友達未遂

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 120
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065139653

作品紹介・あらすじ

「これでみんな共犯者ね」。少女たちは傷つき、悩み、自分たちの道を選び取る。全寮制女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり、規律に厳しいことで有名だった。さらに同校には「マザー制度」というものがある。新入生を「チャイルド」、3年生を「マザー」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。伝統と格式のある学園の寮で、不審な事件が次々と起きルームメイト4人が巻き込まれていく。


創立130年の全寮制年女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり規律に厳しいことで地元では有名だった。さらに同校には特徴的な「マザー制度」というものがある。3年生を「マザー」、新入生を「チャイルド」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。入学式の3週間前早々に同校にやってきた一之瀬茜は、家庭に居場所がなかった。一人で生きていくことを誓っていた茜はしかし、マザーである緑川桜子にかわいがられ、とまどう。そんな茜の周りである日不審な事件が起きた。茜と桜子、ルームメイトの真琴と千尋の4人は事件をきっかけに自分たちの運命と向き合うことになって・・・・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 山の中にある寄宿舎で生活する4人の女子高生の物語。
    母親に見捨てられ、実の祖父母にも冷たくされ、結局、寄宿舎に入る事になった茜。
    その寄宿舎でマドンナ的な存在の桜子。
    男っぽい性格で美大を目指している千尋。
    天才的な美術の才能がある真琴。
    全寮制の女子高である、彼女たちのいる高校では歴代受け継がれている、ある制度がある。
    それは3年生が1年生とペアを組んで、指導するというもので、マザー制度と呼ばれる。
    茜と桜子、千尋と真琴はそれぞれペアを組み、一緒に生活していく中で彼女たち、それぞれの事情や思惑が見えてくる。

    彼女たち、それぞれの目線で描かれた話がパートごとに分かれて進む。
    そして、最初は分かり合えなかった彼女たちがお互いの事情が見えてくる事によって分かり合う関係になっていく。

    これを読んでいて、自分と彼女たちを置き換えて読んでいた。
    私が苦手だと思う人、嫌いな人。
    それらもこの物語のように、その人の事情が分かれば、「ああ、この人にもいろいろあるんだな・・・」と、多分、分かり合えるまでいかなくても今ほど嫌、苦手一辺倒じゃなくなるだろうな・・・と。
    だけど、そういう個人的事情というのは大人になればなるほど皆見えにくくなるし、だから分かり合いにくいという事になるんだろうな・・・と思う。
    大人になると親友ができにくい。
    と、昔から聞く言葉だけど、それはそうだろうな・・・と思う。

    女ばかりの世界の話で、ドロドロした所も描かれている話だけど、それはさほど過激なものじゃない。
    私とは全く年代の違う少女たちの物語なので、書き方によってはすごく退屈な本になっていたと思うけど、この本はそんな事はなかった。
    一気に読めたし、一気に読む方が面白い話だと思う。

  • あるあるな感じの訳あり女子4名それぞれの視点からの物語。
    こういうのは作者の筆力が大事。
    一気に読ませる展開に脱帽。予想以上に面白かった。
    それぞれ4人に幸あれ。

  • 4人の女子高生がそれぞれの悩みを抱えつつ、この全寮制の女子高に通っている。
    3年生がマザーとなり、チャイルドである1年生の面倒を見る、昔からの習わし。
    誰がいつ始めたのか?あるときから連続して起こる不可解な小さな事件……。
    それぞれが抱えていた悩みを乗り越え、成長していくさまは微笑ましくもあり、そこに登場する大人の卑しさや不器用さが悲しくもある。
    彼女たちの心は新雪のごとく、綺麗なものであってほしい。

  • 規律に厳しく伝統のある女子高、星華高等学校。その寄宿舎のルームメイト4人のそれぞれの視点からの物語。三年が一年を導くマザー制度とか憧れの先輩がマザーになって妬まれる展開とか悪意ある小さな事件とか特異な寄宿舎生活の話かと思っていたら4人はそれぞれ外面とは裏腹の重石を抱えて苦しんでいてどう折り合いをつけるのか?という話だった。高校生という小さな世界の中で4人が追い詰められていく過程は胸が苦しくなる。特に皆の憧れ桜子。なので広い未来に目を向け折り合いをつけていくラストはほっとした。茜の最後の「自分の幸せは、自分でで掴むものです。誰かがいないと、成り立たないものではないんです」が胸を掴まれるポイントだと思うけど個人的には嫌われ美術教師石橋が真琴に話す厳しい指導の意味の方が刺さった。

  • 令和元年7月発行のYAだよりで紹介された本です。

  • 感情のままに動いたり罪悪感を感じながらも悪いことをしてしまったり
    周りからの印象と自分の理想と本当の自分が違すぎてそれがとても嫌で嫌で嫌だけどどうにもできなくて
    なんとなくなんだか感じたことのある感情がたくさんあった

  • 途中の盛り上がりは良かった。でも桜子の母親を説得するのが一番の難関に思えるから、そこが描かれていなかったのは残念。そこまで行かないとちゃんとしたハッピーエンドにはならないと思う。
    もっと柚木麻子みたいなどぎつさが出るようになればこの作者は化けそうな予感がした。

  • 年齢的に?イマイチ面白く感じられなかった。
    興味があったのは、この高校の美術工芸コースの話。

  • 誰もがいろんな思いを抱えていて、すべてがまるく解決したわけじゃないけど、きっと上手くいく、幸せになれるって思えるお話だった。


    ***
    「これでみんな共犯者ね」。少女たちは傷つき、悩み、自分たちの道を選び取る。全寮制女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり、規律に厳しいことで有名だった。さらに同校には「マザー制度」というものがある。新入生を「チャイルド」、3年生を「マザー」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。伝統と格式のある学園の寮で、不審な事件が次々と起きルームメイト4人が巻き込まれていく。

  • 寄宿舎で過ごす女子高生たちの危うい友達関係を描いたサスペンス。一見瑕疵のない優等生に見えても家庭に大変な問題を抱えていたり。迷いなく道を進んでいるように見えてもそうでなかったり。ひどくゆがんだ思いを抱えたままだったり。どうしようもなく痛々しい事情をそれぞれに抱え、しかしそれを誰にも明かせない彼女たち。しかしお互いが各々の事情を知って手を結び始めた時に、いったい何が起こるのか。まったく目の離せない展開でした。
    何一つ問題を抱えていない人なんて、決していないはずなのに。自分が問題を抱えているときは、世の中で自分だけが不幸な気持ちになってしまったりするのもよくあることなんでしょうね。でも一人だとそれに気づけない。どんどん深みにはまってしまう。そのつらさがぐいぐいと迫ってきて、どのパートもそれぞれの悲哀で溢れていましたが。終盤の展開では一気にほっとさせられました。この「共犯」はちょっと素敵だな。

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著者プロフィール

1984年山口県生まれ。2017年に第52回メフィスト賞受賞作『誰かが見ている』でデビュー。趣味は読書と映画鑑賞。

「2019年 『友達未遂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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