- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065149294
作品紹介・あらすじ
元号が変わる新しい時代の幕開け。参議院選挙、消費増税、憲法改正……安倍政権はいつまで続き、その掲げる政策の行方はどうなる? 株価と賃金・景気実感の乖離のなか、真のデフレ脱却は本当にできるのか? アメリカ、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、時々刻々流動する外交のパワーバランスの中で日本は真のアクターと言えるのか? 待望論久しい小泉進次郎が総理大臣になれるのはいつ? 新聞・テレビ・ネットでは、保守とリベラル入り乱れ、政治経済の「予想屋」が跋扈する。社会のことをちゃんと知りたいと思いながら、何を信じ、どう学べばいいかわからないという人必読の、政治と経済の最新ルール。「日本の政治は参院選で決まる」「改憲はカレンダー的に不可能」「安倍首相の仕事はお札を刷ること」「米大統領は世界最弱の権力者」「増税は財務官僚のバブルへの怨念」etc. 「そんなの初耳」というあなた! この一冊さえ読めば、日々のニュースを眺める視界がすっきり開けます!
感想・レビュー・書評
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2時間では絶対に読み切れない濃い内容である。
まず、東アジア情勢だが、実は日中韓北朝鮮、全員が、誰も第二次朝鮮戦争のような自体を望んでおらず、脅しあいつつも、現状維持を望んでいると分析している。
孫子の兵法が、紀元前中国の「戦国時代」という同一文化内で抗争が展開されている状況では意味があるが、異文化の相手には通用しないというエドワード・ルトラックの指摘があり、中国は内部の統制のことばかりであり、外敵との戦いには弱いことを指摘している。
そして、外交において重要なのは3つある。この3つが分析と論理のツールとなる。
1つは「味方と敵を間違えるな」の原則をしっかり守ること。敵を味方と思ったり、味方を敵と思ったりするような、デマや余計な知識に惑わされずに、国際情勢と国際政治学に基づいて、しっかり味方と敵を間違えずに、外交を積み重ねていくことの大事さを述べている。第二次大戦前、日英同盟を失ってしまったことは、二度と繰り返してはならにのである。
また2つは「日頃の行動はすべてカモフラージュ。いざというときの行動が全て」という。つまり、ある危機が起こった時、それぞれの国がどう動いてくれたのか。その動きが重要で、たとえばウクライナが侵略されたとき、ドイツとアメリカの対応の差をみれば、いったい何がどの国が大事であるのか、よくわかる。ロシアは実は~とか、ウクライナは悪で~とか、メディアは偏っていて~は、床屋談義といって、まったく無味無臭無意味の憶測の、どこかの誰かが流した字幕付きイデオロギー映像を信じてしまっている情報弱者の右往左往に過ぎず、もっとも重要なのは「実際」に、助けてくれたのはどこなのかということ。恐ろしく腐敗した組織であろうがなんであろうが、助けてくれたのはどこなのか? このシンプルイズベストの原理原則がぶれないことが大事だ。どういう風に動いてくれたのか。その「いざ」という時の「実績」をしっかりと見ることである。口先で良いことは言っていても、「いざ」という時にドイツはどうだったのか? ヨーロッパはどうだったのか? 冷静に考えなければならない。
それに付随して、3つ目は「「隣国の隣国」の状況や対応を見るべし」という。つまり、日本は島国なので、やっぱりちょっと遅れて攻められたりするのだ。なので、隣国の強国の隣国の「弱小国」がどのようにぶっ叩かれたり、侵略されたり、ひどい目にあっているか。そのためにどうしていれば良かったか。「隣国の隣国」の悲惨な目をみて、その対応の準備を自国に応用すべきだと提案されている。そんなもの、会社であろうが、学校であろうが、家族であろうが、社会であろうが、実は当たり前のことばかり述べているのであって、誰かがひどい目にあっていたら、ああはならないように準備するのは常識である。しかし、あらためてその原理原則がしっかり述べられているのが本著である。
また、日本の実質的支配者は、財務省主計局であり、日本の帝王は財務事務次官であるという指摘が面白かった。法制局長官はローマ教皇であるという。つまり真の三権とは「立法=法制局、行政=財務省主計局、司法=検察庁」である。
この構図を日本でもっとも分かっていたのが安倍首相であり、安倍首相は官僚と駆け引きし続けていたと著者は述べている。
その安倍首相がどうなり、マスコミや知識人(とそれに承認されたい人たち)がどういう反応をしたのかは、推して知るべしだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
派閥の仕組みなど、わかっているようなまるでわかっていないような話が大変わかりやすく解説されていたので、私のとっちらかった脳みそが幾分マシな状態に整理整頓されました。
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憲政史家の倉山満による、現代日本の政治経済について。
政治の話はわかりやすいものの、経済の話になるといつも素直に首肯できないのは、自分の知識量の問題なのか? -
デフレは悪。
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こういう系の本は読んだことなかったのですが読みやすかったです。
参議院選挙の重要性や国・政治の定期的なイベントから突発的な事象を想像するといった勉強になる点が幾つもありました。
この本がと言うよりも、こういった本を読む時は、著者の主張と推測と事実を切り分けながら読まないと偏った知識になるんだろうなと。
本当に使える知識にするためには、他の人が書いた同じようなテーマの本も読んで客観的に見比べるところまでやらないとダメなんだろうなと思いました。
次は池上さんかな? -
倉山満の、他の本にも書かれている主張を、簡単にまとめたような感じ。
安倍内閣が強い理由、政治に大事なカレンダー、世界を知るのに不可欠な地政学、なぜか日本を潰そうとするとしか思えない一部の方々。
政治家も官僚も、国のためを考えているのでなく、保身、利権を最優先させていて、故に日本が壊れて行ってるのがよくわかる。 -
やはり倉山満は面白い。
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日本の政治を左右するファクターの説明。カレンダーや日銀で決まる、云々と言う説明。評論家やジャーナリストが憲法改正は(2019年は)あり得ない(やる時間がない)とか言う理由や背景が分かるし、自分で応用できたら政治ウォッチが楽しくなるかも。
他に、国際情勢、参議院選挙、官僚によって決定されている旨。
倉山先生に説明されるとよく分かった気になるけど、自分でその説明を再生できないところがまだまだ。。。 -
言い回しが読みづらいのです「が」。
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エドワード・ルトワック 孫子の兵法は 異文化の相手には通用しない
ウェゲティウス 平和を欲するなら戦争に備えよ
インフレ ものよりお金の量が多い時。お金がたくさんあるから、お金の勝ちが下がり、相対的に商品の価値があがる。これが行き過ぎると物不足になる。
デフレ モノをたくさん作っているのに流通している桶の量が少ない。ということは、汗水たらして働いた商品の価値が下がって、所詮は紙切れのお札の価値が高まる
インフレ マイルドインフレと悪性インフレがある
良いデフレはない
著者プロフィール
倉山満の作品





