- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065153758
作品紹介・あらすじ
かつての江戸、そして現在の東京にみられるさまざまな庶民信仰・民間信仰の具体的な実情を、民俗学の立場から調査・集成。民間信仰や呪術の息づく世界は、山深い農村ばかりではない。現代の大都市の中心部においてさえ、その土俗的世界の展開するさまをみることができる。むしろ、都市こそは人々の願望が濃い密度で渦巻き、そこに集約された願望成就のエネルギーは農山村以上に多彩な民間信仰を生み出している。たとえば「ギャンブル必勝」「クイズ番組入賞」「離婚成就」「航空安全」など、多様な願望が信仰に結びついているのだ。
取り上げる民間信仰は、小石川の牛天神境内にまつられた貧乏神の伝承、東京各地に出回ったさまざまな「宝船絵」、浅草と新宿の「カンカン地蔵」、板橋宿の縁切榎、豪徳寺の招き猫伝説、関東の稲荷総社ながらつつましい佇まいの湯島・妻恋神社、「いもあらい」の地名と一口坂の関係、下谷・虎ノ門・新橋・羽田など都内に11か所を数える「飛行機の神・仏」・・・などなど。
調査にあたっては、随筆や地誌、寺社に伝わる古文書や縁起などの記述資料はもちろん、寺社の住職や宮司、氏子信徒や檀家の古老、地元の旧家などへの聞き取り取材を丹念に行い、おもに1970年代から80年代の東京の口碑記録としても、貴重な一書となっている。
〔原本:1996年11月、三弥井書店刊〕
感想・レビュー・書評
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自分が通勤途中で普段よく目にしている地名や神社などのいわれを初めて知り、そうだったのか!と思うことがたびたびあった。東京出身ではない自分が知らなかったのは仕方ない…と思う一方で、では自分の出身地のことだったら知っているのか?と自問してみると答えは否だなぁ、と…。今度、とりあえず親に聞いてみようか。身近なスポットの理解が深まるのは面白いことなのだ、読み終えてそう思った。
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