告解

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 121
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065147061

作品紹介・あらすじ

心から笑える日は来るのだろうか。
罪から逃げ続けた僕に――。

江戸川乱歩賞受賞作『天使のナイフ』
吉川英治文学新人賞受賞作『Aではない君と』
凄惨な犯罪に向き合い続ける著者だから見つけた、贖罪の「先」にあるものとは――。
祈りに溢れた慟哭の傑作長編。


大学生の籬翔太は、飲酒運転中、よそ見をした隙に何かに乗り上げたような衝撃を受ける。恐怖からその場を走り去ってしまうが、翌日、一人の老女――法輪君子の命を奪ってしまったことを知る。下された懲役四年十ヵ月。刑に服し、罰を受けた後も、翔太は遺族に謝罪に行けずにいる。一方、君子の夫・二三久は、“ある思い”を胸に翔太の出所を待ち続けていた。

感想・レビュー・書評

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  • 心にどすんと重みを残した読後感。
    残された被害者家族、加害者、加害者家族のそれぞれの気持ちが本当に重い。
    事件自体はその時点で終わるが、その後の人生はずーっと続いていくのだと染み染み思う。
    罪の意識に苦しむ加害者と被害者夫の繋がりが話の終盤で温かみが残った。

  • 飲酒運転、轢き逃げ、おこってはならないこと。罪を償うことの大切さ、重荷。その償いは一生かかる。少しのことだからと油断せずに飲酒運転やめましょう。非常に大切なこと愛する家族の1人が居なくなる悲しさをあらわし、命の大切さを感じた。

  • 飲酒運転で老女を死なせてしまった青年。実刑判決を受け出所したのちも罪にさいなまれ、前科の枷にとらわれ、それでも人生を取り戻そうとあがく彼の姿は痛々しくてつらいです。もちろんやってしまったことは許されないことだけれど、決して彼が悪人ではないだけに悲痛な思いが胸に刺さります。ふと自棄になって危ない誘いに乗りそうな場面にもはらはらさせられて。
    そして事故の原因を作ったと思い詰める彼の恋人。まあたしかに彼女のせいという面もあるけれど、こちらもまた罪悪感を持っているだけに責める気分にもなれず。ただし彼女の彼に対する思いが、完全な罪悪感のみでないというのは救いでした。
    一方で、その事故で妻を奪われた老人。彼の意図がなかなかわからず、不気味なものを感じさせられました。認知症を患い記憶が薄れる中で、それでも老人がなそうとしていたことはいったい何だったのか。不穏な雰囲気をたたえた物語は、読む手が止まりません。誰もが悪人ではなくむしろ善人と思えるだけに、どうかこれ以上の悲劇が起こりませんように、と祈りながら読むばかりでした。そしてこの物語の結末は……どうぞ自分で確かめてください、としか。

  • 逃げない、それだけのことがどれほど難しいか。翔太がそのことに気づいてくれてよかった。誰の思いも無駄にならなかった。

  • 車の運転に気をつけようと思った

  • あらすじとタイトルにピンと来て即買いに行って読みました。
    おもしろい。
    最後はちょっと感動しました。
    登場人物一人一人の気持ちが想像できて、心が辛くもなりました。
    でも、読んでよかった。色々考えを巡らせたいと思います。
    勉強の良い息抜きになりました。

  • 少年犯罪や罪や贖罪を得意とする作家さんならではの一冊。
    大学生で20歳の籬翔太は、飲酒していたにも拘わらず、深夜の恋人からの呼び出しに、雨の中、車を運転し、ひき逃げを起こしてしまう。
    飲酒、しかも信号無視をしたことから、その場から逃げ、救命措置も行わなかった為、被害者は亡くなってしまう。
    後日、コンビニの防犯カメラから警察に逮捕される翔太だったが、最後まで信号無視をしたこと、そして人を引いてしまったことは告白しないまま、5年近くの懲役刑を受ける。
    出所して25歳になった翔太は、自分の起こした事件のせいで自分の家族がバラバラになってしまったことを知るが、被害者遺族への謝罪の気持ちはなく、自分の貴重な20代の5年間を刑務所で過ごしたことを後悔しながら生きていた。
    そんな翔太の前に現れた被害者の夫。89歳となり、認知症を患いながら、彼は翔太に何をしたかったのか?
    正直、主人公である翔太の考え方は自分勝手で、どこまで読んでいても腹が立つ。
    なのに、周囲はみんな翔太に好意的で、どちらかと言うと違和感しか湧かない。
    ただ、被害者の夫である法輪が最後に成し遂げたことについては、胸を打つ。
    こういうラストであるのならば、それまでの話がもう少しいい話であれば、素直に良い話だったと言えるのだが、主人公の身勝手さが勝っているので、評価は低めで…

  • 淡々としていて読みやすいがあまり面白くは無い

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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