世にも奇妙な君物語 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 8553
感想 : 666
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065137222

作品紹介・あらすじ

絶対に結末を言わないでください。ドラマ「世にも奇妙な物語」を愛する著者が贈る、薄気味悪くて小気味いい、絶品エンタメ5編。

感想・レビュー・書評

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  • 5編からなる短編集。
    朝井リョウ版「世にも奇妙な物語」。
    どの作品も面白かったです!
    いい感じにゾワッとする感覚が味わえます。

  • 5篇の短編集
    『世にも奇妙な物語』が大好きなのがすごく伝わってきます。
    どの話も、オチのどんでん返しにウッッと唸りたくなります。さらに考えるほどゾワゾワしてきます。どれも面白かったですが、特に好きなのは

    『立て!金次郎』読みながら感じる先生達の違和感が、ラストで納得。あぁこのせいなのね、、、。なんか、現実にありそう、、、。

    『13.5文字しか集中して読めな』こんなにキレイなブーメランってあるかしら!しかも子どもに!恐ろしいタイミングで!

  • 会社の上司からお借りした一冊。
    読む本が無かったのでありがたい(^-^)


    第1話「シェアハウさない」
    居酒屋で1人泥酔したライターの浩子は、シェアハウスに住んでいた真須美に助けられる
    ちょうど次の特集で、シェアハウスについて書きたかった浩子は、このシェアハウスに住めることに。。。

    しかし、経済的にも、精神的にも自立している大人が何故シェアハウスに住んでいるのか??


    第2話「リア充裁判」
    コミュニケーション能力促進法が施行された世界。
    理想の姉はリア充裁判から人が変わってしまった。
    そして自分もその裁判の対象者となる。
    しかしその日の議長はいつもと違う???


    第3話「立て!金次郎」
    親のクレームにより、幼稚園内で、立っている金次郎像が座っているものに変えられた。
    親たちのクレームに怯える幼稚園の主任先生。
    しかし、自分はそんなことに屈しない!正しいやり方で子供たちを輝かす!
    その方法はうまく行ったと思ったが、、、


    第4話「13.5文字しか集中して読めな」
    webニュースを手掛けるママでもある香織。
    webニュースでは、見出しを曖昧にし、読者の興味をひかせる。
    最近夫の様子がおかしいと疑いを持つ香織。
    子供に参観日には絶対に来てと頼まれ、参観会に参加するのだが、、


    第5話「脇役バトルロワイアル」
    主演オーディション会場に集まった6人。
    彼らは最近、脇役に抜擢されることが多かった。
    オーディション開始の時間になっても誰も来ない。
    しかしカメラが回り始める。
    オーディションが始まった、、、



    苦手な短編集だったが、どれもなかなか面白い作品だった。
    朝井先生らしい視点というのか、なかなか面白いところにフォーカスしていて、一気読みしてしまった。

    ちょっとゾクっとくるようなオチは、世にも奇妙な物語そのもの。

  •  本書はホラー小説ではありませんが最後にはゾッとするオチがたくさん用意されています。私が特に好きなのは第3話です。
     第3話は男性保育士の物語です。情熱的に園児と関わるが、評価されない主人公。対して園児に対しドライに淡々の接するのに評価の高い先輩。主人公は先輩から情熱的な接し方を指摘されるが、それでも自分の考えを貫き、最後は努力が実り、モンスターぺアレントから感謝されるという、心温まる物語。
     だけで終わりません。最後の1ページでいい意味で全てが台無しになります。

     他の話についても同様にどんでん返しを楽しめます。どの話も最後はゾッとしますが、そのテイストが微妙に異なっており、
    ・1話は恐怖と「そういうことか」という驚き
    ・2話はじわじわ精神に攻撃してくる恐怖
    ・3話は台無しになるやるせなさ
    ・4話は天国から地獄へのギャップ
    ・5話は劇的な展開と全てが繋がる心地よさ

      私個人としては相当気に入ったジャンルでしたので、続編が出て欲しいと願っています。「事実は小説より奇なり」と言いますが、並大抵の事実ではこの奇妙な小説には呼ばないと思えるほどでした。

  • 朝井リョウ先生にハマってみようと思いまして、何冊か購入したうちの一冊。
    本家大好き感がとても良く伝わって来ました。最後の大どんでん返しがお好きなようで、作り込みと創造性は流石です。ショートストーリーでの構成なので、隙間時間に上手くはめ込みましたが面白かったので一撃でした笑

  • タイトルに惹かれて。
    朝井リョウさんは、『世にも奇妙な物語』が好きなそうで、本作の世にも奇妙な君物語は、サクッと楽しく書かれたみたい。

    5話の短編集です。
    個人的には4話の子供の無邪気さが、、まさかのまさかと恐ろしい笑

    個人的には、朝井リョウさんの他の作品の方が面白かったなあ、これで何冊目だろ、5かな?
    『正欲』が文庫本出たらすぐ買いたい。。

  • はああ面白い。。ため息がでる。
    本家の「世にも」はテレビで付いていたら見る程度の私でさえ、めちゃくちゃ楽しめた。
    一遍を読むのに30分とかからない。そんな短い物語の中にハラハラドキドキあり、伏線回収あり、ラストの驚くべき着地ありと、究極のエンターテインメントだと感じた。
    朝井リョウさんは元々「世にも」のファン。だとしてもここまで完成度の高いものが書けてしまうなんて…さすがとしか言いようがない。

    朝井さんも後書きで述べているが、「世にも」は始まった瞬間にもう奇妙な設定であることも多い。
    しかし、この「君物語」は設定は全く奇妙ではなく現実にありそうな感じでグイグイ引き込まれ(「リア充裁判」は除く、かな)むしろオチが奇妙。

    一番好きなのは「立て!金次郎」。
    何なら少し感動した。しかしいい話のときは必ずブラックな結末が待っている…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
    あと短編集だからといって、面白そうな話から読んではいけない。ちゃんと順番通り…最後の「脇役バトルロワイヤル」は3ページくらい読んで、まじで震えた。

  • 全ての作品、リアリティあり、ゾクゾク間あり、とにかくめちゃくちゃ面白い!これは読書苦手な人に一番最初にお勧めしたいと言っても過言ではない。
    【シェアハウさない】
    それぞれの住人がかかえた事情が最後明らかになる!
    【リア充裁判】
    自分の大学時代のFacebook、Twitterを思い出す…。今はインスタとTikTok の時代かな?もうアラサーわかりません(笑)
    【立て!金次郎】
    これもめちゃくちゃ面白かった!
    ママさんコミュニティ、経験はないけどきっとリアルでこんな感じなんだろうなぁ…。先生がんばれ!
    【13.5文字しか集中して読めな】
    タイトルが既にいい!
    【脇役バトルロワイヤル】
    実在の有名人の名前少し文字っていて、バトルロワイヤルという設定もストーリーとして面白い!

    引っ越し大変になるので普段専ら図書館派だけれど、お気に入りすぎて単行本で購入!

  • 本当に、世にも奇妙な物語みたい。

    1つ目の話で、ふんふん、と読んでたら、
    あ、なんか嫌な予感・・あーヤバイヤバイヤバイ!
    ・・うわぁぁ。。
    と心の中で思ったところとか、テレビで観てた感じとそっくり。すごい。

    ♪チャッ チャッ タララ、タララ、タララ
    ♪チャッ チャッ タララ、タララ、タララ
    ♪チャーン チャチャーン(ターン タターン)

    のBGM付きで完全にタモリ出てくる流れだった。(タモリは出てこない)

    どれも微妙に気持ちのいい話では無いけど、こんな感じだったなぁ、と懐かしかった。最後まで読むとまた一味違うように見えるカラクリが面白い。

    テレビの方の再放送を最近見たら、ストーリーとはあんまり関係ない道具や価値観に、ふっるぅ、といちいち思ってしまったのもあって期待したより楽しめなかった。なので、あの番組昔楽しみにしてたな、やたら怖かったな、というのは思い出の中だけに置いておくことしたけど、この本ではそれがなくて素直に、こわっ、キモっ、うっわサイアク!と楽しむことができてよかった。

  • 世にも奇妙な朝井さんの本。

    流行にただ流される人への批判や、社会問題への痛烈な指摘。脇役達へのオマージュ?…。
    どれも朝井さんらしさが炸裂しています。

    第二弾はどうなるのでしょうか?
    個人的には
    インスタ映えにとらわれすぎる社会を批判した物語とか?
    歩きスマホに警鐘を鳴らすため、歩きスマホで逆にどこまで行けるか選手権?とか…(危ない)
    そんな物語も読んでみたいものです。あと昨今のAIだらけになった社会を朝井さんがどう見ているのかも気になります。
    第二弾よろしくお願いいたします!

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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