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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065151792

作品紹介・あらすじ

麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る“季節の名前”。
古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。

二十四節気、七十二候
萌え出ずる春、青々と爽やかな夏、紅葉に染まる秋、しんと静まった冬――。四つの季節をそれぞれ六等分した“二十四節気”は、春の兆しが現れる立春、次第に夏めく立夏、夜が最も長い冬至などを示す。
それをさらに三等分した“七十二候”。暖かな雨が降り注ぎ大地が潤う「土脉潤起(どみゃくうるおいおこる)」、蛍が姿を現し始める「腐草蛍為(ふそうほたるとなる)」など、その時期に起こる出来事をそのまま名前にした。
移ろいゆく季節にここまで細やかに、そして美しい名前をつけた古(いにしえ)の人々。旧暦の魅力を、掌に収まるような十二篇の小さな物語を通して、感じてみませんか。


麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る“季節の名前”。古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 季節にまつわるお話を集めた短編集。
    ほっと一息つけるような、一瞬一瞬を大切にしたいと思えるようなお話。

    1年を24等分した二十四節気、より細かく分けた七十二候…。
    暦をこんなに細かく、そして一つ一つに名称があるとは、恥ずかしながら知りませんでした。
    七十二候は少し変わった暦名で「鶯鳴く(うぐいすなく)」「桜始開(さくらはじめてひらく)」というように、自然の表情をそのまま季節の呼び名にしているようです。桃のつぼみがほころび、花が咲き始める三月十一日から十五日を表す「桃始笑(ももはじめてわらう)」が1番可愛いと思いました笑

    個人的に印象に残った作品は

    ・(立春)東風解凍_花村萬月
    ・(啓蟄)桃始笑_津村節子
    ・(穀雨)牡丹華_橋本治

    特に、花村萬月さんの表現には鳥肌立ちました。普通に目を向けただけでは気にもとめないような光の動き、静止物が生きているかのように見えるような表現、何の変哲もない日常が文章の描き方によってこんなにも別世界になるのか、と衝撃を受けた作品でした。自分の気分によって(イラついていたり落ち込んでいる時は特に)、見える景色の捉え方が変わる感じも、大共感です笑

    解説の、二十四節気七十二候について、も良かったです。季節の名前なんて、細くわけなくても生活していけます。でも、時の流れに丁寧に名前を付けることで、自分が過ごしている「今」という時間や自分が満ち足りた状態でいることを実感できるという点では、忙しく、代わり映えのない日常に、かけがえのなさやちょっとした喜びをもたらしてくれるのでは無いかなと、感じました。
    自分で「今日」という日に名前を付けていくのも面白そうですね。

  • 12人の作家さんが旧暦の七十二候をテーマに執筆した小説集。春夏編。
    気になる作家さんが書いているので読んでみたかったのです。それに12人! 豪華執筆陣。装丁も綺麗ね。季節を表す言葉、日々の生活で変化を感じたこと、素敵で、自分の生活も日々に流されるだけでなく、自然の声に目を向けたくなりました。それぞれ短いですが、作家さんの色が出ていて楽しめました…際立っていたのは村田沙耶香さん、好み的には前半の方。

  • トップバッターの 瀬戸内先生のが 一番俗っぽかったな と思うほど 瀬戸内先生 相変わらず かわいらしい人を書くんですね ほぼほぼ 幻想的で不思議な短編 ちょっと読むには 分かりにくいものもある 芥川賞作家が多いからでしょうか

  • いろんな作家さんのお話が読めて楽しめました。

  • リラックスして読める内容かと思ったら、全ての話がそうではなかった。
    後味悪いのもあり、好みの話しもあり。

  • 瀬戸内寂聴と長嶋有だけ読んだ

  • 二十四節気をさらに三等分した七十二候をもとに、年末から夏にかけて、それぞれ人気作家がつづる短編集。
    季節がテーマで、純文学系の作家が中心ということで、その表現を楽しむ小説であることは間違いない。
    でも、その反面、連想で思考があちこちに飛んでしまうので、集中できないのも確か。
    寂聴氏の作品を初めて読んだが、住職っぽくなく驚いた。もうすぐ100才。

  • 装丁と企画にやられて、季節ごとに読み進めた。

  • 24節気を3等分した72候があることを知って、日本には季節を細かく愛でる文化があったのだと再認識した.その季節感を念頭に置いて、著名な作家が短編を綴るという贅沢な本だが今回は春夏を読んだ.村田喜代子の雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)が面白かった.戦前の裕福な家庭に育った姉妹だが、それぞれにねえやがいて、様々な世話をするという、今では考えられない家庭内のやり取りが出てくる.あんな時代があったことは、映画や小説の中でしか接することはできないが、この姉妹の会話からその情景が想像できることが新しい発見をしたような感じだった.

  • 季節の生江を表す二十四節気七十二候のうち春から夏の十二の候を題にして、十二人の作家の掌編集。
    七十二候のとらえかたが様々で、面白い。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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