水は海に向かって流れる(1) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
4.35
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本棚登録 : 153
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065144510

作品紹介・あらすじ

「あの人、本当は怒りたいんじゃないの?」


高校への進学を機に、叔父の家に居候することになった直達。だが最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さんだった。

案内された家の住人は、親に黙って脱サラしたマンガ家(叔父)、女装の占い師、ヒゲメガネの大学教授、どこか影のある25歳OLと、いずれも曲者揃い。そこに高校1年生の直達を加えて、男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まった。

共同生活を送るうち、日々を淡々と過ごす25歳OLの榊さんに淡い思いを抱き始める直達だったが、彼女と自分との間には思いも寄らぬ因縁が……。

少年が家族の元を離れて初めて知る、家族の「罪」。自分もその被害者なのかもしれないが、加害者でもあるような気がする。割り切れないモヤモヤした思いを抱きながら、少年は少しずつ家族を知り、大人の階段を上っていく。

前作から4年の沈黙を破った田島列島が、
ユーモラスかつセンシティブな独特の筆致で描くのは、
家族の元を離れて始まる、家族の物語。

家族の元を離れて始まる、家族の物語。高1春、曲者揃いの住人たちと男女5人の共同生活を始めた直達。彼が淡い想いを寄せる25歳OLの榊さんとの間には、思いも寄らぬ因縁が……。「別冊マガジン」連載時より作家、著名人、漫画読みから絶賛の声が続々!宝島社「このマンガがすごい!2015」オトコ編第3位、マンガ大賞2015第2位など各漫画賞を総ナメにした名作『子供はわかってあげない』の田島列島、待望の最新作!

感想・レビュー・書評

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  • 会話劇が素敵。
    古畑任三郎を彷彿?

  • 6/8は世界海洋デー
    「海」つながりで、注目作、田島列島さんの本作を。男女5人の共同生活が多様な価値観を示します。

  • 田島列島を読んでいるあいだだけ信じられる優しさがある。

  • 読んで知る限り、夢は夜開く(藤圭子)、尾崎豊、想い出がいっぱい(H₂O)、メトロポリタンミュージアム、紅っと台詞に忍ばせた楽曲のラインナップ見る限り、作者の方を若い方と思っていたが想像していたよりは上の世代かも知れぬ。
    ギスギスしたテーマはドス黒く重々しくなりそうだそうだが、作者の作家性とも言えるが台詞回し、オノマトペ、間の取り方で軽妙に調理され、中和されていてストーリーに引き込まれていくのがわかる。転べば傷だらけになりそうなものをふわっと読ませるの流石ですね。田島節かな。

  • 主人公直達の父と引越し先の住人榊さんの母は昔駆け落ちしていた。
    結局直達の父は家族の元へ戻り、榊さんの母は帰ってこなかった…

    直達と榊さんの気持ち、超分かる。
    お盆のふちで済ませた榊さんマジ優しいと思っちまったもん。


    もうどうにもならないことを、進行形で見つめるのも、後になってから知るのもどっちもしんどい。

    作品全体をコントロールする安定した温度。凍りつきも、沸騰もしないような。とても酷いことなど起こりそうもないような。
    彼らの身に起こったことは、そんなのほほんとしたことじゃないのに。だからこそ、こんな安定した温度の場所でしか語れないことは、ある。これはそういう事柄。

    そんな中でのちょっとした台詞の端々に「ぬるくない」ものを感じてまた身悶えるわけです。

    「善良な市民面して…」 とか最後の引きの「捨てられる…」のとことか!
    わかるわ。超わかる。

    榊さんの「怒ってもどうしょもないことばっかりじゃないの」もよくわかる。
    そういう諦念にまで至るのにどれくらいかかったんだろう、母が自分の元から居なくなってからの長い年月をどうやって生きてきたんだろうって、思いを馳せたらしばらく先に進めなくてぐるぐる考え込んでしまった。

    解消されない「なんで?」をずっと抱えて生きていく。
    一番信頼を寄せたい人に裏切られる。
    自分のせいじゃないのに。

    現実には、多分親の不貞を知った子どもって気づかないふりして胸にしまって生きてく人がほとんどなんじゃないですかね。
    親は気づいてないと思ってて。
    気づかないわけないんだなぁ。
    榊さんの場合はもっと最悪ですけど。

    だからうっかり知ってしまったことは直達にとって不幸かもしれないけど、それを誰かと共有できるってことはすごく良いことなんだろうと思う。それについて、言葉に出来ること。思いを打ち明けられること。傷を明るみに出すこと。

    そしてその場にその件には全く関係ない人達がいるっていうのが、すごい重要で救いですよね。教授はやや性急に突っ込み過ぎな気がするけど、泉谷兄妹は距離感ばっちりだし、ニゲミチ先生はそこに居てくれるだけでいいし。猫もいるし。

    複雑な心境にならざるを得ないふたり。
    直達の真っ直ぐさが榊さんを雨の降ってない場所まで連れて行ってくれますように。
    そんな風に願っちゃう。

    私的なお気持ちが十二分に乗っかった感想でした。
    現実で救われなかった気持ちが、虚構で救われることってたくさんあるよねぇ。

  • 読了。海街dairyのように感じた。

  • 4.6

  • いやぁ、最高だね、今回も。モノローグと登場人物の心理との間の表現しない余白が、凄く読者の想像を掻き立てる。コレは前作「子供はわかってあげない」でもあったけど、より切れ味が上がって来てると思う。講談社はこの人を大事に育ててほしいわぁ。

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著者プロフィール

田谷野歩のペンネームで『ごあいさつ』『官僚アバンチュール』と読み切り作品を「モーニング」に発表。掲載されるたびに話題を呼ぶもののしばらく沈黙していたが、このほど本格再始動。ペンネームを変更して『おっぱいありがとう』『お金のある風景』『ジョニ男の青春』と味のある読み切りを連発し、本作『子供はわかってあげない』で連載デビュー。2008年前期MANGA OPENにてさだやす圭賞を受賞。

「2014年 『子供はわかってあげない(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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