空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2019年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784065154137

作品紹介・あらすじ

三十間近な日比野隆道和尚が高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に、泣きぼくろが印象的な美女が行き倒れ!? 着の身着のまま「夫から逃げてきた」という千尋と日比野兄妹の暫定的三人暮らしが始まる。進路問題に悩むゆかり、真意の見えない千尋、思い出せない記憶を辿る隆道。「縁」の力は三人を救えるのか? 

あたしにとって、お寺は家だ。
お釈迦さんの説いた教えは今一つピンとこなくても、お父さんや、歳の離れた兄ちゃんが頑張って守り、顔なじみのお檀家さんが優しい顔でお参りに来てくれるお寺は、あたしには一番大事な場所だ。
──そんな、あたしの大好きなお寺に、あたしの「大っ嫌い」な、あの女はやってきたのだ。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 読後感はなんだか爽やかで良い。
    謎の美女が誰かはわかった。
    ラストに彼女の弁明タイムがあっても良かったんじゃないかなぁと思う。

    2025/10/07読了

  • 日頃宗教には無縁ながら、講談社さんのTwitter紹介文で引っ掛かり購入。
    お坊さんだって、只の人。
    身近な人を亡くす経験は、何年経ったとしても何処かに深く刺さったままで。
    傷が癒えるとかそういう問題でなく、いつまでもそこにいる。
    それで良いと思えるようになるか、ならないか、だと思っている。
    仏教の言葉がサブタイトルと共に挿入され、作中和尚さんの言葉として散りばめられ、少しだけ考え方を学んだ。
    円く繋がる全ての物事に「世界は美しい」と死ぬ前に思える生き方。

  • 応援している作家なので,(単行本に続き)文庫も購入.
    単行本を読んでから5年くらいたっていたからか,記憶が岡崎琢磨先生の双子探偵とちょっと混じっていたかも.
    美人のおねーさんを拾って云々という話なんだけど,仏教的な考えにも触れることができて,なかなか興味深い.
    ゆかりちゃん,美人の顔をパンパンにしてはいけません.

    靖子靖史先生,お寺のお勤めで忙しいでしょうが,次回作期待しています.

  • 僕たちは、生きているから、いつか死ぬ。現役のお坊さんによる〈救われる〉青春小説。

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著者プロフィール

1987年鳥取県生まれ。早稲田大学、駒澤大学大学院卒業。宗立専門僧堂、岡山県洞松寺にて安居。曹洞宗研鑽僧として渡欧し、オランダの禅川寺、フランスの観照寺、龍門寺を行脚。2012年『そよかぜキャットナップ』で第10回講談社BOX新人賞Talents賞でデビュー。他の著書に『ハイライトブルーと少女』がある。清新で軽快な文体とミステリ的手法を駆使して綴る青春奇譚で注目を集める新鋭作家のひとり。

「2019年 『空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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