虚構推理 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
3.51
  • (10)
  • (15)
  • (22)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 204
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065145302

作品紹介・あらすじ

<アニメ化決定!>
<本格ミステリ大賞受賞作!>
<シリーズ累計200万部突破!>

巨大な鉄骨を手に街を徘徊するアイドルの都市伝説、鋼人七瀬。
人の身ながら、妖怪からもめ事の仲裁や解決を頼まれる『知恵の神』となった岩永琴子と、とある妖怪の肉を食べたことにより、異能の力を手に入れた大学院生の九郎が、この怪異に立ち向かう。その方法とは、合理的な虚構の推理で都市伝説を滅する荒技で!?
驚きたければこれを読め――本格ミステリ大賞受賞の傑作推理!


終始ゾクゾクしっぱなし……息もつかせぬ物語とはまさにこのことだと思います。意外な展開、予想外な事実、桁外れな人物、奇妙な現実、異様な虚構、奇想天外な“戦い”――。絶妙に狙い澄まして放たれる数々の“驚き”の奔流に溺れそうになりましたが、エラ呼吸を会得することでどうにか事なきを得ました。
のちの半魚人である(←新しい都市伝説)。
――『僕は友達が少ない』の平坂読氏推薦!!

「本格」の今後が有する可能性を大きく押しひろげた一作(作家・氷川透)
ただただ作者の才能に嫉妬するばかり(作家・黒田研二)
おおおお前を倒すのはこの俺だ!(作家・汀こるもの)
内奥に錨を下ろした論理、奇矯でありながらつらぬかれたロジック。破格のミステリ(作家・辻真先)
辻褄の合った論理こそ、時には真実から最も遠ざかるものではないか――(書評家・千街晶之)
驚きを通り越して爽やかな敗北感さえ抱かされた(作家・太田忠司)
「真相」の意味について刺激的な考察を展開(作家・大山誠一郎)
「本格ミステリのロジック」の持つ魅力と危うさを純粋培養したような小説(作家・光原百合)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アニメの出来がすこぶるいいので読んで見る気になった。題名の通り、鋼人七瀬によって起こされる事件を虚構の推理によって押し込めると言ったなかなかややこしい話である。小説自体が虚構であるのに普通の推理小説では名探偵が最後に解き明かしてそれで解決となりそうな推理が虚構であって、それによってこの小説で起こっている事実を虚構化させるわけだ。なんとも小説の虚構性を逆手に取ったような、最近散見されるニューウェイブ的な小説だ。登場人物たちも魅力的で正に日本のアニメには最適な虚構である。

  • まんがを読んでアニメを見てから原作を読了。あやかしたちの巫女となった岩永が、不死の九郎とともに、「想像力の怪物」鋼人七瀬に挑む。
    【虚構】で真実に挑むというのが斬新でおもしろかった。私も岩永のように頭が良ければなあ。普段はつれない九郎が、いざとなったら岩永のことをちゃんと考えているところを見せるのが実に良かった。

  • 漫画版をKindleで4巻まで読んでいて、面白かったので図書館で原作を予約。

    漫画版のイラストが綺麗で可愛らしいので、そのキャラで脳内再生されていました。
    琴子と九郎先輩の関係性が良き。
    漫画版では伝わらなかったサキさんの気持ちなんかも原作だと丁寧に描かれていてまた良き。

    推理小説としてもなかなかのクライマックスで私は好きです。
    虚構推理ね。たしかにタイトルがピッタリだわ。


    とりあえず琴子ちゃん好きだわ。岩永って呼ばせるのもまた好き。

  • アニメ化すると聞いて一読。多重解決ミステリー+異能バトル。キャラが立っていて良かった。

    主人公・岩永琴子は11歳の頃怪異に攫われ、妖怪どもと意思疎通できる能力を得る代わりに、右目、左足を失う。
    身体的には問題はないが、定期検査に訪れた病院で、岩永は桜川九郎に一目惚れ。
    当時彼には弓原という彼女がいたが、九郎と弓原が別れたと聞いて、岩永はすかさず彼女の座をゲットする。

    以来、二人はペアを組んで怪異絡みの事件を解決してきた。
    そして、岩永が19歳になった年、「鋼人七瀬」という怪物が暴れまわるという噂が広まる。
    実害も出ており、警察も動くことになる。九郎の元カノの弓原も警察に勤めており、事件に関わることになってしまった。
    岩永は、九郎と弓原を接触させてやけぼっくいに火が付くことを恐れていたが、鋼人七瀬を追ううちに二人は会ってしまう。
    弓原と九郎は結婚寸前までいっていたが、ある日怪異と遭遇してしまった。その際、怪物が九郎に怯えたのを見て、弓原は九郎が異能の持ち主であることに気付き、気味悪くなって別れてしまった。
    九郎は幼い頃に人魚とくだんの肉を食べさせられてしまったことで、不死身の身体と「未来を自分の望むものに決定できる能力」を得ていた。ただし決定できる未来は限定的で、さらに力を発するためには一度死ぬ必要がある。
    九郎の一族は特殊な者が多く、九郎の他に、従姉妹の六花もまた九郎と同じ力を持っている。その六花は病がちで、九郎の憧れの人でもある。

    六花は怪物を出現させて(不死で異常体質の)自分を滅ぼして貰おうと思っている。
    鋼人七瀬は、人々の噂、つまり都市伝説が実体化した怪物。六花の企てによって噂は強固なものとなって広まり、手が付けられなくなっていた。
    つまり、噂が単なる嘘だと証明できれば、化け物は消える。
    九郎が自身の能力を使って「鋼人」を足止めしている間、岩永は噂の発生源であるサイトに書き込みを開始して、「都市伝説が嘘である」ことを証明しようとする。
    この証明が多重的。
    読んでいて、同じく多重ものである「その可能性はすでに考えた/井上真偽」を思い出しました。

    鋼人七瀬は、非業の死を遂げたアイドル七瀬かりんが怪異化したと噂されている。しかしそのかりんの死にはいくつもの疑惑があり、岩永は死の状況やその後の遺族の話などを引き合いに出して
    「死んだのは別人で、七瀬かりんは生きている」とか
    「少なくとも七瀬かりんの姉はかりんがまだ生きていると思い込み、ノイローゼになっている。身近な者が姉を安心させるため、かりんは死んで亡霊・鋼人七瀬となって出たという噂を広めた」とか
    色々な方法で「鋼人七瀬は嘘である」と証明しようとする。
    最終的には「鋼人七瀬まとめサイトの管理人が、死んだはずの七瀬かりん本人」と指摘する。
    まとめサイトの管理人は六花。名乗りを上げるとは思えないし、世論は岩永の説を指示した。
    こうして鋼人七瀬は虚構とされ、怪物は消えた。
    全てが終わり、弓原は改めて九郎への未練めいた気持ちを断ち切る。

    「妖怪は人が怖いと思った時に生まれ出る」という基本を押さえているのがいいと思う。
    そして、岩永の押せ押せで付き合い始めた二人だけど、それなりにいいコンビな模様。
    でも、岩永が言ってたようなところ(肉体関係)まで行ってるのか…? 

  • 漫画版を読んでから、ずっと読みたいなぁと思っていました。
    いい意味でも悪い意味でも漫画版をあまり覚えていなかったので、楽しく読めました。
    が、やっぱり、キャラクターたちの顔を知って読んでいるため、想像が補完されてしまった気がします。
    九郎が復活するところの描写はやっぱり漫画(絵)があってこそな気がします。
    もちろん、小説のがずっとリアルなんですけどね。

    岩永と九郎のやりとりが好きです。
    心の底辺では繋がっている「絆」が好きです。
    小説のほうがその描写が細やかで、ほっこりしました。
    あぁ、やっぱりこの二人を応援したい…と、言いますか。

    小説的なことを言えば、文章表現がとてもうまい作家さんでした。
    読みやすくて、入ってきやすい。
    原作にも向いているのでしょう。
    誰にでもわかることを、誰にでもわかる文章で書ける作家さんです。
    ころころとして、やさしい文体で、気持ちよくこころにしみてきます。

  • 「何かの本で読んだことがある。嘘をつくには本当のことを知らなければならない、と。真実を知らねばそもそも何が嘘かわからない。真実を知るから惑わされず、騙されず、矛盾しない嘘をつける。」

    真実があるから嘘がある。嘘がなければ真実は存在できない。嘘をつく練習をしよう。そうすれば世の中の仕組みをもう少しだけ深く理解できるかもしれない。

  • 表紙からラノベ色が強いだろうと思っていたが、むしろ骨太の本格ミステリだった。
    都市伝説や想像力が生みだした物の怪に対して、都市伝説をも上書きしてしまう虚構推理で消し去るというアイディアがいい。捨て推理が後できいてくる部分も好みだった。
    続編もあるようなので機会があったら読んでみようと思う。

  • アニメ化で店頭に並んでるのを見たのがきっかけで手に取ってみたけど
    真実がわかったうえで 推理を考えるという発想は
    どこか反則的な気もするけど 面白かった

    キャラクターも個性的で事件とは関係ない普段の会話でも面白かった
    特に琴子が好き!!

    ただ 鋼人七瀬の話の推理のくだりは前の3つの推理が何故必要だったのかよく分からなかった
    コミックの方も見てみて、コミックの方も面白かったが 小説の方は細かい心理描写や行動の理由が分かる分 分かりやすかった

    普段は琴子に対して邪険にしてる九郎が最後に「お前は花より綺麗だから 僕はどこにも返していないだろう」と言った時は身悶えした
    ツンデレとも違って、上手いこと言おうとしたりした訳でもなく本心からそう思ってると分かるだけに
    琴子同様、これはずるいと思う

  • 今まで読んだことのない設定の本。タイトル通り、この世の物ではないものを、推理した虚構で立ち向かう話。
    キーパーソンが突然ストーリーに出てくるなど少々強引なところがマイナスか?

  • 原作もコミックもアニメも全て面白いという稀有な事例。最後の六花さんとの勝負は一気に引き込まれた。人は自分がそうあって欲しいと思うことが真実と思いたい。ネットにおけるデマの拡散、人は自分に都合のいいように解釈する。そういった人の想念が鋼人七瀬を産み出すように仕掛けられたのだ。一旦火がついたものは時々燃料を投下するだけで炎上する。言葉のもつ怖さ、言い換えれば言霊とも言うべきものとの戦いの物語。時折直截的な下ネタが入るのは人を好むかも知れないが、そういう風には見えない琴子のキャラ付けとしては面白いと思う。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

【城平京(しろだいら・きょう)】
奈良県出身。代表作に漫画原作『絶園のテンペスト』『スパイラル~推理の絆~』、小説『虚構推理 』『名探偵に薔薇を』『雨の日も神様と相撲を』など。

「2020年 『雨の日も神様と相撲を(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

城平京の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印

虚構推理 (講談社タイガ)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×