狭い世界のアイデンティティー(3) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 62
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065146439

作品紹介・あらすじ

この作品はフィクションとノンフィクションの狭間に挑戦なのか!?戦闘だらけの漫画業界の実態を押切蓮介が円熟した怨念で描くアクションホラー漫画。新連載の奪い合いは漫画家同士の肉弾戦、作家同士の対話は殴り合い…果たしてこれはフィクションかノンフィクションか…。平成最後を飾る2019年型ほぼフィクションの漫画家マンガ、バトル開始!

感想・レビュー・書評

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  • 浅野いにをに続き藤田和日郎まで登場!
    そして話題としては漫画村ならぬ漫画沼。
    個人的には押切先生と清野とおる先生のダウナーな会話が好きなので、押切先生がコマ圧でウェブ漫画家を圧し潰す回が面白い。
    清野先生のご結婚について今後言及したりするんだろうか。

  • どう書き出すべきか、かなり迷いましたけども、やはり、これしかないでしょう
    押切先生、ありがとうございます
    まさか、藤田和日郎先生まで、この『狭アイ』に参戦させてくれるなんて、感謝の極みです
    ただただ、驚きました
    参戦そのものも吃驚しましたけど、それ以上に、押切先生が描く藤田先生が、私の中のイメージ通りだったので、「マヂか」と震えました
    もちろん、押切先生が、私の中の藤田和日郎像を知らないのは百も承知です
    押切先生と感性が近い、と驕る気もありません
    ただ、やはり、プロの漫画家から見ても、藤田先生はぶっ飛んでいる存在なんだな、と判って、妙に安心したのは事実です
    この(3)を読んだ藤田先生は、どう思っているんでしょうか
    荒唐無稽な話ですが、仮に、漫画家としての才能を数値化した場合、押切先生は、かなり、高いでしょう
    それこそ、今現在、週刊少年サンデーで、毎週、師匠とぶん殴り合っている愛弟子の福田宏先生に匹敵する、と言っても過言じゃありません
    ですから、藤田先生なら、押切先生からの挑戦なら、喜んで受けてくれるんじゃないでしょうか
    圧倒的な実力と絶望的なまでの経験の差で、押切先生がフルボッコにされるのは目に見えていますが、藤田先生の急所へ二、三発、良いのをブチ込んで、表情を歪めさせるだけのパンチ力があるはずです

    そんな藤田先生が絡む回だけが目立っていないのが、この(3)は凄いですね
    現在の漫画業界が抱えている闇や、直面している問題を、多少、オーバーに膨らませているにしろ、トラブルの本質は誤魔化さずに描いてあります
    とことん暴力的ですので、メンタルが脆い自覚がある人は読むのを避けるのが賢いでしょう
    その手の作品に付き物である爽快感、これがある、とも正直、言えませんので
    けど、ガッツーンとは来るので、お勧めはします、全力で

    冗談でも誇張でもなく、ほんと、漫画家を目指す、もしくは、漫画家を支える漫画誌の編集部に入る事を夢見ている若人の心をヘシ折る気なのかな、と思うような内容です
    けれど、私の描いた漫画ごときに心を折られないライバルまたはサポーターを、私達は求めている、そんな期待が籠ったエールも感じられます
    活きの良い新人と戦いたい、その気持ちを常に持っているからこそ、押切先生も未だに成長中なのでしょうか

    どの回も強烈です
    さすがに、面白い、で一つに絞りきることは出来ませんが、私が(勝手に)押切イズムを特に強く感じたのは、第22話です
    自分の作品に自分を登場させ、しかも、本性を剥き出しに出来る
    これは、押切蓮介って漫画家にしかできない、やれない戦い方、感情表現の仕方、と言えます
    確かに、藤田先生と比較しちゃったら、劣るかも知れませんが、色々あった押切先生が持つ「怒り」も決して弱い訳じゃありません
    「怒り」と表現すると、少し伝わり辛いかも知れませんね
    「理不尽に立ち向かう気力」、「鬱屈とした気分を晴らす激しさ」、「嫌な事にNOと言う強情さ」・・・どれも違う気がしてきますね
    本物だけが持てる、この感情は、どう言えばいいのでしょうか
    ざっくり言うなら、破壊衝動なのかもしれません
    デビューから何年が経過しようとも、キャリアに小さな傷が一つ二つ付けられようとも、押切先生は、ずっと、怒り続けられているんでしょう
    そんな怒りを失わず、捨てず、歪めず、それどころか、強めている押切先生が生み出す作品には、得も言われぬ「面白さ」と言う引力があり、ファンは抗えません
    押切先生には、様々な代表作がありますけど、私は、これから、押切先生をまだ知らない漫画読みに、先生の良さを説く際は、この『狭い世界のアイデンティティ』を、まず、紹介しようと思います、入門書としては過激で、耐性がない者にはキツすぎるのは承知で

    この台詞を引用に選んだのは、あの藤田和日郎ならば、こんな事を言っても、何ら不思議じゃないぞ、と感じたので
    藤田先生が、弟子や編集者、新人に暴力を振るわない人間であるのは、ファンとして知っています
    これが、漫画的な表現である事も受け入れています、当然
    だからこそ、余計に、藤田和日郎なら言う、と思ってしまいます
    一線を越えている漫画家ならば、この藤田和日郎の言葉が、頭ではなく魂で理解でき、共感できるんじゃないだろうか
    漫画に限らず、音楽や絵画、小説もまた、読む人間に「面白い」と言って貰いたいのなら、一つしかない命を、その作品に全力で懸け、戦わなければならないのかも知れません
    不思議なものですが、押切先生の作品を読んで、藤田先生に読まれても、「どうですか」と真っ向から聞ける、自信しかない小説を書いて、デビューするって気持ちが一層に強まりました
    やっぱり、押切先生には感謝しかありません
    「這いあがって来い・・・!!命を賭して、描きたいものがあるのならば、ここまで上がって来れる筈だ・・・!!!生きたい、という精神力が・・・今後、必ず、良質なものを生み出すだろう。それだ、その魂の力を活かせば、兵(つわもの)になれる。兵となって、作品で、俺を感動させろ・・・・・・・・・!!俺は、待っているぞ」(by藤田和日郎)

  • 「漫画沼」

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著者プロフィール

漫画家。『でろでろ』(講談社)などのホラーギャグに加え、『ミスミソウ』(ぶんか社)など内面的なホラー作品も手がける。1997年、週刊ヤングマガジンにて『マサシ!!うしろだ!!』でデビュー。去年はいいことがあったらしいが今年は不明。月刊少年シリウスにてアクションホラー『ゆうやみ特攻隊』を超絶進行&大人気連載中!

[HP/ブログ]
「カイキドロップ」→ http://www.kinet.or.jp/osikiri/index.htm

「2012年 『NEMESIS No.7』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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