- 講談社 (2018年10月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784065135228
作品紹介・あらすじ
人は悲しいから泣くのか? それとも泣くから悲しいのか? これは脳科学では昔から論争が続いている根源的なテーマです。実は動物やヒトの行動は「理性」よりもはるかに強く「情動」によって支配されています。情動がなければ、私たちは意思決定さえままなりません。そしてヒトはさらに、情動より複雑で厄介な「こころ」を身につけました。それはいかにして生まれるのか? 私たちを支配するものの「正体」に第一人者が迫ります!
人は悲しいから泣くのか? 泣くから悲しいのか?
世界的トップランナーが解き明かす「こころ」の正体!
私たちは、自分の行動は自分が考えて決めていると思っている。
己を動かすものは、己の「理性」のみであると信じている。
だが、残念ながらそれは錯覚にすぎない。
行動は理性よりもはるかに、「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐怖」などの
「情動」に強く支配されているのだ。
情動とは、生き残る確率を高めるために脳にプログラミングされた、
下等動物からヒトにまで共通する必須の機能なのである。
ところがヒトは、情動よりもさらに複雑な行動決定のメカニズムを獲得した。
それが「こころ」である。
ヒトにはなぜ、このように不可思議で厄介なしくみが備わったのだろうか。
「こころ」はいかにして生まれ、私たちに何をしているのだろうか。
脳神経科学の第一人者が「こころ」の生成プロセスと作動原理を解き明かし、
私たちを支配しているものの「正体」に迫る!
第1章 脳の情報処理システム
第2章 「こころ」と情動
第3章 情動をあやつり、表現する脳
第4章 情動を見る・測る
第5章 海馬と扁桃体
第6章 おそるべき報酬系
第7章 「こころ」を動かす物質とホルモン
終 章 「こころ」とは何か
著者略歴
1964年東京生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。医師、医学博士。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院准教授、金沢大学医薬保健研究域教授を経て、現在、筑波大学医学医療系および国際統合睡眠医科学研究機構教授。1998年、覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」を発見。平成12年度つくば奨励賞、第14回安藤百福賞大賞、第65回中日文化賞、平成25年度文部科学大臣表彰科学技術賞、第2回塩野賞受賞。著書に『睡眠の科学・改訂新版』『食欲の科学』(いずれもブルーバックス)、『「眠り」をめぐるミステリー』(NHK出版新書)など。
感想・レビュー・書評
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大脳辺縁系の働きや、情動と身体の関係性、脳内の報酬機構などが比較的わかりやすく語られる。こういった内容の本が新書として出版されるのは社会貢献の観点からもとても喜ばしい。さすが、ブルーバックス。
この本で共有されている意識に関する知見として大きなものを二つ挙げるとすると、次の内容を挙げることができるかもしれない:
・「意識」はすでに自律的に起こった情動などの意識下の反応を、脳が認知して解釈したものである。したがって意識の情動に対する優位性は否定される。
・精神は、脳を含む進化論的な発展を基盤としている。
なお著者は、感情と情動を明確に区別をした上で包括的な理解をしているので注意が必要である。著者の感情と情動の区別はアントニオ・ダマシオに由来しているので、正確に理解するためにはダマシオの著作も読んだ方がよいだろう。
著者によると、「こころ」は脳単独で生まれるものではなく、感覚系や神経系、内分泌系を通して全身の各器官に影響を及ぼし、それらの器官からフィードバックを受けた上で全体として生成されるものである。この辺りの論は、先に挙げたダマシオの論に沿ったものである。その流れに乗る形で、著者は意識に対する「こころ」の優位性をその理解の前提としておくのである。特に情動の成立には情動を引き起こす事象の認知のみでなく、それに伴う身体反応が必要であるとするのである。
言うまでもなく、深く考えれば考えるほど、いわゆる「こころ」の定義は難しい。ここで著者は狭い意味で「こころ」を情動と捉えて定義するのではなく、その範囲を広げて、次のように書く。
「「こころ」には、情動以外にも、報酬を得ようとする欲求、困難を成し遂げようとする意志力、他人に共感する力、社会で適切な役割を果たす力などが含まれている」
「「こころ」は脳深部のシステムの活動、いくつかの脳内物質のバランス、そして大脳辺縁系がもととなる自律神経系と内分泌系の動きがもたらす全身の変化が核となってつくられている。また、他者の精神状態は表情を含むコミュニケーションによって共感され、自らの内的状態に影響する。そして最終的には、前頭前野を含む大脳皮質がそれらを認知することによって、主観的な「こころ」というものが生まれるのである」
さらにそもそも人間が「こころ」を獲得した経緯について、「こころ」は進化論の求めるところにより、個体の生存確率を高めることによって獲得されたという理解が前提とされる。また人間の情動は、一般にそう思われている以上に身体的なものであり、生物的なものである。いずれにせよ、「こころ」が生物の一機能である以上、進化論的な議論を避けて済ますことはできない。その意味でも、「こころ」の議論において、「記憶」という機能も生存確率に影響するという観点からも興味深く、この本でも取り上げられるべき重要な要素である。「エピソード記憶」、「意味記憶」からなる陳述記憶と「手続き記憶」、「情動記憶」からなる非陳述記憶、また一時的記憶領域である「作業記憶」に大きく分類される。これらと海馬や偏桃体などの大脳辺縁系の役割についても比較的詳しく説明される。また、ドーパミンなど報酬系の脳内での仕組みも、その進化論上の観点含めて「こころ」を理解する上で重要である。
そして進化論が教えるところによると、「実は「こころ」はいまもなお進化し続けている」のである。
「「こころ」とは、行動選択のためのメカニズムである。そして「こころ」には、学習機能が備わっている。それゆえに「こころ」は、社会の変化に伴いこれからも変化していくのだ」
インターネットによるコミュニケーションの変容や、報酬系に与える変化はおそらくは「こころ」に対する環境の変化として働き、実際の「こころ」の動きに対してときに想定を超える影響を与える。
各章の最後にまとめが書かれているのも理解をよく助ける。佳作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前から心理学や人間の精神みたいなものには興味があった。割と人文学的な本を良く読んでいたように思う。本書は、そういった「こころ」を科学の視点で説明している。
(冒頭では、心理学的、あるいは精神病理学的な問題ではなく、神経科学からみた「こころ」の働きを扱う、とある。)
同じこころ・精神といったものを扱っていても、学問によって捉え方が全く違うんだなと面白く読めた。この本では、「こころ」を生物の生きていく上での"機能"として捉えている。「こころ」の働きには煩わされたり、苦しんだりすることもあるが、それらは進化の過程で獲得した、意味あるものなんだろう。
以下のようなことが、何となくわかる。
- 曖昧で形にできない「こころ」をどうやって科学的に捉え、研究されているのか。
- 「こころ」がどんな要素で成り立っているのか。
- 人体でどのように「こころ」が作られているのか。
- 「こころ」は何のために必要で、どんな役割を果たしているのか。
夏目漱石の『こころ』を読みたくなった。
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・脳の「機能局在」と呼ばれる概念が興味深かった。大脳皮質、大脳辺縁系、扁桃体、海馬、、、脳の部位によって役割が決まっている。各部位がどのように働くのか、ある精神の働きがどの部位にどのような経路で伝わるのかが説明される。何となくわかった気になれる。
・曖昧な「感情」を科学の視点で(客観的・定量的に)扱うための「情動」という概念。
・情動がどこに端を発するのかの二つの論争。
悲しいから泣くのか、それとも、泣くから悲しいのか。
- 感情は全身の状態を脳が認知することによって引き起こされる(末梢起源説)
- 脳が情動をつくりだし、それが全身の状態に影響を与える(中枢起源説)
感情や情動は、脳だけが支配しているものではない。
・情動を評価するための動物実験。
具体的な実験手法がある。実験用のマウスはこんな目に遭わされているのか、とちょっとかわいそうにも・・・。
・脳手術を受けた患者ヘンリー・グスタフ・モレゾンの症例。
テレビか何かで見た記憶がある。手術の副作用で、新しい陳述記憶を作ることができなくなった。父の死を知って悲しむけれども、それを記憶できないので話を聞く度に驚き、悲しんでしまう。
検査に協力的だったために、神経科学の発展に大きく寄与した。
・同性愛者の異性愛者への”治療”
患者の脳に電気刺激を加えることで、人工的に”快感”を与える。報酬系のくだりでそんな話が出てくる。
昔はこういうことも治療と考えられていた。自分が感じる快・不快も、脳内の電気信号でできているのかと思うと不思議な気分になる。
スイッチを押すだけで気持ちよくなれたらいいなと思うけど、それが麻薬や覚醒剤なんだろうな。 -
脳地図や伝達系のよくわからない名前はたくさん出てきましたが、そこはそれなりに流して読了。
こころってどこにあるのか。
普通に考えたら脳だろうけど、でも気持ちが大きく揺さぶられた時って、心臓の付近が痛いと私は感じる。
情動はこころで感じる感情のきっかけになるもの。
五感から得た情報は大脳辺縁系を介して、意識下で自動的に情動をもたらす。
脳内の状態に変化を与えると共に、自律神経系や内分泌系を使って全身の情報を変化させる。
それを自我や意識の首座である大脳皮質の前頭前野が認知することによって、こころという機能は完成する。
つまり、身体全体が著者の考えるこころなのだといってもいいのだろう。
喜怒哀楽のない人生はつまらないことは、分かる。
できれば楽しいこと、嬉しいことだけで構成されていて欲しいけれど、痛みが生体防御機能として重要であるのと同様に、危険や失敗を避けるため、繰り返さないために怒りや悲しみの感情も重要なのだという。
そして報酬系についての話は、本当に恐怖でしかない。
報酬に囚われて、他の全てがどうでも良くなってしまうって怖すぎる。
思い通りにいかない状態…自己とは何かみたいな所に最終的に行きつきそう。
もうそれは科学じゃなく倫理の世界。
そういえば「分類」についても極めていくと倫理と繋がっていた。
そもそも自己という存在からしか世界を見ることができないのだから、想像することしかできなくて、さらにそれを確かめる術さえない。。
生きることは死ぬまでの暇つぶしだ、とかいうけれど確かに一理あるのかも知れない。
モノアミン類は気分に関係する物質でGPCRに作用するらしい。
って?聞いたことある!って調べたらGタンパク質共役型受容体って懐かしい。
昔そんな関係の事調べてた‼︎もう忘れたけどw
モノアミン類のレベルがチューニングされることによって、気分を大幅に変動させることができるらしい。
受容体一つで一夫一婦制になって子育てするようになるとか、なんていうか(頑張れ語彙力‼︎)…そんな簡単な(簡単じゃないけど)機構なのかと結構ショックでした。
一つの受容体のあるなしで、性質がごろっと変わってしまう恐ろしさと同時にうまいことできてるよなぁと感心します。
本書でもヘビが恐怖の対象として何度も出てきました。
昔々にヘビとの間で一体何があったんだ⁉︎
知りたくなりまする。
備忘録
モノアミン系(カルボキシル基の取れた形)
ノルアドレナリンのレベルが上がれば興奮状態になり、緊張する。
ドーパミンは興奮を緩め、動きを大きくする。
セロトニンは調整役として働き、適切な状態にとどめる役割をしている。
1番嬉しいのは、最初の嬉しい瞬間。 -
「こころ」へのアプローチが神経伝達物質やホルモンで、精神医学や心理学というよりは脳生理学の分野が多い。
これは大学の頃に読みたかった…!
すごく面白い。脳って本当に不思議。
「こころ」は脳ではない。もちろん心臓でもない。ホルモンのイタズラでもない。不思議。自分の体の中で起きているということが不思議。 -
感情がたかぶって耐えられないことがあったので手に取った(笑)。
ブルーバックスで中高生向けに、脳科学の観点から感情=情動のメカニズムに迫る。
へー。そうなんだ、あ、コレは知ってる、コレは知らない、とパラパラ読んだ。
個人的にとても印象に残ったのが、報酬系の働きについて。報酬を得た瞬間ではなく、そこに至るプロセスに快感を得る、だとか、なるほどと納得してしまう。
さらに個人的にショックだったのは、p149から始まる扁桃体の説明。
身近なひとの様子にそっくり。
そんなわけで、またもラインの文字認識能力を使って引用メモさせてください。めちゃ長いです。
p151の心理的距離と物理的距離の図解にも思い当たるフシが有りすぎて、ギョエーと思った…。
p149
扁桃体の構造と機能
扁桃体は海馬体とならぶ大脳辺縁系の重要なコンボーネントである。また、記憶にも重要な役割をしている。ここで扁桃体の構造と機能を確認しておこう。
感覚系を通して知覚された情報が、生体にとって意味があることなのか、つまり危険や脅威をもたらすのか、あるいは逆に報酬をもたらすのかを評価するのが扁桃体の役目である。この機能は環境に適応し、生き残っていくために欠かせない。扁桃体は海馬のすぐ前方に存在し、中心核、内側核、皮質核、基底内側核、基底外側核から構成される。
海馬の機能については、それを失ったヘンリー・モレゾン(H.M)の話をしたが、扁桃体に関しては、ウルバッハ・ヴィーデ症候群(Urbach-Wiethe症候群)と呼ばれる稀な疾患によって両側の扁桃体が石灰化し、機能を失ってしまったS.Mという女性が、過去20年間にわたりさまざまな調査に協力している。
ソーク研究所のダマシオらは、SMを含む3名の扁桃体に障害をもつ人たちを被験者として、彼らが人の顔から「恐怖」の感情を示す表情を識別できないことを示した。通常、健常な人は、「怒り」の表情と「恐怖」の表情を容易に識別することができるが、扁桃体に障害がある人はその区別ができないのだ。
SMが42歳のときに、カリフォルニア工科大学のグループは彼女が「パーソナルスペース」の概念をもっていないことを報告している。パーソナルスペースとは、見知らぬ他人がいるときに不快と感じる物理的な「近さ」のことだ(図5-4)。ある程度以上に他人が近づくと、通常の人は不快と感じる。このとき、機能的MRIで調べると、両側の扁桃体が活動しているわかっている。しかし、扁桃体が機能しないSMは、まったく見知らぬ他人が
ても不快と感じないのだ。
アイオワ大学のグループは、SMが44歳のとき、彼女にヘビやクモなどの動物を見せたりしたが、彼女は事前に「クモやヘビは嫌いでいつも避けるようにしている」と語っていたにもかかわらず、まったく恐怖を感じている様子を見せず、躊躇なく触ったと報告している。
なぜ触ったのかとの質問には、「好奇心に勝てなかった」と答えたという。
さらに彼女は、あらゆる種類の「恐怖」を感じる様子をまったく見せなかったという。
第3章でお話ししたように、サルや齧歯類を使った動物実験で扁桃体と恐怖の関係は示されていたが、SMの実験によって、ヒトでも同様に扁桃体は「恐怖」という情動と密接な関係があることが明らかになった。
また、「死への恐怖」といった概念的な恐怖や「公衆の前で話すことへの恐怖」などの社会的な恐怖も同様に、扁桃体で制御されていることも示された。SMはこれらに対しても恐怖を感じている様子がまったくなかったからだ。恐怖にはさまざまなタイプのものが存在すると思われがちだが、実は、根本的には同一の機構によるものだったのだ。
恐怖はしばしば「ネガティブ」な感情としてとらえられる。では、恐怖を感じないことはよいことなのだろうか?
扁桃体が機能しなければ、命が危険にさらされるような強烈な体験をしても、恐怖を感じることはなく、また情動記憶も成立しないためPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような後遺症に悩むこともないだろう。
しかし、扁桃体が機能しなければ、危険を避けることもできなくなり、生き残っていく能力は著しく損なわれてしまうだろう。好奇心に勝てず恐怖に近づいていたら、生命を脅かす危険にたえず身をさらすことになってしまう。「恐怖を感じない」というと、何にも怖気づかない勇猛果敢な戦士のようなイメージを抱くかもしれない。しかし、危険を感じないということというのは、危険に対処できないということであり、生存能力に問題が生じてしまうのだ。 -
「こころ」は進化する。現代社会での承認欲求にまで話は及んで、面白かった。 「嫉妬」について、「ある報酬を他者が得られ、自分が得られないことを理解できる」共感性によるもの、という部分を読んで、なるほど嫉妬とはそういうことか、ここまで客観的に書かれると「嫉妬」が孕んでいる荒ぶる感情のようなものが一気に色褪せるなあ、「嫉妬」に振り回されてしまうことの馬鹿らしさが際立つなあと思った。
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人は悲しいから泣くのか? それとも泣くから悲しいのか? これは脳科学では昔から論争が続いている根源的なテーマです。実は動物やヒトの行動は「理性」よりもはるかに強く「情動」によって支配されています。情動がなければ、私たちは意思決定さえままなりません。そしてヒトはさらに、情動より複雑で厄介な「こころ」を身につけました。それはいかにして生まれるのか? 私たちを支配するものの「正体」に第一人者が迫ります!
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さすがブルーバックスだけのことはあり、脳の構造から始まり、情動や記憶の仕組みについてわかりやすくまとまっていた。ストレス反応一つとっても具体的であり、ホルモンもどんな作用があるのかだけでなく、きちんと構造式から説明されていた。それなりに読み応えがあるため、心理学や脳科学についての素養があるとより一層面白く読むことができる。感情を分類する3つの要素(valence, arousal, dominance)は覚えておきたい。
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こころに関して、脳科学的観点から詳細にかつわかりやすく書かれている。かなりオススメ!
たとえば、旧脳である大脳辺縁系と新脳である大脳皮質の前頭前野の機能比較や相互連関、脳内の神経回路、神経伝達物質についてなど、様々な角度からこころについて言及している。私にとっては知りたいことの宝庫であったので、この本をベースに知識を定着させていけるように、努力していきたい。 -
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感覚と情動と記憶とが、脳のどこを介してどう影響し合っているのかが明快に想像できた。
感覚は視床下部をハブとし、大脳皮質の各部位に送られ詳しく分析されるのと並列して、扁桃体に送られ情動を呼び起こす。このとき情動は、同じく扁桃体に保存されている手がかりによる情動記憶や海馬に保存されている文脈と結びついた情動記憶に連携して呼び起こされ、同時に、予測との差異で測られる情動の大きさによって記憶に重みづけが為される。その後情動は行動や自律神経や内分泌系に表出し、前頭前野がそれらを認識し解釈することで、主観的なこころが生まれる。 -
心の働きである情動の発生メカニズムを解説する。
人間の意識とは何かについての説明は無い。 -
情動の仕組みが気になったので、初学者でもわかりやすい本が読みたいと思い読んでみた。医学的に情動がどのようなものとして位置づけられているか、わかりやすく書かれていると思う。
情動を引き起こす脳の仕組み、報酬系の働き、身体の変化、更に認知機能によって、こころが生まれるという世界観は、理解しやすい。脳の仕組みの解説に終止するのではなく、感情やこころまでを含めて論じられており、初心者でも比較的全体像が理解しやすいと思う。 -
意識の問題
神経科学からみた「こころ」の働き方、いわば生体の機能としての「こころ」の働き方
●ドーパミン
ドーパミンが前頭前野や前帯状皮質に放出されると「気持ち良い」という情動認知、つまり、快感が生まれる。
そしてドーパミンが側坐核という部分に放出されると、その放出に至った原因となった(と脳が認知した)行動が強化される。報酬系では、これがキーイベントとなる。
●脳のモード調節
「気分」に作用するモノアミン類(アミノ基がひとつだけ)
脳全体のモード調節
ノルアドレナリンのレベルが上がれば興奮状態になり、筋緊張は高まり、一般的に「緊張している」という状態が生まれる。ドーパミンは緊張を緩め、動きを大きくする。セロトニンはすべての調整役として働き、適切な状態にとどめる役割をしている。これらのレベルがチューニングされることによって、動物は「気分」を大幅に変動させる -
脳科学において今までわかったことから「こころ」の仕組み
に迫る。最新の研究から推測されることではなく、現に判明
している事実をひとつずつ積み重ねて今までにわかってきた
ことをわかりやすく説明しているという印象。その分間違い
はないが新しい発見もないという感じかな。人の脳という
ものが増築に増築を繰り返し、最初の古い母屋の部分も未だ
に活用しているという事実には中には驚く人もいるのかも
しれない。 -
中々書いてある内容が頭に入ってこなくて難しい本でした。脳科学の分野に携わっている人が見るとすごく面白いと思えるのだと思います。
ただ、こころはヒトにとって動物にとって大切なものなのだと分かりました。また、こころも進化していっている事が分かりました。 -
脳の機能のあまりの複雑さと、まだ解明されていないあまりに広大な「こころ」の範囲に慄く。
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【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001134381
著者プロフィール
櫻井武の作品
