病むからこそ、死があるからこそ、分かること、人と分かちあうことがある。 いのちの値段 医療と費用を巡る50の物語

  • 講談社
3.67
  • (2)
  • (3)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065140376

作品紹介・あらすじ

読売新聞朝刊看板連載医療ルネサンスにおいて、読者からの大反響によって一年半にわたる長期特集となったシリーズ「いのちの値段」を書籍化。命に値段はつけられないが、患者が生きるための費用と受けられる医療には格差や社会の歪みが現れる。なかにし礼さんのがんとの闘い、陽子線治療から浮かびあがる先進医療と標準治療の問題。ノーベル賞受賞で話題の新薬オプジーボの高額医療費のジレンマ…。市井の患者たちの物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読売新聞で2017年1月から一年半ほど連載された企画。タイトルが象徴するように医療と費用を巡る50の事例を取材し、その課題を浮き彫りにする。

    現時点では自分のことよりも自分の親のことを念頭に読んでみたいと思い手に取った。あまり考えたくない話題でありながら、いずれ避けては通れないことであり、その時に慌てないように今から考えておきたいとも思った。

    家族はもちろん、病気の当事者達にとっても「補助が出るのはありがたいが、自分のために子や孫の世代にツケを回すのは申し訳ない」と思わせてしまったり、補助があっても重くのしかかる負担に耐えられなかったり、そもそも医療機関にかかる情報を持たない人など様々な困難がある。

    それぞれの話がほんの数ページの取材のため致し方ない面もあるが、医療機関や制度への不満や不信が先行しているエピソードが多く、やや偏った印象を受けてしまうのが残念な編集方針だ。

    しかしいつ自分や家族に襲いかかるとも知れない話であり、また助けを求められる制度があることすら知らないまま「その時」を迎えてしまうことのないよう、非常に参考にはなった。

  • 医学部分館2階書架 : W 074/YOM : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410169677

  • 医療従事者として考えさせられました。
    リアルな内容で良かった。

  • 読売新聞医療部「いのちの値段」、2018.12発行。読売に掲載された「医療ルネサンス」をまとめたもので、医療と費用を巡る50の物語が収録されています。高額ながん治療薬オプジーボ、大病院か地元の病院か、後ろめたさを背負って生きる透析者(身体障害者:全額助成)(年間500万、40年、2億円の医療費)の思い、延命と尊厳、精神疾患・・・、さまざまな病気に対しての頑張り、悩み、関係者の支え、費用など深く考えさせられました。

  • 498

  • 個別の患者の状況が分かって良かった。統計などに基づいた全般的な話も重要だが、個人のエピソードも大事だと思う。

    がん患者が「趣味も仕事も捨てて治療に全力を尽くす」「もうどうでもいい死ぬ」のどちらか両極端に行きがち。

    透析患者が「社会に生かされてる」という感情を持ちすぎている一方、「権利だからバンバン使う、例えばタクシーも他の病気の治療費も」。これまた両極端。

    これからの医療は科学よりも

    相手の話をよく聞く
    地域の関係者が顔を会わせる
    上手に頼って頼られる

    が大事なのか。

  • 2019.01.21 朝活読書サロンで紹介を受ける。
    http://naokis.doorblog.jp/archives/reading_salon_125.html

全9件中 1 - 9件を表示

読売新聞医療部の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×