盤上に散る (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065137581

作品紹介・あらすじ

消えた真剣師を捜し出せ

唯一の家族だった母を亡くした明日香は、遺品の中から一通の出されなかった手紙を見つける。宛名は「林鋭生様」。それが将棋の真剣師の名だと知り、明日香は林を捜すことに。ある対局の後、忽然と姿を消したという男と、母との関係は。昭和を生きた男女の切なさと強さを描いた傑作長編。

プレミアムドラマ『盤上のアルファ』で林鋭生を演じる石橋蓮司さん×塩田武士さん、巻末特別対談を収録!!

感想・レビュー・書評

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  • うん!相変わらずの関西のボケ、ツッコミの会話!
    ほぼ最後の真剣師 林鋭生を探して何千里っていう彼に会うまでの捜索がメイン。
    亡くなったお母さんの手紙あった名前から探す女性、怖いおっちゃんに脅され探す元ヤンキー。
    至る所で、2人のボケ、ツッコミ。その他も個性ある関西の人ら。
    一応、続編やけど、別にそれほど、気にせずに読める。私は前のも読んだけど。
    「夢果つる街」(夢枕獏作)の時代みたいに生々とはしてないな…
    もう昭和が終わると厳しそう…
    真剣師も博奕やから、今の世の中厳しそう…

    更に三段リーグ編入試験というのができて、奨励会以外のアマチュアがプロになる道もある。
    こんな時代の真剣師は、ツライな〜

    ザ昭和って感じ!
    生々としたテンポの良い会話がええ!
    こんな関西人ばかりではないので、何か面白い話出来るとかは思わないこと!
    そのテンポで、星一つアップ!

  • 塩田武士『盤上に散る』講談社文庫。

    主人公が訳あって忽然と姿を消した将棋の真剣師・林鋭生をひたすら捜すというストーリーの創作小説。

    前半は確かに面白いのだが、なかなか真相に近付かない平坦な展開にイライラする。『真剣師』が登場するというので期待したのだが、将棋の世界に於ける勝負の厳しさやスリルといったものは殆んど描かれていない。

    『真剣師』というと団鬼六の『真剣師 小池重明』というノンフィクションや夢枕獏の『風果つる街』といった創作小説の傑作を思い出すのだが……

  • 続き物なので読みました。前作ほど将棋色はなく、盛り上がりに欠けました。人探しなので。
    前作ともども、不幸な境遇の書き方がきっとりあるなんでしょうね、元記者だけに。なかなか自分の周りにはいない方々なので、読んでいるだけでも辛くなります。

  • 藤井棋聖(!)の活躍で将棋に関する記事も増えてきた昨今。
    勝負飯やら封じ手の作法やらそんなことが多くて肝心の勝負手についての記事が少ないのが玉に瑕だが、賑やかなのはまあいいか。

    さて、そんな将棋界とはあまり関係がない将棋指しの話。今回もけったいな話やなぁ…。
    それぞれの理由から、林鋭生を探すことになった明日香と達也。
    途中からは一緒に行動することになるが、手掛かりを辿って出会うのは、おかしな人ばかり。
    終章になるまで将棋の局面は出て来ず、今回も関西のノリを楽しめなければついて行くのが大変だ。
    人物探しに終始して一周回って元に戻るみたいな話はかなりまだるっこしく、人間関係も絡みすぎてて分かりにくい。残念ながらあまり楽しめず。。

  • これは盤上のアルファの続きと言ってよい、前作の登場人物ふんだんに出てくるし。主人公の女と、チンピラくずれコンビが真剣師を探す話。いろんなとこで登場人物がつながっていくところが面白い。この作者の文章は重厚さはないけどいい意味ですんなり読めるので、展開がはやくて時間がかからないのもいい。
    そして最後、25年前と同じ、駒をかけた大勝負、タイトルのとおり散るのかと思ったら散らない。謎も全て解けて読後感スッキリです。

  • 「盤上のアルファ」に登場した真剣師・林鋭生にスポットを当てた後日譚。前作が面白かっただけに期待値が高かったのですが……

    個人的に塩田作品の良さは、キャラ同士の軽妙なやり取りにあると思っています。しかし、本作にはそれが見られなかったため、とても残念。主人公・明日香が真面目なキャラのためか、リアクションやセリフの返しが普通過ぎる印象。

    ヤンキーあがりの達也は良い感じでいい加減・ヤンチャなキャラなので、そちらのふるまいに期待したのですが、前作の秋葉・真田に比べるとインパクトが弱く感じます。

    そして、肝心の林鋭生のお話にさほど引き込まれなかったことが、本作を前作ほど楽しめなかった大きな要因。彼が将棋に入れ込む行動原理にピンときませんでした。

    中盤に出てくる駒師の正体は少し意外でしたが、全体の評価を覆すほどではなく……

    著者としては新たなチャレンジをした作品だったのかもですが、私には響きませんでした。

  • 前作「盤上のアルファ」を期待して読むと肩透かしを食らう。
    本作はあくまでも亡くなった母親と交友があったとされるが、行方知れずの林鋭生を探し当てる内容である。
    なんかちょっと違うよなぁ…。

  • つまらん

  • 亡くなった母の遺品を整理していたら出されることのなかった手紙が発見された。相手は将棋の真剣師。母とのどんな関係があるのか?ツテをたどるうちに浮き彫りになる過去。人物描写とやりとりが面白かった。個性的で変な人ばっかり出てくるんだけど、「あ、こんな人いるいるー」と妙に共感できてしまうギリギリのラインでの描写笑。駒についての話もあり、高いものではン百万円もするものも...もはや芸術品ですね。一度そんな駒を拝んでみたいものです。

  • これまた行動力のある娘さんなのである。尋ね人の情報を得るために京阪神をあっちゃこっちゃするその原動力は何であるか。ご都合主義と言う勿かれ。運命に導かれていると読めば良い。『盤上のアルファ』とのリンクを楽しむ。

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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