子どもを守るために知っておきたいこと 各分野の専門家が伝える (星海社新書 148)
- 星海社 (2019年3月27日発売)


- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784065151617
作品紹介・あらすじ
育児、医学、食、教育……子供たちを守るために「正しい知識と考え方」を身につけよう。13人の専門家たちによる名著、待望の新書化
感想・レビュー・書評
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タイトルから、子どもの安全健康を守るための知恵を授けてくれる本かなと思ったら、エセ科学告発本だった。
求めているものと違ったので、流し読み。
例えば
第1章育児
自然分娩が一番いいの?
母乳じゃないとダメ?
体罰って必要でしょうか?
ホメオパシーをすすめられました
紙オムツやナプキンは有害?
こういう内容で、医学、食、教育、と章が続きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
科学の大切さ、積み重ねを理解できる本。そして、全国民必読本と言いたくなるほど、コンパクトに、ベーシックにできている。
あの地震のとき、日本の闇の組織がこの地震を起こしたと本気で言っている友達がいた。もちろん否定しまくって、なだめて、なんとか落ち着いてくれた。
守る、と、不安、は表裏一体だ。不安だから、それを穢れとして、一切近付けず、一切を否定する。そして、何かしら不明確なものが登場し、それが一挙解決してくれると思う。この、「不安を解消してくれる秘密の一挙解決」との戦いが、科学であると思う。
自然分娩じゃなければ、母親ではないのか、痛みをともわなければ、愛はないのではないかという不安。母乳でないと子どもはおかしくなるんじゃないかという不安。体罰をしないと、ちゃんと育たないんじゃないかという不安。現代文明の力を振り絞って開発されたものを使用すると、現代文明におかされて、人体に悪影響が与えられ、今こそ縄文時代のような世界に還らなければいけないのではないかという不安。薬によって、人間は抵抗力を失っているのではないか、今こそ人間の自然治癒力を復活させるべきだという不安と一挙解決。
安全性を科学的に積み上げてきたものを全否定することだが、正直、「自然の世界のほうが毒物まみれである」ことは痛快な指摘だ。自然と戦い、人々は恐ろしいほど自然によって殺されてきた。弱い者は容赦なく死んでいく。それを救うために、科学は多大な貢献をし続けている。
巨大地震が起きても、それを科学で乗り越えていかないといけない。そうでないと、残るのは、穢れのようにその土地を封印してしまい、なかったことにしてしまうことだ。まず悲惨ありき、もしくは賞賛ありきでものを見るのは、土地にも歴史にも文学作品にも、やらかしてしまうことだ。
何をなかったことにしようとしているか。不安とは何なのか。不安とは、または陰謀といってもいい、それは、「一挙解決の欲望」の裏返しである。それは、地味な積み重ねを一掃する、恐るべきものだ。それを本著から学ぶことができる。良い本だと思う。
「電子音楽は耳に悪い。太鼓や弦楽器など、生の音が人間の耳を良くしていく。」
とか、私自身も、いくらでもそういうロジックを作り出して、人々を不安にする流言を作り出すことはできる。言葉とは不思議なもので、どんなものも、どんな風にでも理屈つけることができるのだ。それは科学・反科学、もしくは右翼・左翼、保守・リベラル関係ない。それぞれが理屈をつけて、鏡のような世界に生きている。そのなかで、科学の積み重ねは、自分をうつしだす鏡そのものの成分を分析し、鏡は鏡であるという。
私は、例えば、二宮金次郎は、格物致知のページをめくりながら、そう考えていただろうし、銅像を建てた人間も、そういう場を教育としてほしいと願っていただろうと思う。
科学とは、もしくは教養とは、「不安を解消してくれる秘密の一挙解決」と戦うことである、と定義できそうだ。 -
育児・医学・食・教育の4つの分野で、それぞれの専門家が迷信・噂の類を否定していく本。ただ、取り上げている噂が「そういう人もいるけど、そんなわけない」と一般的にも知れ渡っている内容のものが多く、新しい発見はほぼない。■母乳育児については、思っていた以上にメリットが多くてびっくりした。もちろん人工ミルクでも大丈夫です、とは書かれているけど、絶対ではないにせよ、母乳は優秀だなぁと。■教育については、いま流行りの幼児教育などを取り上げることもなく、聞いたこともない偏った考え方について否定するだけで、「トンデモ本」でしかない。■全体的に「子どもを守るために~」と題しているわりには、ニセ科学の否定に終始して、何が必要なのかという建設的な話がほとんどないところが不満。
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母乳が母子共に良い影響があることを医学的に知ることができた。
ワクチン、薬、フッ素、発達障害、残留農薬、食品添加物、、、それぞれの章がわかりやすく根拠や数字をもって説明されているので、理解しやすかった。今後それらと出くわす場面があった際に、思い出して参考にしていこうと思った。 -
2023/06/04読了
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【私的メモ】
執筆陣と目次構成がほぼ同じ点からみて、『各分野の専門家が伝える――子どもを守るために知っておきたいこと』(内田良ほか[著], メタモル出版, 2016年07月25日刊)の再刊だろうか。
→(https://booklog.jp/item/1/4895958981)
ただし、講談社Book倶楽部には、そんな断り書きは記載されていなかったが。
【書誌情報】
発売日 2019年03月27日
価格 定価 : 本体1,000円(税別)
ISBN 978-4-06-515161-7
通巻番号 148
判型 新書
ページ数 240ページ
シリーズ 星海社新書
〈https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000321152〉
【簡易目次】
第1章 育児(自然分娩が一番いいの?;母乳じゃないとダメ? ほか)
第2章 医学(薬は飲ませないほうがいい?;ワクチンは毒だと聞きました ほか)
第3章 食(砂糖や牛乳はよくないの?;玄米菜食が一番いいって本当? ほか)
第4章 教育(「誕生学」でいのちの大切さがわかる?;「2分の1成人式」は素晴らしい? ほか)
番外編(放射能って大丈夫なの?;「EM」って環境にも体にもいい?) -
読んで驚いたが、世の中こんなにまで偽科学が出回っているのですね。
ホメオパシーというものがあるそうです。
要は偽医療です。この本には書いてありませんでしたが、プラシーボ効果です。
飴玉を効果のある薬だと渡されて服用したら病気が治ったっていうのと同じ。
日本ホメオパシー医学会のページに認定医・専門医リストというものがありました。
素人でも偽医療だとわかるものを医者がやっているということで、そのリストにある医者には掛からない方が良いでしょうね。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/475317484.html -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00593350
子どもたちを守るために、「知の防壁」を身につけよう
子育ては、人生の一大事業であり、社会にとっても重要なことがらです。しかし、「我が子を大切に育てるために、どうするのが最善なのだろう」と悩んだ末に、ネットや口コミで流れる怪しげな情報にすがり「よかれと思って」それを推進すると、結果的に子どもたちを不幸にしてしまいます。親、そしてすべての大人たちに必要なものは、根拠のない情報を鵜呑みにしない「知の防壁」、つまり「正しい知識」と「論理的思考能力」です。本書では、各分野の専門家たちが育児・医学・食・教育などの分野にわたり世に流布するデマを論理的に糺し、正しい知識を提供します。本書を座右に、子どもたちを守るためのスキルを身につけていきましょう。
(出版社HPより) -
●リテラシーが必要なのは、医学だけでなく、育児・食・教育など何事でも同じです。基本的な知識や論理的思考がないと、胡散臭いビジネスやカルト的な団体のカモになってしまうことがあります。
●ホメオパシーは危険?
●経皮毒、皮膚や粘膜から毒を吸収するという嘘
●汗をかけば熱が下がると思って、たくさん服を着せて温めたりする人がいますか、これは不要。治ったから汗が出て熱が下がるのであって、汗をかけば治るわけではありません。
●どうして玄米菜食で免疫力が上がると言う話に信憑性を感じる人が多いのでしょうか。子供は成長するとだんだん風邪をひかない丈夫な体になっていくものです。自然の成長を、玄米菜食の効果だと誤解してしまうでしょう。
●「江戸しぐさ」は、江戸時代から伝わってものでも、実際の文化研究から復元されたものでもありません。芝三光が現代における人間観察の成果を江戸時代に仮託して作り上げたマナーでした。
●雪の形は温度と空気中の水蒸気の量によって変わると言うこと。だから、空から降ってきた雪の結晶の形を見ると、その雪ができたときの雲の中の様子が分かります。「水からの手紙」の結晶も同じです。
著者プロフィール
宋美玄の作品





