バッドビート

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 60
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065146958

作品紹介・あらすじ

この人生(ギャンブル)、ぜってえ勝ちてえ。

「ここじゃないどこか」に行きたい幼馴染みのワタルとタカトは、5年前に地元の島にできた総合カジノ施設「レイ・ランド」の恩恵など受けることもなく、ヤクザの下仕事をするチンピラ。兄貴分の「蓮」に振られた「チャンス」=ただの「荷物運び」が一転、気づくと目の前には事切れた3人の遺体が――。ハメられたら、ハメ返す。ノンストップギャンブルミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • とっ散らかっていて果たして何を、どう成すべきなのか描かれずに終わってしまった印象。ミステリ要素などは特になく、退屈な一作だった。

  • 記録

  • バッドビードの名に相応しく、どうしようもない沼底にいるヤツらのハイな物語。登場人物は軒並み己が道を進んでおり、物語のクライマックスまでノンストップで話が進む。
    ノンストップすぎて最後の1文を読み終えたあとも終わった気がせず、駆け抜けた余韻がほんのり残った。地の文から作り込まれた世界観が個人的には結構好みで、青臭さの残るワタルやタカトに死以外の未来があればと強く願う。
    恩人の過去の行いに縋りながら、反芻して憎みながら、しがらみと共にこれからも走り続ける彼らが好きだ。
    面白かった。自分もどちらかというとタカト派。

  • 幼馴染のワタルとタカト。ヤクザの下仕事をするチンピラである彼らが兄貴分から振られたのは、地元の島でのただの荷物運び…のはずが気づけば目の前には死体が転がっていて!どこで何が起きてこうなったのか、嵌められたのか、誰が敵で誰を信じていいのか。ノンストップギャンブルミステリの冠通り、リーダビリティは抜群で、若い彼らが頭と体を使って奮闘する様を夢中で追いました。ワタルとタカトのバランスも大好きです。エンタメとして楽しみましたが、実際にカジノが日本で公に運営され始めたら、全くの絵空事ではないのかもしれません。

  • カジノが作られた島「レイ・ランド」を舞台に繰り広げられる、アクションと騙し合い満載のサスペンス。
    誰を信じていいのか、誰が裏切っているのかがまったくわからない状態。どいつもこいつも曲者ぞろいで、まったく腹の内が読めません。主人公のワタルとタカトがどちらかというととんでもなくお人好しな面があるので、なんだか心配になってしまってハラハラドキドキ。でもまあ馬鹿ではないのかな(タカトははっきり馬鹿設定だけれど、それはそれで清々しいような)。
    そしてカジノでの勝負を巡るシーンもあまりにスリリング。読む手が止まりません。全体的に裏切り合い化かし合いでどろどろだし、血なまぐさい部分も多いのに。何故か読み心地はスカッとしました。

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著者プロフィール

1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年、『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。他に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。

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