線は、僕を描く

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 448
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065137598

作品紹介・あらすじ

小説の向こうに絵が見える! 美しさに涙あふれる読書体験

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。
水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。
描くのは「命」。
はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。

絶賛の声、続々!!!

自分の輪郭を掴む、というのは青春小説の王道たるテーマと言っていい。それを著者は、線が輪郭となり世界を構成する水墨画と見事に重ね合わせてみせた。こんな方法があったのか。
青春小説と芸術小説が最高の形で融合した一冊である。強く推す。
                               ――大矢博子(書評家)

水墨画という非言語の芸術分野を題材にした小説で、架空の登場人物が手にした人生とアートの関係性、時空をも越えたコミュニケーションにまつわる真理を、反発心や違和感など一ミリも感じることなく、深い納得を抱いて受け取ることができた。それって、当たり前のことじゃない。一流の作家だけが成し遂げることのできる、奇跡の感触がここにある。
                               ――吉田大助(ライター)

感想・レビュー・書評

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  • 今、注目度ナンバーワンの一冊!
    じゃないの?えっ?

    ランキングに上がってきたときに、『蜂蜜と遠雷』や『羊と鋼の森』に例えられる水墨画小説ってどんなのよ、と思い、読むしかないと決めました。

    読了。間違いない。←

    『蜂蜜と遠雷』読んだら、ピアノ弾きたくなるじゃないですか。
    本作を読むと、水墨画したくなる。いや、私にも、もしかしてすごい墨をすれるんじゃないかとか、思い込んでしまう(笑)

    悲しい境遇自慢みたいな展開は好きではないんだけど、主人公青山くんの自己否定が、上手いこと話のトーンと合っていて、私的にはしんどくなかった。
    はたまた、水墨画ビギナーの彼が、少年ジャンプみたいな、段階すっ飛ばして超人になっていくストーリーでもなくて、良かった。(チート感はありますけども)

    水墨画の表現も本当にすごくて、白と黒の世界なのに、息づいて見える。なぜだ。
    でも、もっと良かったのは、青山くんと彼を見出した湖山じーちゃんの掛け合いなんです。
    いや、湖山先生の生き方に惚れます。

    「花に教えを請い、そして、そこに美の祖型を見なさい」
    ……小林秀雄ですか?と思わせることを言いながら、でも優しく主人公を導く役柄で、一番お気に入りの文も、湖山先生の描写です。

    「湖山先生がもう一度、口角をほんの少しだけあげて微笑んだ。穏やかさではない。厳しさと知性が一人の人間を鍛え上げたのだと知らせる微笑みだった。」

    ここに「知性」が入ったことに、安心というか、納得したのでした。

  • 一人の青年が、偶然の出会いをキッカケに生きる意味を見つけ出すまでが静かに、美しく描き出されている。
    馴染みの薄い水墨画というテーマだが、その表現は目の前にまるで水墨画の世界が見えるように丁寧に綴られ、引き込まれていく、青春の、ほんの短い期間を描いた素晴らしい作品。

  • 週刊マガジンで漫画が連載されており、小説版も気になり読んでみた。水墨画という黒と白で表現するともすれば単純に思える世界に、登場人物の心を映し出す世界があったことが驚きだ。マンガの方も引き続き読んでいきたい。

  • 僕は線を描く、そして僕の描いた線が僕を形作る。
    何もないところに描かれる一本の線は、僕でありそして僕の世界そのものである。

    墨と紙で完成する、白と黒の世界。水墨画というあまりなじみのない世界が、こんなにも豊かで色鮮やかで躍動的であったなんて。
    『羊と鋼の森』や『蜜蜂と遠雷』を読んだとき、文字が、言葉が、音を奏でているのを感じたけれど、今回私は、この小説を読みながら、紙の手触り、墨をする音、筆の重さ、解き放たれるにおい、そしてそこにある色、の全てを感じた。
    絶望と孤独、17歳が経験するにはあまりにもおおきな悲しみ。生きていることを感じられない青山くんの再生の物語は、私に多くのことを教えてくれた。
    一枚の白い紙に描かれる一本の線。そこに映される自分の命。
    あぁなんて豊かな世界なんだ。白と黒が無限大の世界を見せてくれる。
    読み終わった後、いまここにいる自分の命を感じた。
    生きたい。強くそう思った。

  • 【図書カードプレゼント】講談社文芸、2019年の大本命『線は、僕を描く』発売|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
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    小説の向こうに絵が見える! 美しさに涙あふれる読書体験

    両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。
    水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。
    描くのは「命」。
    はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。

    絶賛の声、続々!!!
    自分の輪郭を掴む、というのは青春小説の王道たるテーマと言っていい。それを著者は、線が輪郭となり世界を構成する水墨画と見事に重ね合わせてみせた。こんな方法があったのか。
    青春小説と芸術小説が最高の形で融合した一冊である。強く推す。――大矢博子(書評家)

    水墨画という非言語の芸術分野を題材にした小説で、架空の登場人物が手にした人生とアートの関係性、時空をも越えたコミュニケーションにまつわる真理を、反発心や違和感など一ミリも感じることなく、深い納得を抱いて受け取ることができた。それって、当たり前のことじゃない。一流の作家だけが成し遂げることのできる、奇跡の感触がここにある。――吉田大助(ライター)

    漫画版も大反響! 週刊少年マガジンで絶賛連載中! 漫画は『この剣が月を斬る』の堀内厚徳さん。原作者の砥上裕將さんの水墨画を漫画内で見ることが出来ます!!
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000317710

  • メフィスト賞受賞作ということで興味を持った。心に傷をおった青年が水墨画の世界と出会うことで輝き出す物語。水墨画の世界がとても面白く前のめりになって読んでしまった。知らない世界なのに、まるで読み終わった瞬間に自分になじみのある世界だったような錯覚に陥った。これは物語のパワーなのだと思う。展開やラストに少し難点を感じたが、まさか新人作家がここまで・・・というlevelでした。

  • マガジンの連載がなかなか面白かったところに、原作があるとのことで早速買って読んでみた。主人公が水墨画や周りの人を通して、自分を取り戻していくというのでしょうか、爽やかな読了感も含めてそこそこ一気読みしてしまいました。

  • テレビで紹介されていたので購入。
    メフィスト賞は、読んで面白ければ良いというコンセプトということもあり、面白かったです。途中、マンガっぽい設定だなと思うところもありましたが、水墨画の奥深さ、主人公の心の動き、悩み・苦しみが伝わり、しっとりと面白いだけでなく、ホロリとさせてくれたりもしました。
    作者が水墨画家ということもあり、水墨画の描写は素晴らしいなと思いました。柔らかい表現だったり、しっかりとした表現があったりと説得力がありました。
    ただ、詳しく書かれている分、ちょっと間延びするのかなとも思ってしまいました。
    登場人物はみんな魅力的で、わかりやすく書かれていて、想像しやすかったです。そう考えると、水墨画家なのに文章が巧みだなという印象でした。次回作も楽しみな作家さんになりました。
    マンガ化されているということで、マンガの方はまだ読んでいないので、どんな作品になっているのか楽しみです。

    余談ですが、実写化しそうなストーリーで、勝手にキャストを決めて読んでいました。ちなみに実年齢を気にせずに決めると、
    青山霜介は山崎賢人さん、
    篠田湖山は小林薫さん、
    篠田千瑛は芦名星さん、
    西濱湖峰は小澤征悦さん、
    古前は太賀さん、
    かなと思いながら、読んでいました。

  • 馴染みのない水墨画の世界を描いた作品ということで興味を抱いて読み始めた。

    水墨画の魅力やその世界観、技法、描いてみたときの難しさとおもしろさがすごく説得力あると思ったら、作者は現役水墨画家さんだとのこと。
    納得。
    でもだからといって、すべての画家が同じように書けるわけではないだろう。

    言語化して徹底的に考えているのだろうということを窺わせる。

    また登場人物キャラクターも魅力的。
    特に普段飄々としていてお茶目でかわいいのに、言っていることが深い湖山先生がお気に入り。



  • めっちゃよかった。途中でやめられなくて一気読み。

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著者プロフィール

砥上裕將(とがみ ひろまさ)
1984年、福岡県生まれの水墨画家。大学時代に小説を書いていたが、水墨画を始めた後は画家として活躍を続けてきた。30歳を過ぎて再び小説を書き始める。メフィスト賞3度目の投稿となった水墨画を題材にした青春小説『線は、僕を描く』で、第59回メフィスト賞を受賞。2019年6月27日に『線は、僕を描く』をデビュー作として刊行、その作品力は広く評価され、『週刊少年マガジン』に漫画化も決まったことも話題となる。

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