのか、それとも!?

感想・レビュー・書評

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  • 皆塵堂シリーズを読み終えてしまったのだが、あの感覚を味わいたくて溝猫長屋シリーズに手を出した。
    やっぱり面白い。時代ものが苦手な私が輪渡ワールドにすっかりハマってしまっている。
    こちらは長屋に住む4人の少年と幽霊のお話。もちろん周りを囲む癖強めの大人と沢山の猫と1匹の犬が出てくる。幽霊話であって、人情話でもあって、猫の…というより犬の話になりそう(?)。
    皆塵堂シリーズとは違った面白さもありそう。
    表紙のおとないちあきさんのイラストが良い。(特に猫の動き)

  • 変わった構成の時代小説
    登場人物の動きが硬いのは馴染みないから
    楽しみではあるが、幽霊絡めての物語という
    制約があるようだ

  • Tさんのおすすめ。

    猫がうろうろする溝猫長屋。
    昔亡くなった女の子の祠があり、
    そのお多恵ちゃんが子供たちを見守っている。
    というか男の子たちを厳しく育てている。

    なぜか長屋の一番年上の男の子たちが、
    幽霊の(死体の?)臭いをかぎ、
    声を聞き、そして見るようになる。

    とうとうその年になった男の子たちがそうとは知らず、
    昔子供が殺された家に入り込み、
    その子供の幽霊と遭遇する羽目に。

    幽霊を分割して感じるという設定は面白いし、
    近所の自称箱入り娘も良い感じだが、
    寺子屋の先生が暴力志向なのはちょっと。

  • 溝猫長屋に住む最年長の男の子は毎年三月十日から長屋の奥の『お多恵ちゃんの祠』に毎朝参拝をしなければいけない。そしてその男の子は幽霊が分かるようになってしまう、と言う何だか苦しい設定でしたが男の子4人がそれぞれ個性があって可愛らしかったです。
    幽霊が出てきますが基本ほっこりなホラーで脇役の大人もそれぞれ癖がありました。
    最初の登場人物紹介で猫が16匹も書かれている割に本文中にはあまり登場しないな、と思って読んでいたのですがあとがきで衝撃の発言!
    本文で幽霊が登場したり事件が解決に向かうどきどきはらはらよりもあとがきの発言に一番衝撃を受けました。
    次巻以降、この大量の猫たちをどう扱っていくのでしょうか…。

  • 猫まみれの溝猫長屋の祠にお参りすると子供たちに異変が。怪談と人情の文庫新シリーズ!

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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