世界史の哲学講義(下) ベルリン 1822/23年 (講談社学術文庫)

制作 : 伊坂 青司 
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065134696

作品紹介・あらすじ

G・W・F・ヘーゲル(1770-1831年)は、『精神現象学』、『大論理学』などを公刊し、その名声を確かなものとしたあと、1818年にベルリン大学正教授に就任した。その講義は人気を博したが、中でも注目されることが多いのが1822年から31年まで10年近くにわたって行われた「世界史の哲学講義」である。
この講義はヘーゲル自身の手では出版されず、初めて公刊されたのは1837年のことだった。弟子エドゥアルト・ガンスが複数の聴講者による筆記録を編集したものであり、表題は『歴史哲学講義』とされた。3年後には息子カール・ヘーゲルが改訂を施した第二版が出版され、これが今日まで広く読まれてきている。日本でも、長谷川宏氏による第二版の訳が文庫版『歴史哲学講義』として多くの読者に手にされてきた。
しかし、第一版は最終回講義(1830/31年)を基礎にしながらも複数年度の筆記録を区別をつけずに構成したものであり、その方針は初回講義(1822/23年)の「思想の迫力と印象の鮮やかさ」を取り戻すことを目指した第二版も変わらない。つまり、これでは初回講義の全容が分からないのはもちろん、10年のあいだに生じた変化も読み取ることはできない。
本書は初回講義を完全に再現した『ヘーゲル講義筆記録選集』第12巻の全訳を日本の読者諸氏に提供する初の試みである。ここには、教室の熱気とヘーゲルの息遣いを感じることができる。今後、本書を手にせずしてヘーゲルの「歴史哲学」を語ることはできない。

[目次]
〔序論〕世界史の概念
〔A〕歴史の取り扱い方
〔B〕人間的自由の理念
〔C〕国家の本性
〔D〕世界史の区分
〔本論〕世界史の行程
 〔第一部〕東洋世界
〔第一章〕中国
〔第二章〕インド
〔第三章〕ペルシア
〔第四章〕エジプト(以上、上巻)
 〔第二部〕ギリシア世界
〔第一章〕ギリシアの民族精神の起源
〔第二章〕ギリシア精神の成熟
〔第三章〕衰退と没落
 〔第三部〕ローマ世界
〔第一章〕ローマの権力の形成
〔第二章〕ローマの世界支配
〔第三章〕ローマの没落
 〔第四部〕ゲルマン世界
〔第一章〕初期中世の準備
〔第二章〕中世
〔第三章〕近代の歴史

感想・レビュー・書評

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    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=337808

  •  解説にあるように、全体を通してみればそれほど東洋を低くは見ていないが、自由精神の発展の過程を東洋から西洋への空間の移動とリンクさせているし、キリスト教が成り立ち、カトリックからプロテスタントへ至ることでより発展するという、一般にヘーゲル哲学と呼ばれているものの片鱗は見て取れる。編集を重ねるうちにメモを取った受講者や編集者の思想が紛れ込みその様になってしまったのかもしれないが、そのベースとなる講義があってこそなので、やはりヘーゲルにも東洋より西洋が、プロテスタントが世界史の最先端であるという意識があったことは否定できないのではないかと思う(解説者はどうしても否定したいようだが)。

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