- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065136614
作品紹介・あらすじ
「カミングアウトは必要じゃない。だけど、隠す必要だってないでしょ?」
恋の「短歌」とともに、多様な世界を知る。
「知らない」より「知ってる」ほうが、きっといいーーソボクな疑問に「オープンリーゲイ」の歌人として活躍する鈴掛真が答えます!
すぐそばにある『LGBT』が身近になる世の中への入門書!
Q.何人に1人がゲイなの?--A.100人のうち3人と言われてます!
Q.いつゲイだって自覚したの?--A.幼稚園にあがる頃!
Q.同性愛って趣味なんでしょ?--A.それは大きな間違い!
Q.アウティングってなに?--A.セクシャリティに関して本人の意思に反して他人が勝手に暴露すること。
Q.腐女子ってどう思う?--A.いいと思うけど……
Q.ゲイって心は女子なんでしょ?--A.そうとは限らないよ!
Q.同性愛者は「生産性」がないの?--A.人間を生産性で計ることがそもそも……
Q.友達からカミングアウトされたらどうすればいい?--A.あなたの心の内を素直に話してみて。
Q.生まれ変わってもゲイになりたい?--etc.
「LOVEじゃなく 恋と愛とを 別々に 話せる国が あってよかった」(本文より)
思わずきゅんとしてしまう短歌とともに、ちょっとでも興味をもったら読んでほしい--。
感想・レビュー・書評
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明るくて率直な鈴掛さんの言葉が真っ直ぐ伝わるQ&A形式のエッセイ集。
タイトルでもあっけらかんと仰っている通り、歌人の鈴掛真さんは同性愛だと公言している、オープンリー・ゲイ。
そんなマイノリティである彼が、マジョリティーの皆さんが疑問に思うであろう「ゲイに聞いてみたいこと」の質問に答える形。
けっこう、踏み込んだ質問にも答えてくれていると思う。
ゲイに興味はあるけれど(公言している人に)出会ったことないという方、学校や職場にいるのだけれど、どう接していいか分からないという方、逆に、ゲイはちょっと……と、内心思っている方にも、全部の方に読んでほしい。
ここに書いてあるのは、ひとりのゲイの恋バナだったり、同性愛者を巡る社会問題への一意見だったりするのだけれど、読んでいくごとに、自分と何ら変わらない部分も発見できる。
想像するに、ゲイがゲイであることに、直面する時って、当たり前だけど、他人に恋したとき、だけなんだよね。
恋した相手が、世間一般のマジョリティである異性でなかった、というだけ。
いうだけ、というと、当事者の方に怒られちゃうかもしれないけれど、他の部分はきっと異性愛者と、変わらないのだと思う。
ううん、人を想う気持ちも同性愛者も異性愛者も変わらないのだろう。
最近、LGBTQ+や、ノンバイナリー、アセクシャル、アロマンティック、ポリアモリーなど、性の世界の多様さが取り上げられるようになって、ホッとしている。
今までが窮屈だったことに気づいた。
たぶん、もっと、もーっと多様なんですけどね。
レインボーフラッグが表すように、グラデーション豊かな世界になったらいい、と思う。
この本は実は、一番読まれて欲しい読者層は、自分の性に悩む若い人なのではないか、と、感じた。
鈴掛さんの短歌がQ&Aごとに挟まれているのもいい。
学校の図書館に入れてほしい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
身近な友人がゲイかもしれないと思ったのを機に、ゲイについて知りたくなった。
自分がゲイに対していかに偏見を持っていたかを、またメディアのゲイのイメージにいかに染められていたかを、ひしと実感。恥ずかしくなった。というのも、けっきょくは、ゲイうんぬんではなく、その人個人と向き合うべきだという当たり前のことに気づかされたからだ。
そして驚くことに、男と女という二つの性に囚われていた自分の偏狭さにも向き合うことになった。どこかで、異性を好きにならねばならないという社会のそこここある抑圧に盲目になっていた。時に、同性を素敵だ、かっこいいと思った経験は誰しもあるはずだ。あの素直な感情に、余計な衣服を着せることは、今後しないでおこう。自分だって、ひょっとして、同性を好きになることだってあるかもしれない。本書を読んで、その可能性についても本気で考えるようになった。 -
・観光バーやミックスパーティーにいってみたいと思った
・台湾にいってみたいと思った -
同じ人間として、別世界の人の話と思っていたけれど、根っこは同じ人間なんだと理解した。やっぱ偏見というバイアスはかかってたと自覚した。
自分とは違う人たちに興味を持つことは普通。その中にLGBTの人たちもはいるというだけの事。
本の中に出て来た’リバース・エッジ’という漫画、映画はぜひ観てみたい。 -
何気なく手にとったけど、面白かった!!
世界を広げたくなる
杉田水脈氏の発言について筆者なりの考えが少し添えられているのも良かった。 -
思ったよりもちゃんとした本。
私はそもそも同性異性に関わらず、性愛の対象を世に晒すことが野蛮と思っているので、心からどっちでも良いんだけど、この人は「ゲイ」をキーワードに人として大切な事を語ろうとしてると感じた。 -
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腐女子の触りで笑った。現実の男、嫌になるときあるよ!!
でもそれは腐女子じゃなくてもそうだと思う。
始めは2次元の創作から入ったけど、そこから3次元に、リアルな現実に…って目を広げていって、より私とは違うセクシュアリティを持つ人の内情を知りたい。そう思うようになり、図書館でこの本を見かけて手に取った。
個人の体験が書かれているから、とても分かりやすいし読みやすい。ゲイの人は、LGBTQの人は、と概念が主語じゃなくて良かった。そういうぼんやりした話は苦手だから。
と思ったら後半そんな話になりましたね。
生産性の件は、子供を産むことだけが生産なのか?と突っ込みたくなる。
仕事だって生産だし、趣味だって生産だし、もっと言えば人が生きるのなんて究極、ご飯食べて遊んで寝るそれだけ。
その遊ぶ、が仕事だったり趣味だったりするわけで。生産性なんてそもそも無いのよ。
同性婚を認めたら出生率が下がるという話もあるけれど、認めていない今でも下がってるわけでしょ?
男女ですら結婚しない人が増えてるんだから、婚姻と出産を一緒にしていること自体に無理があると思う。子供を産まなくなった理由はなんなのか、同性愛が表に出るようになったからだけではないでしょう。
賃金が安いことが原因なのかもしれないし、周りに頼れる人がいないのが原因なのかもしれないし、もっとバリバリ働きたいからなのかもしれない。そんなの人によって様々あるんだから、一概に同性愛のせいには出来ないよね。
私は現実でゲイの人に会ったことがないから会ってみたいと思ってる。けど、実際会ったら知らぬ間に傷つけてしまったり、差別してしまう可能性がありそうで怖い。こうして本で読んだり画面越しに見たりはしてるんだけどね、無意識の部分って取り繕えないから。
そして同性愛の人は不幸というイメージがバッチリ合ったのでここで謝ります。すみませんでした。
情報が乏しいのが原因だけど、この本で幸せに生きている人もいると知れて良かった。
カテゴリー名通り、まさに「視野が広がった」本です。
最後に書かれていましたね。
「差別や偏見の根本は、ただの無知であることがほとんど」
まさに私も知らなかったからこそ自分が差別してしまうかもしれない、と不安を抱いていたわけです。
セクシュアリティに限った話ではないよね。 -
当事者の視点を知れてよかった
日本の政治家が心配になった -
すごくカジュアルで読みやすい文体だった。
普通のことを普通のこととして捉えられるようになる本。
同性婚について、同性愛者に特権を与えようと言うんじゃなく誰もが平等な権利を享受できるようにしたいだけだというフレーズがすごくしっくりきた。
政治家ホントに大丈夫か?ってなってくる…