インハンド プロローグ1 ネメシスの杖 (イブニングKC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 57
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065153437

作品紹介・あらすじ

医療事故調査を行う行政機関「患者安全委員会調査室」。調査員・阿里 玲のもとに、ある内部告発文書が届く。 「台田総合病院はシャーガス病に罹患した患者を隠蔽している」調査のため病院へ向かう阿里だが、そこには想像以上の悲劇が待ち受けていた……!人間と組織に巣食う「闇」に対峙する、本格医療ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • スピード感のある展開で面白かった。

  • ドラマ化のおかげで復刊!変人にして天才寄生虫研究者・紐倉と厚労省・阿里コンビの医療ミステリー。インハンドシリーズの第一作であり、この時点では阿里が主人公で、紐倉は相棒的ポジションなのが新鮮。

    南米で猛威を振るう伝染病・シャーガス病。その患者がいるのに届け出をしていないという匿名の通報を受け、厚労省の阿里は調査を始める。単なる医療事故ではなく、調べるほどに闇と謎が深まっていく展開がスリリング。隠蔽しようとする厚労省の上層部との戦いも見どころ。

    そして、医療ミステリーとしての面白さに加えて、この物語で描かれる人間の本質は考えさせられる。処罰感情や厳罰化については今の時代では特にテーマとして響くところだと感じる。序盤の「みんなミスした人間を罰してスッキリしたいだけなんですから」という一言は重い。罰しようとすればするほど、問題は隠されて対策が取りにくくなる。人間はミスをする存在なのに、人は人を責めて終わりにしようとする。それが回りまわって自分の首を絞めるとも気づかずに。「人間の本質的な愚かさに罰を与えても悲劇は防げません」って言葉が好き。これはずっと心に留めておきたい一言。

    紐倉の「僕らは感情の奴隷だ 僕も 君ですら でも…それだけじゃダメなんだ」って言葉も素敵だった。人間は感情と理想の間を生きている。感情だけでも、理想だけでも上手くはいかない。その間で悩みと戦いを繰り返すことが進歩していくことなんだろうね。松山の言葉も印象深い。
    「君の理想はちょっとばかし高すぎるんだよ これくらいの反発は当然 もしかしたら君の生きてるうちには何も実現できないかもしれないよ でも それが何だってんだ 君は実現できそうだから今の仕事してるワケじゃないだろ」
    目が覚める一言だよね。できるかどうかじゃなく、自分の信念のために仕事をする大切さ。
    医療ミステリーの中に人間というテーマを丁寧に織り込んであって、とても読み応えがある一冊。

  • ドラマ化して話題になってたので読んでみた
    そしたらあ~た!めちゃくちゃ私が好き系で大コーフン!

    病院と患者のトラブルや事故を調査する厚生省患者安全委員会。
    調査員の阿里は「病院がシャーガス病を隠している」という匿名のタレコミをもとに調査を始めるが…
    隠された事件と真実とは…

    シャーガス病!お~まさかの感染症がクローズアップされていてびっくり!
    さらに東洋線虫!ひ~メマトイって!

    すごくマニアックでステキすぎる~

    内容もホントにおもしろかった!
    2巻も読む~!

  • 1冊まるごとシャーガス病のお話。
    ドラマを見てから読み始めたので、牧野さんや高家くんはいないの!?阿里さんって誰!?と思ってました。
    でも最後まで読んで、一生懸命に悪に立ち向かう阿里さんをすごく好きになってました。
    次巻から阿里さんが出なくて寂しい。

  • まるまる1冊かけての解決。よかった、2巻に続くとかでなく。しかし、感染症ってのは怖いね。潜伏期間の長さにもよるけど、いつ、何が原因かがわからないと国内で周知されてないやつだったら、治療法ないのでは?とかいろんなこと考えたのは今年に入って病院ばっかり行ってるからかな。

  • 面白かったー。ドラマはここから始まってるんだね。ドラマも好き。

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著者プロフィール

2010年、アフタヌーン四季賞冬のコンテストにて、準入選を受賞。
「アフタヌーン」にて2013年『ネメシスの杖』を、2016年『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』を連載。
医療サスペンスの新たな描き手として注目を集めている。


「2019年 『インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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