希望の糸

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065148945

感想・レビュー・書評

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  • 地震で子供を亡くした夫婦が求めた親子関係、突然実の父親のことを知らされた刑事。喫茶店の女性経営者の殺人事件をキーにそれぞれの親子、夫婦、男女の絆が描かれる。

    冒頭の話から、別々に話が進むが、少しづつ明かされていく中で、関係性が浮かび上がっていくのは、さすがと思った。

    地震で子供を亡くした父が、その後にできた娘に対してどう接したらいいかわからない感じは、特殊な関係がなくても、発生しそうだし、その解決も温まるものだった。

    ちょっと殺人に至るところは、ちょっと弱い感じがしたが、それぞれの思いに応え合っている感じが良かった。

    加賀恭一郎さん出てくるけど、シリーズの位置付けなのかな?というのは、ちょっとわからなかったですが、これ契機にシリーズ読んでみようかと思ってはいます。

  • 新参者の大ファンとしては、久々の登場に狂喜乱舞でした。
    このサイトを見つけたのが昨日だったので、
    遅いレビューになりましたが、読んだのは2020年1月でした。

    まず、登場人物がとても魅力的。
    弥生さん、お友達になりたい。
    松宮修平のお母さま、克子さん、潔くてかっこいい。
    加賀恭一郎シリーズ10作をふまえて読むと、
    加賀さんのお父様の生きざまも蘇ってくる気がします。

    思いがけない事がきっかけで、静かに暮らしている人々が
    疑心暗鬼になって事件が起こってしまうのが切ない。
    それでも、最後のシーンには目頭が熱くなる、
    そんな優しい作品でした。

  • 大好きな加賀恭一郎シリーズ。
    今回は加賀さんじゃなく部下であり従弟の松宮さんがメイン。
    テーマは家族。私は愛かな?と。

    血の繋がりや戸籍が全てでは無い。
    じゃぁ、家族って子供って夫婦って...と考えさせられます。

    東野圭吾さんの作品の中でも加賀恭一郎シリーズは沢山人が死ぬ訳ではなく1人無くなった背景をとことん掘り下げて調べるところは相変わらず大好きです!

    ※本の概要※
    東野圭吾の最新長編書き下ろしは、「家族」の物語。

    「死んだ人のことなんか知らない。
    あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」
    ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。
    どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。

    閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。
    捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。
    災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。
    容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。

  • 加賀恭一郎シリーズ。
    草薙の出生の秘密と絡めながら事件の真相が明らかになっていく。それは直接絡み合うことはないけれど、草薙の中では無関係ではない。
    それにしても、行伸とその娘の萌奈ちゃん。仲直りできて良かった。ドキドキして読んでいました。

  • 久しぶりの東野さん。やっぱりいいですね。

    殺人事件と、松宮刑事との血の繋がりの内容が絡み合うように記されてる。

    プロローグだけでもグッと引き寄せられ、この話からどう続いていくのだろうかと思ったら。
    いろんな所で絡み合いながらも、希望の糸は繋がって表れてくるのですね。
    萌奈ちゃんもいい子で良かった。

  • 何のシリーズかと思ったら加賀恭一郎だった、ただ今回の主役は従兄弟の松宮修平で彼の出生に纏わる物語となっている、ただ犯人はちゃっかり加賀が逮捕している。今回は人工妊娠受精における取り違えとレズビアンの悲劇が仕掛けとなっているが、やや突飛すぎてそれはないだろうと思ってしまった、しかし読ませる力は素晴らしく、とうとう朝方まで一気に読んでしまった。今回は加賀の身辺の変化には触れられていないが身を固めたとばかり思っていたのでちょっとがっかりした、このシリーズも長くなりすぎてとうとうスマートフォンが登場してきた。

  • 流石の東野作品。どこにも悪人はいないのだが、腕の良くない医者、どうしても子供が欲しい夫婦、巡り合いを大事にする喫茶店オーナー、同性同士のカップル、隠し子を死後認知したい男、等が入り乱れて、悲劇が起きる。

    ひとそれぞれ、大事にしている言葉があり、熱く語るのだが、意外に正確には伝わらない。今回は、『巡り合い』がそれ。もう少し言葉を足していたなら、まったく違った展開になっていたのだろう。殺人は起こらず、親子は対面し、娘は立ち直っただろう。

    現実は、無限にある途の一つに過ぎないのだなと思った。

  • 殺人事件が起きたので、あれ?そういうミステリーなの?と違和感を持ちながら読みすすめていったら、やっぱりメインは違うところでした〜。複雑に、というか驚きの理由で絡み合う登場人物たち。よくこんなこと思いつきますね、ってそりゃあ作家さんですもんね。
    終わりが温かなのが良かった。

  • 『たとえ会えなくても、自分にとって大切な人間と見えない糸で繋がっていると思えたら、それだけで幸せだって。その糸がどんなに長くても希望を持てるって。だから死ぬまで、その糸は離さない。』

    家族の形はいろいろ。
    でも、1人で生まれてきた人なんていない。
    希望の糸が紡がれて、今の私がいる。
    この世にいる限り、皆誰かにとっての希望なんだと気付かされた。
    たとえ本人に気付かれていなくても、自分以外の誰か幸せを、心から願えるって、本当に幸せなことだよね。

    読み終えた後、バラバラだと思えていた点と点が繋がり、本書のタイトル『希望の糸』の意味が分かった。
    東野圭吾さんの作品、もっと読んでみたい。

  • 東野圭吾さんの本は82冊目。

    加賀恭一郎シリーズだと知らずに読み始めました(笑)
    「祈りの幕が下りるとき」では加賀の過去が描かれ、本作では松宮の過去が…

    ガリレオシリーズも好きですが、加賀恭一郎シリーズはやっぱり良いです!
    楽しみながら読了!

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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