「超」入門 相対性理論 アインシュタインは何を考えたのか (ブルーバックス)
- 講談社 (2019年2月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065149089
感想・レビュー・書評
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誰だか忘れてしまったが本書をすすめていた物理学者がいた。アインシュタインの「特殊相対性理論」および「一般相対性理論」の入門書。
各章をざっと要約するとこんな感じ。
1.「相対性」の導入
2.光速度不変の原理(光を光速で追いかけたとしても光の速度は30万km/s、というやつ)
3.特殊相対論に重力を組み込む。一般相対論へ
4.光は離散的(とびとび)に振る舞う。光量子仮説。
5.光円錐。相対論を視覚的にとらえる。
6.ウラシマ効果と双子のパラドクス。重力と、時間の遅れ。
7.E=mc^2 登場。
8.曲面の幾何学。歪んだ空間に沿って曲がる光。
9.ブラックホールとは。
10,膨張宇宙。「宇宙項」はアインシュタインの誤り!?
11.科学哲学的な、なにか。
各章の冒頭には短いマンガが付いてくる。
喩えが面白いし、アインシュタイン方程式をじっさいに導き出す簡単な計算あり、また実際に数値を代入してみて、どれくらいの質量がどれくらいのエネルギーへと変換されるのかを検証するくだりあり。
(相対性理論に関心のある中高生には超おすすめだと思う。文字式の変形とかピラゴラスの定理あたりまで知っていればかなり楽しめるんじゃなかろうか。)
相対性理論の入門書を読むたびに、なんか心が震える。例えば光速度不変の定理とか、知れて生きててよかったとさえ思う。
本書で個人的にもっともアツかったのは、アインシュタインが量子力学に対して終生とった否定的態度が、ニールス・ボーアなどを刺激し、結果、量子力学の研究が大きく前進したという話。なんだろう、誠実に全力で否定的、というところに胸が熱くなるのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示