虚構推理短編集 岩永琴子の出現 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 346
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065139288

作品紹介・あらすじ

本格ミステリ大賞受賞の「ミステリ×怪異譚」シリーズ累計200万部!!

私たちは概ね嘘で出来ているのですけれど、理(ことわり)だけは通しているのです。お読みになればお解になれます。
ーー京極夏彦、歓喜!

全てが嘘なのに面白い。怪異【不合理】を虚構【不真実】でねじ伏せる、定石破りの屁理屈推理バトル!
井上真偽、驚嘆――!

妖怪から相談を受ける『知恵の神』岩永琴子を呼び出したのは、何百年と生きた水神の大蛇。その悩みは、自身が棲まう沼に他殺
死体を捨てた犯人の動機だった。――「ヌシの大蛇は聞いていた」
山奥で化け狸が作るうどんを食したため、意図せずアリバイが成立してしまった殺人犯に、嘘の真実を創れ。――「幻の自販機」
真実よりも美しい、虚ろな推理を弄ぶ、虚構の推理ここに帰還!

感想・レビュー・書評

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  • 本書は『虚構推理』の続編というか、続編短編集。
    『虚構推理・岩永琴子の出現』という『虚構推理』の前日譚のようなタイトルですが、れっきとした続編です。

    『虚構推理』は普通のミステリーではなく、真実はどうあれ「『本当っぽい』と思わせた仮説を作った方が勝ち」みたいな言葉でのバトルを描いたトリッキーな推理小説です。

    主人公の岩永琴子は、外見は中学生にしか見えませんが実は19歳の大学生。幼少のころ、怪異に誘拐され、片眼と片足を奪われてしまったのだけど、その代わりに怪異たちの知恵を司る神となり、日々、妖怪などから困りごと相談などを請け負っている。そして、幼いころに人魚とくだん(「件」半人半牛の姿をした怪物)の肉を食べた影響で、不死身の身体と「未来を自分の望むものに決定できる能力」を有している琴子の5歳年上の彼氏、桜川九郎。この二人のコンビで数々の妖怪や怪異の絡んだ事件を解決していきます。

    僕はこの『虚構推理』、片瀬茶柴さんのコミックの方から入ったんだけど、あまりの字数の多さに4巻で挫折。
    なんかこのコミックって今はやりの「まんがでわかる〇〇〇〇」みたい感じで、漫画版ビジネス書を読まされているみたいなんですよ。だったら「本物のビジネス書の方を読むわ」って感じでした(笑)。片瀬茶柴さんの描く主人公・岩永琴子の清楚で可愛らしいながらもたまに毒舌や下ネタっぽい言動をするキャラクター(この性格は小説版も同じ)のデザインは大好きだったんだけどね~。
    やはり原書?の城平京氏の『虚構推理』を読んでみたら、これが正解!
    しかも、コミック版の琴子のイメージが上手い具合に脳内再生されて最高でした。

    さて、本書『虚構推理・岩永琴子の出現』は5編の物語を編纂した短編集ですが、それぞれ『虚構推理』の虚構の推理を重ねる形式をとっています。いずれの物語も良かったけど特に『電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを』が好きだな。人間の想いって重いんだな(←シャレです)と感じましたね。

    それから、この『虚構推理』は主人公の岩永琴子とその彼氏の桜川九郎の関係性が良いんですよね。
    一見、お姫様とそれに仕える腕利きの騎士みたいな関係なんですけど、ただそれだけじゃないんです。例えるなら世界一笑えるクラシック音楽漫画『のだめカンタービレ』ののだめと千秋先輩との関係に似てるといいますか、いずれにせよ、この琴子と九郎のやりとりが非常に楽しいのもこの『虚構推理』の魅力の一つです。

    この『虚構推理』2020年にアニメ化するのも決定しているようなのですが、僕がコミック版の時に感じたような会話とナレーションのシーンばっかりということにならなければいいなと危惧しているところではあります。
    僕は、今後も小説版で楽しみたいと思います。
    という訳で、次巻は『虚構推理 スリーピング・マーダー』だね☆

  • 虚構推理の短編集。書き下ろしの5話で、狸たちがうどん自販機でうどんを販売する様を想像して、シュールさに笑ってしまった。岩永が思うよりも九郎は岩永のことを大切に思っていて、それがあんまり岩永には伝わっていないのがわかった。傍から見るとけっこう愛されてますよ?

  • 前作を読まないで読んでしまった為読みにくいと感じたけど、読んでいくうちにストーリーがわかって面白かった

    特にギロチン三四郎や電撃ピノッキオの話がスムーズに読めた。岩永が久郎先輩に恋人らしく扱ってもらえないやりとりがずれていて面白い

  • 本格ミステリ大賞を受賞した長編『虚構推理』の第二弾で、今度は連作短編集。大賞受賞の後は、そのコンセプトに準じた作品を書くのが一般的な筈だけど、もう番外編になるとはね。まあ、漫画の原作やら何やら事情があるのだろう。
    それはともかく、推理が正しかろうが間違っていようが相手に納得させれば勝ち、という発想がいいよね。もののけや霊が出て来ても、どこかコミカルで重たくならないのも好感。全五話どれも面白かったけど、主人公の琴子が霊と意思疎通が出来るからといっても、被害者の霊から犯人名を聞く話だけは反則でしょう(笑)。

  • 第2話の「うなぎ屋の幸運日」で女の子が一人でうなぎ屋に入ってきただけで 神の化身だの探偵だの
    考えるほどそんなに不思議な話でもないだろうと
    思った
    それにしても うなぎで精がつくとかはあまり聞いたことがないけれど、九郎はすぐにそれに勘づくものなのか
    九郎って、琴子の妙な下ネタについていけてるということは実はむっつりだったりするんじゃないか

    第3話の「電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを」では
    九郎の数少ないデレシーンが!!
    「あんたもあのおひいさんには苦労してそうだね」という多恵に
    「どうでしょうね。彼女がいなければ今頃僕は どう暮らしたらいいか見失ってたかもしれません」という九郎
    でも やはり紗季さんの時もそうですが、 琴子の前では 言えないんですね・・・
    それと琴子が九郎に対して いつもとは違って
    しおらしく 九郎を心配していたのも可愛かったです
    死なないとはいえ、琴子も九郎を気遣ってないわけではないんですよね


    第4話の「ギロチン三四郎」では最初の方はいわば
    いつもの琴子の役を九郎がやっていた訳だけれど
    九郎は一見すると、普通に見えるだけに穏やかに自分の罪を暴かれる分、ある意味 相手からは琴子の時以上に不気味に映ると思う

    第5話の「幻の自販機」は漫画版には載っていませんが、とても面白かった
    今回、九郎はバイト先に呼び出されていて 出番は最後に少ししか出ていませんでしたが
    最後に琴子に対して、「お前が僕を捨てることがあっても、その逆はないから お前は今のままでいいぞ」と言っていましたが 考え方を変えると
    琴子が別れを告げない限り ずっとそばにいるつもりだと言うことですよね!!
    九郎ははっきりしないところもあるけど、こういうところがあるから琴子も嫌いになれないんだろうな


    今回の話もどれも面白かったけれど
    強いて言うなら 琴子と九郎が正式に付き合い始めた時の話が見てみたかった

  • 岩永琴子の短編集。
    電撃のピノキオとか読んでいると、怪異以上に人間の浅ましい心が一番不気味。

  • 結構面白く読めた。
    人が一番怖いっていうのはその通りだな。

  • 怪異が原因であることを、怪異を抜きにしてどう論理立てて説明をつけるかという着想は面白い。シリーズ中読むのは3冊目だけれど、やっぱり琴子の魅力はあまり感じられない。九郎との会話も、話の途中で中断する話しっぷりもどうにも作り物的な感じがしてしまってどうにも馴染めない。

  • 琴子ちゃんかわいいっ

  • 長編より面白かった。

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著者プロフィール

【城平京(しろだいら・きょう)】
奈良県出身。代表作に漫画原作『絶園のテンペスト』『スパイラル~推理の絆~』、小説『虚構推理 』『名探偵に薔薇を』『雨の日も神様と相撲を』など。

「2020年 『雨の日も神様と相撲を(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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