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- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065133828
作品紹介・あらすじ
伯爵家の四男として生まれ、数え10歳で明治天皇に仕えて以来、50年にわたって宮中に仕えた著者の回想録。本書は、近代史研究の史料として、たびたび言及されながら、長く入手困難だった。すでに学術文庫では、『女官』(山川三千子著)、『侍従長の回想』(藤田尚徳著)など、明治から昭和の宮中を語った文献を刊行してロングセラーになっているほか、「天皇の歴史・全10巻」もこの9月に好評のうちに完結。来年の皇位継承を控えて、「天皇」「皇室」にさらに関心が集まるなか、本書は待望の文庫化となる。
明治35年、新しい時代の君主として存在感を高めていた明治天皇に、学習院在学中の著者は召し出される。当時、天皇のそばには4、5人の少年たちが、仕えていた。大人たちが出入り禁止の奥御殿に控え、奥と表の取次の役目をするのである。近くで見る明治天皇は、大声で厳しく、几帳面ながら、やさしい思いやりを見せたという。
著者は、明治天皇の没後、昭憲皇太后、大正天皇、秩父宮らに仕えた。なかでも、大正天皇の后である貞明皇后には、その晩年に皇太后宮大夫として仕え、蚕糸業の振興に注力するなど終戦後の日々の回想は、貴重な記録である。[原本:『宮中五十年』明徳出版社 1965年7月刊]
感想・レビュー・書評
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こういう「時代の証言」はとにかく、存在自体が貴重なんである。研究が進んだ今となっては知られた事実も少なくないが、臨場感はやはり、このような直接証言でしか得られない。そういう意味で、現役の研究者による巻末解説は蛇足に感じた。
2018/12/13読了詳細をみるコメント0件をすべて表示
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