ガーディアン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 38
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065139608

作品紹介・あらすじ

ようこそ。これであなたはガーディアンの一員です。学校でのあなたの身の安全は保証されます――。

教師や親にはその存在を明かしてはならない、生徒による中学の「自警団」、ガーディアン。
問題のある生徒に制裁を加え、学校の平和を保つ――。
荒れた学校が一転、平穏になった陰には、しかし、不登校をしいられる生徒たちがいた。

新任教師、秋葉は不登校の生徒の謎を探るうち、ガーディアンの存在に気付くが……。

学校の平和を保つのは、教師には不可能なのか。
少年犯罪を見つめてきた人気作家が、教育現場に鋭く切り込む学校ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 薬丸岳『ガーディアン』講談社文庫。

    薬丸岳の作品としては、かなり珍しい学園ミステリー。恐る恐る読んでみれば……

    これまでの薬丸岳の作品の中では一番面白くなかった。

    教師や親には内緒の中学校の生徒による自警団『ガーディアン』を巡るストーリー。問題のある生徒に制裁を加える『ガーディアン』の是非は……

  • 「ガーディアン」
    薬丸岳の初の学校もの。


    少年犯罪をテーマにした作品が多い薬丸岳の初の学校小説。平和に見えた学校に起きた事件には、教師の在り方、生徒の生き方を問うメッセージが込められている。


    英語教師の秋葉が赴任する少し前、市原中学校は少し荒れていた。それがある時期からぱたりと収まり、平和が訪れた。在学生はいじめや恐喝に悩まされることもなくなり、教師も問題児が居なくなったことで楽になった。しかし、その平和には大きな秘密があった。それは、学校の在り方、教師がいる意味を揺るがすものだった。


    自衛団「ガーディアン」が存在する理由を聞けば、理解できる部分はある。肝心な時は教師や親は自分達を守ってくれない。そういうことは現実社会でも起きているし、大人が守ってくれるどころか襲ってくることだって珍しくなくなってきている。それを考えると「ガーディアン」は必要だ。フィクションの世界よりこちらの世界に必要性が高い。


    しかし、「ガーディアン」は私刑に近い権力の塊になってしまった。当初は友達を守りたい一心からだったが、「ガーディアン」の存在を確立する為に性急な行動を起こし過ぎた。いくらなんでもそれはNGで、「ガーディアン」設立の意味が無くなるんじないかと言う感じだった。どんなことをしても生徒を守るならば、もう少し時間をかけ、制裁の意味を熟考した上でやらないと、説得力が無い。


    もちろん、中学生が首謀者であり、必ずしも完璧にはいかない点を残すことで、「ガーディアン」の存在を揺らがせなければ、小説として終われないし、恐らく作者のメッセージも変わってくるかも知れないので、そこは了承ポイントかもと思う。と色々考えたものの、この点がもう少し練られたならば、もっと面白くなったのではないか。


    最後も綺麗に終わり過ぎた。暴走した上で、不問みたいなのは理解しかねる。教師達も、苦労したのは分かるが、屈してはならない理屈に屈したようにしか見えなかった。だからこそ秋葉がたくましく見えるのだけど。


    ちなみに、これは秋葉の教師としての再生でもある。昔見たく教師の仕事を楽しんでいないと感じ、旧友の誘いを受け転職しようとした秋葉。しかし、「ガーディアン」の事件に巻き込まれたことで、改めて教師としての生き様を考える。秋葉のような教師がひとりでもいて欲しいと切に願う。

  • 学園ものということで、薬丸岳の他の作品に比べると少し物足りなかったが、希望のある終わり方でよかった。夏目刑事の友情出演も。

  • ガーディアンと呼ばれる生徒による自警団があり、問題のある生徒を通学させないようにする。そのやり方に疑問を持った教師の秋葉は、彼らの謎に迫る。

    生徒と教師の関係。守るべき存在である生徒。いじめっ子にも、背景や理由がある。全てを丸く納めることって難しい。いじめっ子を排除して、無菌室のような学校を作るようなもの。
    生徒にとってできること。教師にとってできること。お互いを認めあうことが、理想なのかもしれないけど、現実って難しいなと思う。
    中学時代の交遊関係って、今更ながら貴重だなと思う。

  • SNSを使った生徒たちの自警団「ガーディアン」とは。少年犯罪を描いてきた著者の学校小説。

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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