- Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065147276
作品紹介・あらすじ
この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。
また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。
およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。
イギリスで約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、他の先進国と比べて日本の解剖率は異様に低い。
つまり、多くの死が見逃されている可能性がある――。
殺人を犯しながら、誰にも知られず、日常生活を続けている者たちがいる。
街に潜む彼らは、何を思い、何を望むのか。そして、殺人者たちが望まぬ出会いを果したとき……。
これは、現実の日本で起こっているかもしれない、知ってはならない物語。
感想・レビュー・書評
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タイトルどおり、登場人物は過去に殺人を犯した人が多い。身の回りにこんなに殺人犯がいたらすごく物騒だ。危ないったらありゃしない。まあ、それぞれ事情があってそうなっているのだが。
内容は非常に読みやすく、展開もスピーディーで飽きさせない。あっという間に読み終わった。登場人物が多くて混乱するところもあったが、全体的には面白くてなかなかよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
商社マン・阿久津清春。組対五課の刑事・則本敦子。人を殺しているという二人の過去を知る柚木玲美。柚木は意図的に二人に近づき、母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する、断れば事実を公表すると。清春と敦子は過去の類似事件を調べるうちに、危険が降り掛かり…
前作『リボルバー・リリー』が気に入ったのでこちらも読んでみた。タイトル通り出てくる人たち、殺人者ばっかり。今回は登場人物も多く、内容も跳ばしているので簡単ではなかったな。
「法では裁き得ない者への断罪」、狂信的な人たち、清春の天才的な能力、空気感、良かったなあ。アクションシーンとか展開するところ特に後半は楽しめました。清春の過去があんななのに、そう感じさせない人柄が少々違和感、清春と敦子がもう少し魅力的に書かれていたら良かったかもね。しかし、現実の社会でも15万の「異状死体」が、詳しく調べられないままであるといい、捕まっていない殺人犯もいて、と普通の顔をした人が実は…かもしれないと思えたのでした。狂信的な人のあたりはどうかなと思うけれど、ああいう状態だとそうなってしまうのかなあ。
星4は甘いかな。 -
帯の煽りに完全にやられたパターン。物語の内容は良かっただけに残念としか言いようがない。
冒頭部分はあまりにも読みにくく、途中で投げ出してしまおうかと思ったほど。でも、読んでいくうちに慣れてきたのか、それとも内容が良かったからなのか、途中からは面白くなり最後まで読み終えることができた。
ただ、突っ込みどころは満載だし、登場人物のバックグラウンドがあまりにも浅いため、途中何度も、「あれ、この人誰だっけ?」と読み返すことが多々あった。
さて、19年前に母親と姉が失踪し、母親が遺体で見つかった玲美。事件は母親が姉を殺し、自殺をしたということになっていた。しかし、玲美は母親が姉を殺すはずはなく、また姉は必ずどこかで生きていると信じていた。
玲美は、商社マンの清春と、刑事の敦子の弱みを握り、姉を探すよう依頼した。
清春は、幼馴染の女の子を殺害した犯人と、嘘の供述をした者たちを次々と殺し、証拠を残さず今も警察に捕まらずに日々の生活を送っていた。
敦子は、母親の内縁の夫たちを兄と共謀して殺し、証拠が挙がらず今も現職の刑事として活躍していた。
清春と敦子は今の生活を守るため、また根っからの狩猟者の本能に従い、独自に捜査を開始する。そんな2人は様々な思惑に飲み込まれていき・・・。
内容は面白いのだが、設定に無理があったり、文章がわかりづらかったりと、なんとももったいない仕上がり。今後は内容を活かし切れるような作家さんになって欲しいと願う。 -
スピード感があって、ハラハラするような展開。
法で裁かれない者を追い詰めるのは……
法で裁かれない殺人者の主人公
この主人公の阿久津の立ち位置が物語りの肝ではあるが、わたし的にはどうもここに引っかかってしまって…
阿久津は殺人を犯してはいるが逮捕されない、かなり多分野にわたり優秀な人物で描かれてるが、結構露呈してるし警察も情報を掴んでるし。
なぜ逮捕されないのかが飲み込めない。
ファンタジーだと思って読めば良かったのかも -
タイトルのとおり、殺人犯たちの物語。
幼い頃に母が自殺、姉が失踪して養父母に育てられた玲美は、姉が生きていると信じて事件の真相を探ってほしいと商社マンと女刑事に依頼する。二人はそれぞれ犯罪の証拠を握られているため協力せざるをえない。互いに信用できず、腹の探り合いをしながらも彼らは真相に迫っていくが‥
ストーリーが進むにつれ他にもいろいろな事件がでてきて、とにかく登場人物が多くて途中混乱した。
刑事はともかく商社マンが強すぎるのと敵の規模がひっかかったが、中盤の二転三転する謎解き、終盤の怒涛のアクションは面白かった。 -
うーん。登場人物が多すぎて途中から頭がこんがらがった。主要登場人物3人は魅力的だったし決してつまらなかったわけじゃないんだけど、もっとエンタメ寄りにアクションシーン多めにしたいのか犯罪の記録を淡々と描きたいのか、読んでいてどちらの気分で読めばいいのかわからなかった。
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この作者は初めてかな・・・。最初は緻密なクライム小説かと思ってたら、だんだんすごい雑なバイオレンスものになってました。なんていうのか、バトルロワイヤルみたいな?主人公はそれなりにキャラが立ってるし、人を殺すことに躊躇してないのが最後までぶれないので良い。途中から出てくる妄信的組織のやつらが都合よく現れすぎるのと、警察が有能なのを示すために敦子と檜山?がいるのに、肝心なところで役に立たないのはどうなの?警察が殺人犯と疑ってて簡単にスルーしすぎるのよ。
派手なアクションや血まみれシーンが欲しいB級映画の脚本としてはバッチリ。 -
唯一感情移入できる登場人物が連続殺人犯とはこれいかに。
狂信者の数が多すぎるかな。 -
清春の人との距離感の描き方がとても好きで他の作品も読みたくなった。
最後がやや弱い印象だったけど、村上龍の「イン ザ・ミソスープ」読んでるときの感覚があって、おっ!と思った。