うつくしい繭

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 179
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065139660

作品紹介・あらすじ

空港も鉄道もない、ラオスの奥地の辺鄙な村。そこに佇む瀟洒なホテルのような施設に、世界中から選ばれた者たちが訪れる。コクーン・ルームで記憶の奥深くにアクセスし、その人に最も必要なものを見せてくれる<トリートメント>という施術を受けるために。心に深く傷を負った私は、レモネードという名前を与えられ、客室係の仕事をはじめるが……。表題作「うつくしい繭」をはじめ、愉悦に満ちた文章が、あなたを魂の旅に誘う。

感想・レビュー・書評

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  • 推薦書籍『うつくしい繭』 | 私のBunkamuraドゥマゴ文学賞 | Bunkamura
    https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/mybungakusho/article3.html

    『うつくしい繭』櫻木みわ|講談社文芸第三出版部|講談社BOOK倶楽部
    http://kodansha-novels.jp/1812/sakurakimiwa/

    『うつくしい繭』(櫻木 みわ)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000318321

  • やわらかな光のように再生する、物語たちだった。この櫻木さんの作品はこれから多くの人たちに読まれていくようになると思う、「珠」のように多層な現実、過去、未来、幻惑、自然、時間、空間のイメージを読者に喚起させ想像させる。そしてひとりの人間の個にある心情風景たちがさざめき、彩りを強くしながら過去から現在にいる自分につながり、未来へ。

  • 『ゲンロン』SF創作講座出身の著者によるデビュー作。
    正直、『ゲンロン』方面はあまり熱心にチェックしていなかったのだが、創元ともハヤカワとも雰囲気が違うタイプで、割と叙情性というか、センチメンタル系の作風だと思う。
    今回は短編集だったので、次は長いものを読んでみたい。

  • 短編小説集
    巡りものを読むのがおおい。

    関係の進展。
    悩み、こじらせていることを終わらせたい。

    ちゃんと、新しい巡り合わせはくるのか。

    モヤモヤ。

  • 短編。

    復興途中の東ティモールで死者の声が聞こえる少女が止める声を振り切って選んだ決断。

    恋人と親友に裏ぎられ、ラオスの山奥で非日常な体験をして
    親友との幼い頃からのつながりを知ったレモネード。

    病気の兄のための新薬を探すために南インドに来た中瀬と再会した友人。

    不思議な貝を食べたことによって自分の魂のこもった石を手に入れた南西諸島での出来事。

    最後の話が特に面白かったなあ。
    天真爛漫な友達と、孤独な私。

    「君は、わりと孤独なんだな?」

    そりゃあ自由奔放な女の子のほうが惹かれるに決まってるけれど、
    はっきりと孤独なんだなと言われると傷つくなあ。笑。
    これは書かれてないけど、それすらも笑い飛ばせるようになれるくらいの未来の時間の経過と主人公の成長もなぜか感じた。

  • 〈声〉とか〈魂〉とかと言っても、スピリチュアル系とは違う、あえて言うならやはりSFということになるのだろうか。不思議な物語だった。

    全ての物語が緩く繋がっているのだけれど、前半の『苦い花と甘い花』『うつくしい繭』が私はよかったな。

  • 面白かった
    なんだかんだ表題作のうつくしい繭がいちばん好き。断片的で、あえて削がれた情報による空白が抒情的だった。

  • 上質な文章に魅了されました。

  • 【静かに深く,人生を潜る】
    短編ごとがつながっているようで,敢えてつながりは放棄しているような?
    自分が読み解けてないだけなのか.
    ただ,今思い返してみると,どの一遍も,「好きかもしれない」と思わせてしまう短編集.

  • コークスが燃えているが良かったのでデビュー作を読んでみた。
    4話あってどの話も風景や情景が美しく描かれていたのが印象的。ストーリーはSFみがあって好みが分かれそうだなー。現実か非現実か曖昧なふわふわした感じがよかった。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。大学卒業後、タイの現地出版社に勤務。日本人向けフリーペーパーの編集長を務める。その後、東ティモール、フランス、インドネシアなどに滞在し、帰国。2016年、「ゲンロン 大森望 SF創作講座」を受講。第1回ゲンロンSF新人賞の最終候補に選出された。瑞々しい文章と透徹した想像力で高い評価を得た著者によるデビュー短篇集。

「2018年 『うつくしい繭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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