興亡の世界史 イタリア海洋都市の精神 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065133804

作品紹介・あらすじ

講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第4期の3冊目。本書では、建築史・都市形成史を専門とし、長年、東京や地中海都市のフィールド調査を続けてきた著者が、ヴェネツィア、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァの四大海洋都市のほか、南イタリアのガッリーポリ、モノーポリなど、長い歴史をもつ海に開いた都市の繁栄の歴史を探る。
古代から中世に起源をもつこれらの都市は、いずれも岬の先や海に浮かぶ島、背後に山や崖が迫る猫の額ほどの渓谷の土地などに築かれているが、なぜこのような厳しい条件の土地が選ばれたのか。その成り立ち、それぞれの都市の個性とは。
また、海は障壁であると同時に、交流を育む道でもあった。地中海世界では民族相互の争いと交流のなかで、文化がダイナミックに伝播し、ローマ、ビザンツはもちろん、とりわけイスラームからは建築や美術工芸の様式、科学、医学にいたるまでさまざまな先進文化がヨーロッパへ流れ込んだ。本書では、実際に都市を訪ね、建物、街路、広場、港の風景などを観察しながら、海洋都市の生活空間がどうつくられたか、歴史を読み解いていく。人びとの暮らしの場に入りこみながら、今なお海洋都市の精神が人びとの間に生きていることを、都市史、建築史の第一人者である著者ならではの視点とフィールドワークの成果を生かして、リアルに描き出す。
[原本:『興亡の世界史08 イタリア海洋都市の精神』講談社 2008年7月刊]

感想・レビュー・書評

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  •  イタリアを代表する中世に活躍した4つの海洋都市の歴史を描いた本である。イタリアは古代ローマ帝国から本当に豊かな歴史物語に溢れている国であるが、ローマ以外のこれらの都市もローマに劣らないほどの活躍をしている。
     ヴェネチアとジェノバはそれなりに有名だが、4つの海洋都市のアマルフィとピサの活躍は知らなかったので新鮮でした。特にアマルフィはこの4つの海洋都市の中で最初にビザンツ帝国に認められてコンスタンチノープルに活動拠点を置く事を許されていた都市なのであるが、これが本当に閉ざされた小さな港町なのである。車も入れない細い斜面の街、そんな街にある潮風に晒された小さなレストランで食事をしてみたいものだ。

  • 歴史というよりは旅行記のような印象。youtubeでそれぞれの港町の旅歩き動画を見ながら本を読むと現地を旅しているような感覚を味わえる。ただ歴史をもう少し詳しく知りたかった

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741972

  • 「イタリア海洋都市の精神」ではなく、
    ・海洋都市の成り立ち
    ・海洋都市の歴史
    ・海洋都市の特徴的な建造物や、街の構造
    ・古い建造物を生かした現在の街作り
    こればっかりだった。
    これについては、ものすごく詳しく熱心に。

    ヴェネチアの街作り/建造物についての、アラブ世界の影響に関しては、とても興味深かった。あと、政治的独立を失ってからのピサの繁栄とか。

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著者プロフィール

陣内秀信(Hidenobu Jinnai)1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学係研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学特任教授。著書に『イタリア海洋都市の精神』(講談社)、『ヴェネツィア―都市のコンテクストを読む』(鹿島出版会)、『都市のルネサンス〈増補新装判〉』(古小烏舎)ほか多数。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞ほか。

「2022年 『トスカーナ・オルチャ渓谷のテリトーリオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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