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Amazon.co.jp ・本 (370ページ) / ISBN・EAN: 9784065136799
作品紹介・あらすじ
江戸時代をこよなく愛する著者が描く、武家の人生の諸相。
仇討ち、学問、侍の就活、嫁取り、剣術、罪と罰……。
身分に縛られ、役目に忠実であらねばならなかった武士の暮らしにも、喜怒哀楽に満ちた人の情は流れている。練達の筆がすくい上げる、きらびやかな宝玉のごとき八つの物語。江戸の庶民を描いた『福袋』と対をなす、時代小説短編集。
感想・レビュー・書評
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8つの短編集。じわじわとくる深い内容なのだが、読むのに時間が掛かってしまった。
「草々不一」のタイトル作品は今まで聞いたことが無かったが、手紙の最後に添える言葉との事。意を尽くし切って居ないが、そこは忖度して下さい、との意味だそう。侍は武術があれば良いとして字を読むことを拒否して来た御家人が、息子にも武術を強要し瀕死の目に合わせてしまい、結果的に学問の道に進んだ息子。息子は破格の出世をし、隠居となった父親はこれから妻とのんびり暮らそうと思ったら妻が麻疹で突然死。残された妻は遺言状を遺していた。何としても妻の遺言状を読もうと寺子屋に通い始めた父親。数年後に読み解かれた遺言状とともに感動的な結末を迎える。
たった一編の紹介ですが、他の短編も同様に深い人情話が続く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
朝井まかてさん大好きと思えた時代小説短編集。
どの話にも出てくる、泰平の世、それはとても良きことだけど、武士には生き辛いところもあったのだろうな。
好きな順に感想を…
『草々不一』
武士に学問など必要ない!漢字など読めなくてもいい、そう思って生きてきた忠左衛門。
そんな忠左衛門の妻が死の間際、自分に手紙を残していた。
漢字が読めないのを知っている妻がなぜ?中には何が書かれている?
「余人、開けるべからず」
そう書かれた亡き妻の手紙を読むため忠左衛門は手習塾に通い始める。
そこで手習いの先生かよ、12歳の兄弟子半太郎たちと出会い「楽しむために、学ぶ」事を教えられる。
そして、三回忌の法要の翌日、忠左衛門はついに手紙を読む。
手紙の最後の一行に涙した。
文字が読めるって素敵な事。本が読める、幸せを感じる。
『蓬莱』
この縁が幾久しゅう続くように。「部屋住み」の言葉が出てくると『影法師』を思い出す。
長男以外の男の哀しさ。多くの子弟は独り身の厄介者として生涯を過ごす。
平九郎もそうなるのではと焦りを感じていたが、格上の旗本から婿養子に来て欲しいと言われる。問題ありの娘を押し付けられたのではと不満もあるが、もちろん断ることもできず。
妻から三つの約束をさせられて。ツンデレ好きやわぁ。
『妻の一分』
大石内蔵助の妻、りくにとっての忠臣蔵を、そばで見守ったものがいた。それは…。
忠臣蔵が大好きでとても楽しめた。
内蔵助の京での遊蕩の本心はいかにといつも考える。
今作で主君のお遺骸を見た者(江戸の強硬派)の気持ちを初めて考えた。
朝お見送りした殿の首と胴…。忠臣蔵は奥が深い。
『紛者』
面目を潰されたら討ち返しをするのが武士。
そして、討ち返しをしてもしなくても、武士は生きてはいられない。
信次郎は最後どうなったのだろう…。
『一汁五菜』
刀ではなく包丁で仕える江戸城の料理人。
妙なものを混入せぬか、台所人は常に監視されている。
毒など盛るわけがない。これが彼らの奉公なのだ。でも、意外な結末が面白かった。
『落猿』
「聞番」という言葉を初めて聞いた。
不要な争いを避けるための重要な存在。その駆け引きが面白い。
無礼討ち、必殺仕事人でよく出てきた言葉。無礼討ちにも決まり事があったのか。
『春天』
竹刀の音が聞こえてくるようだった。剣術指南所の娘と二刀流の修行人。
剣で心を通わせた二人だったが実は修行人は…。
『青雲』
いつの世も就活は大変で…
不一とは、
意を尽くしきっておりませぬが、そこは忖度なさってください。-
こんにちは(o^^o)
めいっぱい楽しんだ感が伝わってくる感想♪
私、まかてさんの作品はまだ読んだことないんだけど気になってるの♪
短編...こんにちは(o^^o)
めいっぱい楽しんだ感が伝わってくる感想♪
私、まかてさんの作品はまだ読んだことないんだけど気になってるの♪
短編集なら読みやすいかなぁ(* ॑꒳ ॑*)
涙したり、意外な結末だったり、ツンデレまで⁇(*'∀'人)♥*+
武士の世界、なんだか興味津々٩(๑❛ᴗ❛๑)۶2019/04/21 -
くるたん♪
こんばんは(^-^)/
早速読んでくれてコメントまでありがとう(⁎˃ᴗ˂⁎)
私も初まかてさんでドキドキしたよ。
...くるたん♪
こんばんは(^-^)/
早速読んでくれてコメントまでありがとう(⁎˃ᴗ˂⁎)
私も初まかてさんでドキドキしたよ。
本当にどの作品も楽しくて、それがくるたんに伝わって嬉しい♪
うん、短編が読みやすくていいと思うよ!
短編だけどしっかり読ませてくれるし。
私、あの時代の純愛が好きでね、キュンとくるわ(〃∀〃)ゞ2019/04/21
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江戸時代半ばから幕末にかけての、様々な武士や武士を取り巻く人々のドラマを描いた短編集。
表題作は特に素晴らしかった。
武士に学問など要らぬ、武芸をしっかり磨いて大樹公(将軍様)をお守りすれば良いという、元徒衆のご隠居が、妻が死の直前に書いたという手紙を息子から受け取る。
自分とは違い書道に長けていた妻が、文字を読めない自分に託した文には何やら意味深な言葉が書いてあるが、何を書いているのか分からない。
そこで長年の考えを曲げて、手習いに通うことにしたのだが、腕白少年やかしましい娘たちに混ざって文字を習ううちにご隠居に新しい視界が開けてくる。
自分とは違い、学問に長けてその力で出世街道をひた進む息子との微妙な関係もどうなるのか、亡くなった妻の「不一」に込めた気持ちと夫が読めない手紙を託す気持ちが感動的だった。
他に、
世をすねて牢人者となり深川芸者のヒモとして暮らしていた男がある出会いから武士の一分を思い起こす「紛者」
小普請組の就職活動の悲喜こもごもをコミカルに描いた「青雲」
部屋住みの行き遅れ男に降って湧いた逆玉の輿縁組の行方「蓬莱」
御台所の料理人が長い長い時間をかけて企んでいたあること「一汁五菜」
大石内蔵助の妻りくと子どもたちを見守ってきた犬の視点で描く「妻の一分」
江戸屋敷聞番として政治の裏表を知り尽くす武士ゆえの苦悩と覚悟「落猿」
道場の娘に生まれ武術を極めることに喜びを感じていた主人公の前に現れた、二刀流の男「春天」
いずれも短いながらそれぞれのドラマがきっちりと描かれていて読み応えがあった。
武士の一分、プライドというものは命より重い物でそれにかける思いが時に痛々しく、時にコミカルに描かれているのも良かった。 -
江戸時代も平和になり、そんな中、食べることにも中々に苦労する武士達の話の短編集。
どの話も心温まるものがあって面白かった。
家族を支え生活もしていかねばならないが、武士としてのプライドも捨てられない。
武士の日常が切なくなる。
読み終わり、頑張れ武士!の気分。 -
8編からなる江戸時代の武士について描かれているのだが、、、どれもこれも、ググっと引き込まれてしまう。
「紛者」なんて、武士であればこそ、断れない事情もあり、命を賭けないといけないなんて、、、、
「青雲」酒屋の樽拾いという仕事もこなし、手代になろうとしていた矢先に、兄の死で、武士の跡目相続にさるのだが、、、この当時から、鬘があったとは、、、面白い。
「蓬莱」旗本への婿入りしたのだが、最初に妻から、3つのお願いを聞かされるが、どれも、妻の優しさからである。
「一汁五菜」江戸城本丸の膳所、、、最近のある店の従業員がゴミ箱へ投げ捨てたのをまな板の上に戻すように、、、、最初のシーンの芥溜の竹籠に切り身の魚の片身を放り込み、その後お持ち帰りに・・・給料の少なさに、料理人は、料理屋で、アルバイト稼業である。
「妻の一分」赤穂浪士の物語りを、犬が解説するところなんて、面白い。
「落猿」江戸の留守居役が、新人の者からの無礼討ちに対して、偽証していた事への采配を2つの選択肢から選ばせる。「しかるべく」・・・・
「春転」剣術指南どころの娘と二刀流の修行人。恋心を抱く娘だが、修行人は妻帯者、、、、父も、そして兄も亡くしながら、、、所帯を持たなかった娘の前に、現れた片腕の武士は・・・・
「草々不一」妻に先立たれた隠居の夫、文字など読まなくても済むと武芸のみに生きてきたのだが、、、妻が、残した手紙を読むことが出来ず、手習い所へ、、、、
亡き妻と、息子の優しい策略であった。
読み易く、完結して行くたびに、心が、ホンワカするのは、作者の力であろう。 -
「福袋」で庶民を巧みに描いたまかてさん、今度は武士を描いて、その筆致はますます冴えています。
武士の生き方、心情を、まるでそばで見たかのように表現してみせる手腕は惚れ惚れしてしまう。この時代に、瞬く間に引き込まれていきます。
ただ、庶民の方は共感できることが多かったのですが、如何せん武士の生き方は理解できかねることも多く、深く入っていけなかったところもありました。敵討ちとか、理不尽な道理に、武士は立ち向かっていかなければならなかった。
そんななか、文盲の武士が妻の手紙を読むために手習いをする表題作は、じんときました。
他にも、オチが秀逸な「蓬莱」「落猿」芙希がいじらしい「春天」など、どれも素晴らしかったです。 -
<画>
朝井独特の語り口に嵌ってしまうと,新刊が出る万度に入手すると云う事にあい成ります。文章に明確な癖があるというのは大変重要な事だと思ひます。加えて,本書は物語も良いが,白浜美千代の装画が更に実に良いのです。ひと目見て御覧ぢろう。 -
読み始めはどうなる事かと思いました。
武士の生き様を描いた8つの短編です。朝井さんのこういう本格的な時代小説は久しぶりのような気がします。久しぶり過ぎてちょっと腕が鈍ったかと。
ところが途中からぐっと挽回。面白いですねぇ、「蓬莱」「妻の一分」「春天」「草々不一」など、女性が主人公または重要な脇に廻った作品はどれも秀逸なのです。
やっぱり朝井さんは上手いですね。 -
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朝井まかてさんの新刊「草々不一」、2018.11発行、時代物の短編8話が収録されています。短くても確かな取材・調査としっかり推敲されていて、とても「草々不一」(走り書きで十分思いを尽くしていないと詫びる末尾の言葉)ではございません(^-^) 特に、本格的でとても真面目なまかてさんにはめずらしく、「遊び心」を感じる「蓬莱(ほうらい)」、良かったです。そして一番秀逸なのは、この本の最期を飾ってる「草々不一」、これは静かなゆっくりとした感動に襲われ、余韻に浸らざるを得ない作品です。
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とても読みやすく、これがデビュー作なのかと驚きを隠せません。
眩、最悪の将軍から読んだので、軽くは感じましたが、そういう作品なので。 -
人の心持ちをさりげない言葉で現していく、文章がたまらない。どの短編も読み終わると胸にグッときて涙腺が緩む。あぁそうかぁ。あぁそうだよな。そんな思いです。また、いつか読みかえそうと思う1冊。
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テーマにした短編集。戦がなくなった後の武士、庶民の生活、文化が丁寧に書かれていて、この本で知ったことがたくさんあった。どの短編も何かしら感情が揺さぶられた。「紛者」のふく、がいじらしく哀しいし「蓬萊」はじわじわくる温かさ。「春天」「落猿」はぜひNHKでドラマ化して欲しい。
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ふわっと救われる話ばかり
草草不一、良かった涙 -
文の結句『そうそうふいつ』。
八篇を収めた作品。どれも、読後感がしみじみとする。『落猿』は特に。あまりの潔癖さ、潔さ、務めに忠実であるための心づもりが哀しい。刀を切り結ばないための命を賭けての務め。 -
時代小説は読み慣れているはずだけどこの本は飛び抜けて漢字が多い?なんだかやたらと目が疲れた。
内容はとても良いんだけど。
犬が語り手の話が好き。 -
面白いものもあれば、読まずに飛ばしたものも。
最後の草々不一が好きでした。 -
小編、肩が凝らない、カラフル感を感じる
なるほどねー、世間体は無力なようで、大きな力を持っているものですね。一滴一滴でも集まれば、ねぇ、この海の波になるんだもの
著者プロフィール
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