恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫)

  • 講談社 (2018年12月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784065139950

作品紹介・あらすじ

雪山の洋館での殺人。犯人は双子のどちらか。なのにいずれが犯人でも矛盾。この不可解な事件を奇蹟の実在を信じる探偵・上苙丞(うえおろじょう)が見事解決ーーと思いきや、癒やし系天才美人学者の硯(すずり)さんは、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!! 他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。名探偵を脅かす推理の検証者、誕生! 大ヒットミステリー『その可能性はすでに考えた』はここから始まった!?


それは、「推理」でなく「検証」。
探偵を補完するもう一つの存在・推理の「検証者(ベリファイア)」、見参!
大ヒット『その可能性はすでに考えた』はここから始まった!?

雪山の洋館での殺人。犯人は双子のどちらか。なのにいずれが犯人でも矛盾。
この不可解な事件を奇蹟の実在を信じる探偵・上苙丞(うえおろじょう)が見事解決
ーーと思いきや、癒やし系天才美人学者の硯(すずり)さんは、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!!
他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。名探偵を脅かす推理の検証者、誕生!

『その可能性はすでに考えた』『探偵が早すぎる』の
大人気作家・井上真偽のメフィスト賞受賞作、ついに文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 井上真偽さんのデビュー作。
    数理論理学という聞き慣れない学問を使って、事件の推理が正しかったのかを検証する、という話。

    難解な数式というよりは、命題や論理の記号を駆使して、推理を数式化しており、恐らく多くの読者には理解できない部分が多かったと思う。
    (私も含めて)

    しかし、敢えて井上先生はそれを分かって本作を書いており、主人公の大学生も高度な説明に全くついていけていない、という形で読者の理解のハードルを同じレベルにしてくれている。

    また、各章の話が最後に繋がりを見せる部分は、私の大好きなどんでん返しの要素もあり、とても良い気分でひっくり返されてしまった。

  • 探偵が既に推理したトリックが実現可能かどうか、数理論理学を以て検証するという珍しい小説だった。
    テーマが難しいので、もっと読むのに時間がかかるかと思っていたけれど、地の文の軽さや、キャラクターのコメディ感でバランスが取れているのかテンポよく読めた。
    有識者が読んだらどうコメントするのかわからないが、数理論理学に興味を持つきっかけになる一冊だと思う。

  • 著者のデビュー作であり、第51回メフィスト賞受賞作。
    自分は文系の人間なので、作中に登場する大量の数式には眩暈を感じたが、しっかりと説明がなされるので、特に困らなかった(理解したとは言ってない)
    理系ミステリは多数あるけど、理系っぽさの演出を、蘊蓄などで表現するのでは無く、謎を論理学の公式に当てはめて解いていくというのは、斬新だった。
    最初2つの話は正直なところ、ビミョーな感じだったが、3話目は雪の山荘の足跡の謎という、クラシカルスタイルで、トリックも面白かった。

    そして3つの話が終わった後に判明するとある真相は驚かされました...!
    読み返すと、しっかりフェアに書かれてるんですよね〜、しっかり騙されました。

    次作の「その可能性はすでに考えた」は本作に登場したウエオロ探偵がメインとなるみたいですね〜ウエオロ探偵のキャラも好きですが、硯さんもいつか出てきて欲しいなぁ〜

  • メフィスト賞受賞作の論理学を駆使した推理小説。
    探偵の推理が本当に正しいかを数式に当てはめて“検証”していく。
    一章目から数式がでてくるので、うへえと思いながらも、とりあえずの斜め読みでも楽しめた!
    各章で感じた違和感も最終章できっちり解決。
    楽しめたが外連味溢れる上苙シリーズの方が個人的には好きかなと思いました。

  • 名探偵が披露する名推理に潜むバグを瞬時に見抜く天才学者
    4つの事件とエピローグで明かされる本当の目的で二重構造のミステリー
    がっつり「数理論理学」の難解な講義を読む…ことをクリアできるかできないか…それが問題だ
    □P:この本を最後まで読めたらクリアできた
    True or False

  • とてもむずかしい内容だったけど、斬新なアイデアがとても面白かったです。ラストが最高でした!

  • 動機フル無視の検証がとても面白くて、かっこいい。
    数学の専門用語がたっっくさん!理系にはたまらん!
    難しいからそこは理解できないけど、最後まで面白かった。
    キャラクターも良かった。

    まさかの結末に驚き

  • 理系の教科書のような小説。
    文系の私には難しかったですが、だんだん説明も理解できるようになり、理系のおもしろさを少し知る事ができました。
    推理で止まらず、それが真相かを数理論理学で検証する。
    今までにない新感覚でおもしろい発想のミステリーです。

  • 美しい叔母に恋にも似た思いを抱いている大学生、詠彦。
    彼は叔母に相談に来た。殺人事件の解決に関する検証について。
    若くして数理論理学の天才として大成した叔母、硯。
    彼女は検証し、真実を導く。

    なるほどこの手があったかーってカンジですね。
    ただしこの検証が成り立つのは、「正解に見える推理が存在していること」。
    つまり、このお話には最終的に真実を断ずる硯サンの他に有能な探偵が必要。
    ということで、なかなかヒネった推理をさらに検証するという二重構造。贅沢。

    難関は「数理論理学」の講義少々。
    ま、多少なりともこの講義をかじってルールを把握しておかないと楽しめないですから、仕方ないですが、なかなかハードゥ・・・・。
    んで、このルールに慣れたころ(=ラスト)にやってくる〇〇〇〇〇〇。
    お楽しみのために伏せておきます。
    ふぉーっと感心して読み終えました。
    頭が冴えているときにオススメ。

  • 探偵が解決した事件を、数理論理学で検証する、というのは新しく面白かったです。
    ゲーデルの不完全性定理、ウカシェヴィチの公理、バナッハ=タルスキの定理など…ちんぷんかんぷんでもさすが東大、わからなくても十分楽しめました。
    日常に数学を、こんなに生かせるとわかれば高校時代にもう少し勉強してたのになあ…

  • 探偵の推理を検証するメタ探偵・数理論理学者の硯と、甥の森帖詠彦コンビが活躍する連作短編集。
    それぞれの短編に登場する探偵たちも超個性的な曲者ばかり。
    連作短編ならではの全体におよぶ最後のもうひとひねりもお見事(ひっかかりも雲散霧消)。
    解説にも書かれていたが本書の目玉である「数理論理学」による検証が難解で、その過程にカタルシスがないのが玉に瑕か。
    著者の作品は本書以外にも読んでいるが、ラノベ的会話のやりとりにおけるユーモアセンスがずば抜けていると思う。一度たりとも浮いてしまったり、すべってしまった場面に遭遇した記憶がない。

  • その可能性は既に考えたの始まりの物語!

    とは言うもののオッドアイで頭脳明晰!そして借金まみれの探偵 上苙丞!
    今回も理路整然と全てを否定し一番正しい答えを導き出したかと思いきや・・・


    本作の主人公は森帖詠彦、殺人事件に巻き込まれやすい大学生!
    彼は個性的な探偵達が解き明かした事件を叔母の硯さんに相談に行く!?
    硯さんはかなりの資産家で童顔の美女で論理学の申し子!少ないヒントで最適解にたどり着く安楽椅子探偵!!?

    詠彦君が持って来る解決済みの事件を硯さんが検証すると言う新しい構図のミステリー!

    本シリーズはギャグ漫画のようなコミカルさが有りテンポが良い、しかし論理の問題は・・・

  • 2025.11.28 読了 #27

    この作品は、ミステリーとしても、ラブコメ?としても面白かった。

    ミステリーとしては、推理ではなく「検証」と言う形で、既に解決済みの事件が、本当に正しかったのかを数理論理学を用いて数学的に検証していくという点が新しく、読んでいて非常にワクワクできた。

    作品に出てくる法則などは巻末などに補足として図示されているが10%程度しか理解できていない。本気で理解しようと試みれば、多大なる時間を犠牲に、この作品の更なる面白さや奥深さに気付けただろう。
    ただそんなことしなくても充分楽しめるし、森帖が硯さんに補足させるのである程度は理解できる。

    そして、ラブコメ?的な視点では森帖と硯さんのかけ合いが面白かった。硯さんの発言や仕草は、アニメをよく見ている人間であればイメージできる「高嶺の花的なお姉さんキャラ」であると感じた。最後の最後では、想像を膨らませられるような展開となっていて、これまた面白かった。森帖頑張れ。

  • 気にはなっていたから意を決して読んでみたらやっぱり難しかった。
    斜め読みした箇所もしばしば。。。もちろん頑張ってついていったけども完全に理解したとは言えない。1〜100まで楽しめたとは言えない。無念。

    とはいえこういう、動機度外視の「探偵の推理の検証による真相解明」を可能とする数理論理学ミステリーは新鮮だった。

    また、物語が「レッスンⅢ」までで終わっていたら星2だったけど、最後のエピローグのおかげで+星1。「なるほど。そういうことだったのか」と、ミステリっぽく終わってくれたのが良かった。
    「トリプレッツ」の使い方もオシャレかつ伏線だったとはね。
    3番目に登場した探偵一派のキャラが濃ゆくて浮いていて、そんなキャラ立ちし過ぎている探偵の推理に間違いがあるのかと読みながら漠然と思っていたところにラストのタネ明かし。まんまとやられました。

    恋の顛末は気になるようで、もう答えはでているような気もしていて、もし仮に今後硯さんが再登場することになっても手に取るのは躊躇ってしまいそう。

  • p.161
    謎中毒者 (addicted to riddle)

    面白かった!のめり込んだ!
    けど最後に実は親戚では無かったオチはいただけない…
    そこはもう本当の甥と叔母でいいよ
    タイトルに禁忌のって書いてあるし

  • K図書館 2015年
    第51回メフィスト賞
    理系大学生の詠彦(えいひこ)は、殺人事件の真相の検証のために、叔母でオタク気質の天才数理論理学者の硯(すずり)を訪ねる
    4つの短編

    《感想》
    数理論理学は別名、記号論理学、形式論理学 とも呼ばれていて、数学をする人なら必須だそうだ

    詠彦は、推理が得意な人が出した結論の事件を硯に聞かせ、数理を駆使して検証してもらう形だ

    1つの話に2つの違った道筋と結論が聞けることになる
    2度味わえることで楽しさも2倍になり、ギャグも交えてとても面白かった

    しかし1話は証言が矛盾していた人がいたり、2話は被害者の違和感、3話は状況証拠もあったことから事件を解いていた節があるので、数理論理学を用いなくても解けるのではないか(実際はわからないが)
    数理を要とすることで理路整然として、解説に深みが増すと言いたいのかもしれない

    最後の章は、なぜ検証する必要があったのかという推理小説らしい締め方で満足だった
    ミュシャの記述もあった

    他の方の感想もあるように、美人や美男子等、男性目線の記述が多く、男性向けに書かれている感じがあった

    「その可能性はすでに考えた」は、本書3章で登場する探偵の上苙(かみおろ)と金貸しのフーリンが中心人物として出てくる続編だ

  • 数理論理学という聞きなれない分野も、文中の掛け合いや噛み砕いた説明である程度は理解できました。(巻末資料の詳細部分は諦めました・・・)

    推理を検証するという形式も面白かったです。

  •  衝動買いしてすぐに読了した。
     巻末の解説にもある通り、本書のかなり独特な点は、数理論理学を盛り込んでいることにある。理解が間違っているかもしれないが、公理(前提)と推論規則(考え方のルール)が与えられれば、おのずと結論が導き出される。ここで「公理」とは、個々の状況や事情などを捨象して、記号化していても成立するというものである(と思う)。
     最初想像していたのは、数理論理学を援用すれば、現実の事件においても、事実に数学の公式のようなものを当てはめるだけで答えが導出できてしまうのだろうか、だとしたらすごい!と思っていた。ただ、実際には、「公理=前提となる事実」にそれぞれ推論規則を当てはめていっても、予想外の結論に達するということではなく、むしろ、前提から導き出せたことを数式により追認するといったような手法で用いられていた印象だった。
     というのも、「公理=前提となる事実とは一体何か」を確認することこそが、推理小説の面白さなのであって、読者にとっての推理の意外性とは、「一見前提のように思われても、実はそうではないのではないか」が明らかにされる時に感じられるものなのではないだろうか。
     前提が正しければ、論理的に結論を出せるのは自明だが、「前提」が何かを確定させるのは、やはり個々の事例によるのではないだろうか。トリックはこの段階にこそ有用なのであって、硯さんの反証も、結局のところ、従来の推理小説のように、具体的な状況から推測した「前提となっていること」の誤りを指摘しているということになると思われた。
     以上は、自分の理解が誤っていれば全くの見当はずれかもしれないが。。
     だが一方で、やはり巻末の解説にもあるように、だからといって本書のユニークさは損なわれない。各章は「レッスン」の文字通り、数理論理学の入門の入門のような知識も得られる。それこそ、具体の事件の内容に即した形で、数理論理学の概念(対偶、排中律、様相論理 等)をうまく関連づけて紹介している本書は、著者の独特かつ優れた知性のなせるものと思う。
     要するに、面白かった。続編が読みたい。。しかし論理学の面の下準備も必要だろうから、すぐには続刊は出せないのかもしれない。数理論理学にこだわらなくてもいいので、このシリーズの続刊を出してほしいなと思った。
     正直なところ、同じ著者の「その可能性はすでに考えた」は、かなり以前に購入したものの、冒頭で、本書第3章にも登場する探偵たちのキャラクターにやや構えてしまい、そのまま積ん読になってしまっていた。
     その点、本書の探偵役の硯さんは、私にとっては、容姿端麗、隔絶した知性、不遜でありながらどこか世間ずれしたところなど、テンプレートと言えばそうなのかもしれないが、探偵役としては満点に近かった。
     そもそも、探偵の人物造形は、そのミステリの評価に決定的な影響を与えるものではないのかもしれない。やはりミステリは、謎解きの発想の大胆さとか、緻密な伏線とその劇的な回収とか、波乱に満ちたプロットなどが評価の決め手になることが多いと思う(もし、そうではなく、探偵のキャラクターだけがミステリの評価に直結しているようなら、それはミステリとしての評価なのかどうか)。
     ただ、あくまで個人の感想だが、探偵の存在は、そのミステリに安定感をもたらすように思う。探偵が登場することで、推理小説の伝統的枠組みを遵守していること(?)もわかるし、もし探偵の人物像が気に入らないと、そこに関心がいってしまって楽しめなくなる。

  • 記号論理学で殺人事件を推理するというかなり実験的な小説
    ただラノベ的なキャラクターのおかげでかなり読みやすくなっていてよい

  • 少年誌のラブコメ感のあるキャラクター達と読みやすさは面白いけど、数理倫理学ががっつり出てくるので理数系とか数式とか得意の人じゃないと良さが分からない。
    私はさっっっっぱり分からなかったので倫理解説はめっちゃ飛ばしましたww

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著者プロフィール

神奈川県出身。東京大学卒業。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞。
第2作『その可能性はすでに考えた』は、恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏などから大絶賛を受ける。同作は、2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれた他、各ミステリ・ランキングを席捲。
続編『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』でも「2017本格ミステリ・ベスト10」第1位を獲得した他、「ミステリが読みたい!2017年版」『このミステリーがすごい!  2017年版』「週刊文春ミステリーベスト10 2016年」にランクイン。さらに2017年度第17回本格ミステリ大賞候補と「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選ばれる。
また同年「言の葉の子ら」が第70回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に。
他の著書に『探偵が早すぎる』(講談社タイガ)がある。

「2018年 『恋と禁忌の述語論理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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