続 昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065149065

作品紹介・あらすじ

のべ4000人の元軍人らに取材を重ねてきた保阪正康氏が、昭和を代表する人物のエピソードを通じて昭和の闇=語られざる真実を語るシリーズ第二弾。本書では、三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉三郎・田中角栄・伊藤昌哉・後藤田正晴を取り上げる。

「これまでの私の取材を通して知り得たことは、確かに歴史の検証に必要な史実から、指導者の人間的エピソードに至るまで数多い。それらを歴史書として現すのではなく、人間学という枠内での書として刊行したいと私は考えるようになった。この系譜にある前著『昭和の怪物 七つの謎』(講談社現代新書)は、予想外の多くの人びとに手にとってもらい、これほどまでに昭和史の人間学が興味を持たれるのかと驚きを持った。歴史をもっと生身の人間の姿を反映したものとして表現したいという考えが受け入れられたようで、私には感慨ひとしおであった。
 本書はこのシリーズの二冊目になる。(中略)私は古いノートをとり出しては、かつて聞いた歴史上の人物たちの証言が今はどのように受け止められるかを考えてみたかった。言うまでもなく、彼らの人物像を通して、日本の近現代史の流れを確認したかったのである。」(本書あとがきより)


【本書の構成】

第一章 三島由紀夫は「自裁死」で何を訴えたのか
第二章 近衛文麿はなぜGHQに切り捨てられたのか
第三章 「農本主義者」橘孝三郎はなぜ五・一五事件に参加したのか
第四章 野村吉三郎は「真珠湾騙し討ち」の犯人だったのか
第五章 田中角栄は「自覚せざる社会主義者」だったのか
第六章 伊藤昌哉はなぜ「角栄嫌い」だったのか
第七章 後藤田正晴は「護憲」に何を託したのか

感想・レビュー・書評

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  • 「昭和の怪物」シリーズ第二弾。今回は、三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人。
    中でも駐米大使で、真珠湾攻撃のだまし討ちの責任者となった野村吉三郎(武官時代、ハーバード大学でルーズベルト大統領と同窓だった)についての考察が面白かった。宣戦通告電報の遅延という凡ミスの原因は、大使館内の人間関係の悪さ、事務連絡の不手際、開戦前の緊張感不足が重なり合った結果だった。そもそも参謀本部は奇襲攻撃の事前通告に反対しており、外務省はそれに協力させられたが、その経緯が駐米大使には知らされていなかったという点で、本来の責任は、米国課長の加瀬俊一、参謀本部の戸村盛雄と瀬島龍三にあるとの説が説得力あり。とはいえ、米国では既に日本の暗号は解読されており、奇襲攻撃だと思わされていたのは日本だけという間抜けぶり。
    宏池会事務局長も務めた伊藤昌哉の章では、「日本の道を誤らせるのは、人間を生身で見ることのない連中に政権を託すことだ」「日本の政治が成り行き主義に陥り、明確な戦略無き国家の悲劇が戦前も戦後も続いている」「小資源国である日本が生きるには、科学技術を活かすこと、政治家の能力を高めることでしかない」との卓見も。
    一本筋の通った護憲派政治家、後藤田正晴は、既に自民党の政治家レベルに愛想を尽かしていた。政治改革に鈍感で、派閥意識でしかものをみないから。もう30年以上前の言葉だが、自民党の政治家はあの頃よりもさらに劣化してしまったようだ。

  • シリーズ第2弾。
    昭和のキーパーソンを7人取り上げて、その人物評、エピソードをまとめたもの。
    今回取り上げられているのは以下の7人。
    1.三島由紀夫
    2.近衛文麿
    3.橘孝三郎
    4.野村吉三郎
    5.田中角栄
    6.伊藤昌哉
    7.後藤田正晴
    7人中3人知らない、だと…!
    無知をさらけ出してしまいました。
    か、かろうじて半分以上は分かるからセーフ?

    いちばん興味深く読んだのは田中角栄でした。
    高校では日本史主選択だったんだけど、近現代史ってだいたい時間なくってさらっとになるよね。
    だから田中角栄といえば、「今太閤、日本列島改造論、ロッキード事件」ぐらいの上っ面しか知らなくて。
    改めて良くも悪くも影響力のすごい人だなあと。

  • 三島由紀夫、田中角栄、後藤田正晴といった、政治家や政治思想に縁深い昭和の人物七人を取りあげている。本人に直接だったり、関係者への丹念な取材と人脈を生かして七人の人物像を掘り下げる。

    それぞれの見方によって人の評価も大きく変わる。七人全員ではないが、この時代の大物達は一言で表すなら「清濁併せ呑む」の印象が残る。

    特に田中角栄の章はわかりやすく、面白かった。田中は庶民の欲望をよく理解していて、そして庶民の側は金権まみれが糾弾されると自身の欲望の肥大化を恥じて田中を批判した、というくだりは日本人の国民性をよく表現している。

  • ●三島由紀夫。三島事件の2年後の昭和47年に、館の会の会員たちが一水会を結成した。三島精神を継承しようと言う思いだったそうだ。
    ●橘孝三郎。農本主義。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/729302

  • 三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴。

    戦中戦後のキーパーソン7人。

    知らない人も数名いたが、すべての人物に少なかれ興味を持つことができた。
    三島と光クラブ事件の関係性など知らない逸話も。

  • 三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉三郎・田中角栄・伊藤昌哉・後藤田正晴という6人の人物について書いた一冊。

    評価が分かれるこれらの人に対して、著者なりに分析しているのは理解できた。

  • 昭和を代表する7人のエピソードが書かれた本。『昭和の怪物 七つの謎』の第2弾。

    本作は三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人を取り上げています。

    田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の3人について書かれた後半は、昭和後期の政治史や政治家とは何かを知る上で必読だと思います。

    後藤田正晴が今の政治状況を見たら、腰を抜かすぐらいあきれるだろうなぁと、本書を読んで思いました。

  • 取材を重ねた上での近衛文麿や田中角栄の政治家としての評価が参考になる。

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著者プロフィール

1939年生まれ。同志社大学卒業。ノンフィクション作家。とくに昭和期の軍事主導体制についての論考が多い。

「2022年 『時代の反逆者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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