ブロックチェーン 相互不信が実現する新しいセキュリティ (ブルーバックス)
- 講談社 (2019年1月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784065144350
作品紹介・あらすじ
参加者が誰もお互いを信用し合っていないからこそ、正確な計算結果が未来永劫保存される──。暗号通貨(仮想通貨)ビットコインを支える仕組みとして登場したブロックチェーンは、かつてのインターネットのように新たなインフラへと育ちつつある。本書はその本質と構造をわかりやすく解説し、新たな応用先まで展望。技術解説書のトップ著者が挑んだ、「これ1冊で網羅できる」ブロックチェーンの決定版入門書!
なぜ不正できないのか?
暗号資産(仮想通貨)との関係は?
どこまで応用できるのか?
参加者が誰もお互いを信用し合っていないからこそ、正確な計算結果が世界中で未来永劫保存される──。
暗号通貨(仮想通貨)ビットコインを支える仕組みとして登場したブロックチェーンは、かつてのインターネットのように新たなインフラへと育ちつつある。その本質は、構造はどうなっているのか?
社会を一変させる可能性を秘めた新技術の根幹と限界を見きわめるべく技術解説書のトップ著者が挑んだ、「これ1冊で網羅できる」ブロックチェーンの決定版入門書!
【目次】
第1章 なぜ社会現象になったのか
第2章 特定の値を導く「ハッシュ」
第3章 さまざまな事象への「ハッシュ」の応用
第4章 不正できない構造が連鎖していくしくみ
第5章 ブロックチェーンが抱える課題と他分野への転用
終章 最初の理念が骨抜きにされると、普及が始まる
〈「あとがき」より抜粋〉
ブロックチェーンが社会に浸透するにつれて、「初期の理想」とは違う方向へ技術が書き換えられ、運用の方法に変更が加えられていくだろう。
技術を理解し、使いこなそうとするとき、最初の印象を引きずり続けないこと、変化に柔軟に対応していくことはとても重要である。
本書は、思想に左右されない技術の核心部分を捉えられるように構成した。読者の学びの一助になれば幸いである。
感想・レビュー・書評
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これは良書である。
ブロックチェーンについて世間一般よりは理解しており、実務や趣味で扱ったこともあるが実は本質的にはよくわかってないんだよね、、、という(私のような)非専門家にとって得難い入門書と言える。
「特定の管理者がいない状況、もっと言えば参加者すべて敵同士であるような油断のならない状況で、事前の取り決めに抵触するようなデータ処理を認めず、処理の透明性を確保し、かつデータの変更や改ざんが不可能であるようなデータ蓄積システム」(本文より)について、まず前半は主に既存の暗号システムと対比しながら、かつ「ハッシュ関数」というキーワードに着眼しながら純粋に技術的に解説してくれる。ここがすでに類書の「礼賛的な」解説書より読みやすい。
その上で、後半では「確かに素晴らしいアイデアと技術だけど相当ムダが多いし、そもそもどうしてもこれじゃないとダメ、っていう使い道ってそんなにたくさんあったっけ」という、ウェブ3.0についていけてないナウくないやつのレッテルを貼られることが心配で分かったふりをしていた素朴な疑問について、(しつこいが私のような)非専門家にとって非常にわかりやすい解説がなされる。
納得感があったのは、「『技術』には、おおむね『思想』がセットでついてくる」(p242)というあとがき部分。
ブロックチェーンは、それ自体は無色透明な技術のまとまりに過ぎないのだが、自立分散というワーディングともあいまって、新しい働き方、オープンで平等な枠組み、ひいては資本主義のオルタナティブみたいなほとんどイデオロギーにちかいような文脈で語られることには私も不思議さは感じていた。
取引相手が善意かどうかは保証しない、危険な相手とかかわっても取り消せない(いずれも本文より)、といった点を解消しようとすればおのずと公的認証を求めるようになる。
「、、、非中央集権の旗印であったはずの技術が、その発展の中でむしろ既存の権力者を強化する方向に働く可能性すらあるのだ。
我々は、インターネットで一度それを目にしたばかりである」(p240)。
どんな技術も使い方次第、当たり前のことを再認識できる本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
入門者向けにとても分かりやすく説明されていると感じました。
ブロックチェーンの仕組み自体は素晴らしいものだということが良く分かります。
しかし、この仕組みを何かに実装し運用を続けていくための維持コストは膨大です。
続けるためのモチベーションも保つのが大変そうに思えます。
現在実運用中の仮想通貨のシステムが今後どのような方向に行くのか?
ブロックチェーンを利用した新しいビジネスが生まれるのかを注意して見ていくことにしよう。 -
★ブロックチェーンの仕組みがわかる。特にハッシュ計算の説明が丁寧。ブロックチェーンが万能の技術ではないこと、長所の裏返しで適さない業務があることが強調されている。
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ブロックチェーン技術の解説書。ブロックチェーンやビットコインのことが、何となく分かりかけたのだが、まだ今一つイメージが掴みきれていない。ちょっと消化不良だ。とはいえ、とりあえず理解できたことを列記してみる。
・ブロックチェーンは「参加者が誰も信用できなくても、計算結果が信頼できる」仕組みであり、「ブロックチェーンが証明するのはトランザクションの正当性」である。一度書き込まれた取引データは改竄することができず、不正な取引データであっても消すことがは出来ない。
・ブロックチェーンの実態は、「ブロック状にまとめられたデータが、数珠つなぎに接続されてチェーンを形成しているもの」であり、このブロック状のデータ(ブロック)は、取引データの塊にハッシュ値の生成などの一定の処理が施されたものであり、各サーバーに共有されてチェツクを受けることによって、データの正当性が担保される。
・ビットコインの場合には、トランザクションプールにトランザクションが一定量貯まると、各マイナーが競ってトランザクションデータからハッシュ値を求めてブロックを生成する(マイニング)。そしていち早くブロックを生成してチェーンに追加したマイナーに多額のマイニング報酬が(ビットコインで)支払われる。
・過去からのすべて取引データは、ブロックチェーンの中に消されずにずっと残っている。
・マイナー達がブロックを生成するために行っている膨大な計算は、無味乾燥な意味のない作業で、アイルランド一国と同等規模の電力を消費してしまうほど。
う~ん、マイナー達のーの膨大な計算量、半端ないなあ。相互監視によりデータ改竄を許さない便利な仕組みということだが、まあ無駄の多いこと。データ処理の負担はどんどん増えていくみたいだし、長期間維持できるものなのだろうか。 -
いきなりハッシュ値の話から始まるので驚くが、ブロックチェーンは暗号技術の応用・発展形であることが述べられる。
その文脈において、ビットコインに代表される仮想通貨のブレイクが位置付けられているので、見通しがよい。
そして、バラ色の技術として語られがちなブロックチェーンもまた、技術的・社会的な理由で頭打ちになることが予測されている。
私もバラ色であることを期待していたので冷や水を浴びせられたのだが、でも納得感はある。 -
ブロックチェーンについて初心者対象に書かれた内容とのこと。
前半部分では、「互いを信頼しない利用者同士が大規模に協力しあう仕組み」の説明。(この部分はネット上でもよく解説があるのもの)
もう一つは、技術核にあるハッシュの内容と利用の仕方が解説されている。暗号について基本を知るといういみでこの部分の解説はわかりやすい。ここは特に読む価値があると感じた。
後半部分は、暗号資産との関連やブロックチェーンの真の評価(利点もあれば欠点もある)が書かれている。改めて、この部分も読んでおく価値がある。比較的わかりやすく解説されている。 -
ビットコインにはあまり関心がないが,「相互不信が実現する新しいセキュリティ」という副題にひかれて読む.
ブロックチェーンがどういう技術なのかがよくわかるように書かれているすぐれた入門書.デジタル署名,ハッシュ関数,P2Pなど既存の技術を非常にうまく組み合わせて,信頼が連鎖する仕組みをつくっているのがわかる.とてもおもしろい.
ビットコイン以外にどういうところに応用が可能なのか知りたくなった. -
公開鍵暗号、電子署名といったブロックチェーンの前提知識を丁寧におさえつつ、仮想通貨以外の応用例や将来的な展望にまで議論を拡張したまさにお手本のような入門書。
インターネット, AI, そしてIoTが辿ってきたハイプの濁流に今まさに加わろうとしているブロックチェーン技術。
その過剰なまでの期待感に水をさしつつも重要性を訴えかける、ある種の強い思想を感じる一冊。
それにしてもブロックチェーンというものは実に現代的な技術だ。
可用性や信頼性に病的なまでにこだわり抜いたこの革新的な技術は、果たして仮想通貨市場を飛び越えイノベーションの起点たりうるのだろうか。 -
参加者が誰もお互いを信用し合っていないからこそ、正確な計算結果が世界中で未来永劫保存される──。
暗号通貨(仮想通貨)ビットコインを支える仕組みとして登場したブロックチェーンは、かつてのインターネットのように新たなインフラへと育ちつつある。その本質は、構造はどうなっているのか?
社会を一変させる可能性を秘めた新技術の根幹と限界を見きわめるべく技術解説書のトップ著者が挑んだ、「これ1冊で網羅できる」ブロックチェーンの決定版入門書! -
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## Contents
* p.176"合計は2100万BTCに収束し,21万回ごとに報酬が半減していく.はじめの報酬は50BTC"
* →初項50,公比が$\\frac{1}{2}"$で,2100万に収束する無限等比級数を求めよ.
```
\sum_{n=1}^{\infty} {50(\frac{1}{2})^\frac{n}{210000}}=21,000,000
```
* に収束する?
* →これだと,$\\frac{n}{210000})$の部分が半減期のようになってしまっているけど,本当にビットコインは210000ブロックごとにしか報酬額は変わらないから,ガウス(フロア)関数のように段々を描くグラフになるはず.正しくは,
```
\lim_{n \to infty} \sum_{k=1}^{n}\sum_{l=1}^{210000}50*(\frac{1}{2})^k
=210000*50*\sum_{n=1}^{\infty} {(\frac{1}{2})^n}
=210000*50*2
=21000000
```
* でも,本書の中で,BTCは20999999.9769BTCが報酬の上限額と書いてある(p.227)のを見るに,nがとてつもなく大きくなったタイミング($10000\*50\*\\sum\_{n=1}^{x} {(\\frac{1}{2})^n}==20999999.9769$をxについて解いた時のx\*210000回のトランザクションが行われた後?)にマイニング報酬の拠出がストップするのだろうか.
```
50\lim_{n \to infty}{(\frac{1-(\frac{1}{2})^n}{1-\frac{1}{2}})^(\frac{n}{210000})}
```
* これ,どうやって計算するん?
→関数電卓欲しい!
* いや,普通に無限等比級数の計算すればOK.
* 後からtransactionの正当性を検証するのはどうやってやるん?transaction poolと関係なく全くのでっち上げのtransaction(例えば,他人から自分にBTCを送信するtransaction)をつくったらそれはそれで成立する?
→新規ブロックが追加されるごとに取引の正当性が証明される.みたいに書いてあったと思うが,取引の正当性は,「後から改竄されていないこと」であって,「その取引自体が本当にユーザの意向に沿って行われたものか(=不正利用ではないか)」ではないってこと?
* →本を読み進めていく限りそんな気がしてきた.
## Discussion
* 読書ノート,落合の論文読む形式でやったらいいかも?
* 全然英語でのアウトプットが出来なくなってる.自分で積極的に英語でアウトプットする機会をつくったりしないと.上田とのPodcastを英語/日本語バイリンガルでやるパートをつくるとかでもいいかも.とにかく,アウトプットしながら入れていかないと,英語がなまってる.
* ふたつのセキュリティ→暗号化と改ざん防止
## Read Next
* TCP/IPプロトコルなどの通信技術
* 公開鍵暗号方式をはじめとする暗号化技術 -
ブロックチェーン初学者だが、わかりやすかった。周辺知識についても詳しい説明があり丁寧。
かなりあっさりしていて初学者向けだが、物足りなさもある。 -
もちろんプロ向けではないが、素人で、概念よりももう少し仕組みを理解したい人には絶好な本。仕組みを理解して、初めて技術の展望が理解できる。面白かった!
-
ブロックチェーンとは何なのかが分かったが、完璧に分かった感じがしない
なんというか、セキュリティの話が入ってこなかった -
かなり初学者向け
情報系の知識がない人や、そもそも理系教科が得意でない人からでも読むことができて、どんな技術を使っているのか、どんなものなのかを解決できる本
代わりに、情報系で専門書や技術書を普通に読む人にはすこし簡単すぎるかもしれない -
ブロックチェーンとは何か?という問いに対して、たいへん丁寧に説明がなされている一冊。
本書を読んだ上での私の理解が正しければ、第三者による複製が簡単に行えるインターネットの世界において、Winnyに代表されるP2P機能によって情報の信頼性を担保するための技術がブロックチェーンであり、その仕組みを利用している代表的なものがビットコインをはじめとする仮想通貨である、ということになる。
そのあたりの技術的な部分をイチから知りたい人にとっては格好の入門書になると思う。
本書の初版は2019年で、当時はブロックチェーンの技術がインターネットの登場以来の画期的なイノベーションとして業界内でかなり盛り上がっていたみたいだけど、今はどうなっているのかな。 -
『暗号通貨の経済学 21世紀の貨幣論』を読んでブロックチェーンについてより詳しく勉強したいと思い購入。
改めてビットコインの制度設計は良くできてるなぁと感心。報酬がなければ(その報酬が貨幣として価値が担保できるものでなければ)トランザクションの検証なんて面倒なこと誰もやらないなと思った。
ブロックチェーンの課題について論じられた第5章と終章が特に興味深かった。
ブロックチェーンの長所は不特定多数の信用ならない参加者がいてもデータの信頼性は保ちつつ運営できる点で、このうちどれか一つでも当てはまらなければ無理にブロックチェーン使わずに既存のサービス(リレーショナルデータベース)でも良いのでは、というのは世の中の多くのビットコインを使ったサービスに言えることだろう。 -
ブルーバックスのブロックチェーン本。
私はブロックチェーンをこの本で最初に学んだ。さらっと流して表面を知るには十分と思った。
ブロックチェーンが流行ったのはなぜか、なぜブロックチェーンは誤魔化せないのか、といった技術的側面をざっくり知ることができる。
今後、ブロックチェーンとそれにまつわる技術などをもっと知っていきたいと思いました。 -
ブロックチェーン、暗号資産についての基礎的な知識を記載。平易に説明されており、わかりやすい。
著者も指摘するように、ブロックチェーンが今後どう発展するのか、結論は出せない。一度走り出したら止まらない。
マイニングによるエネルギーの莫大な消費、暗号資産がマネーロンダリングに使われることへの対策、等の問題は解決策がない。
読了60分 -
面白い書籍だった。曖昧だったブロックチェーンのしくみや、なぜ、改竄が不可能であるか、実際にどうやってトランザクションが承認されるのか、得意なこと(管理者を信用できないデータの記録)と限界(インセンティブ付与という難題、システム変更の困難性、結局中央集権的性質が必要になるがそれなら中央の管理者を信用して別の既存のしくみで管理する方が合理的であること、マイニングに膨大な資源が無駄に浪費される)について、非常に平易でわかりやすく説明されていた。
インターネット同様に、強力な支配者を生み出すインフラツールの一つになるのではないかとの著者の警鐘に同意する。
著者プロフィール
岡嶋裕史の作品
