ゴミ清掃員の日常

  • 講談社
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本棚登録 : 927
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065156728

作品紹介・あらすじ

『ゴミ清掃員の日常』と題し、ゴミ清掃にまつわるさまざまな話題を独自の視点で描いたマンガをTwitterにアップし、バズりにバズる。
マンガ『ゴミ清掃員の日常』は滝沢がネームを、滝沢の妻が作画を担当する。マンガはどちらも素人による夫婦共作。掲載は「コミックDAYS」「マガポケ」「Palcy」といった漫画アプリ3つに加え「現代ビジネス」の講談社の4媒体で同時連載という異例のかたちになっている。

各媒体編集長からコメント

◆コミックDAYS編集長
お笑いで栄光を掴めなくても、ゴミ清掃員としてこんなに注目される。
仕事で大変な目にあっても、妻さんがこんなに面白い漫画にしてくれる。
人生捨てたもんじゃないっすね。勇気もらいました、ありがとうございます。

◆現代ビジネス編集長
「誰も見たことのない世界を読者に提示する」ことがノンフィクションの役割であるなら、「ゴミ収集の世界」を描いた本作は、極めて優れたノンフィクション作品だ。
われわれが「ゴミ」とひと言で片付けてしまうそれらの物体の裏側に、かくも芳醇な(そして時に甘酸っぱい)物語があることを、本作を通じてぜひ感じてほしい。

◆Palcy編集長
売れているマンガで面白くないマンガはない。でも売れていないマンガにも面白いマンガはいっぱいある。芸人さんも、売れている芸人さんはみんな面白いけれど、無名の芸人さんにも面白い人はいっぱいいる。マンガも芸も創作物すべてにゴミはありません。この作品はゴミをについての漫画です。何をゴミにするのか、ゴミの中から宝物を見つけるのか、はあなた次第。Palcyの読者に、未来のヒットをいち早く伝えられるのは、とても幸せです。この漫画は、日常から、仲間から、そして大切な家族から、人生という宝物を見つける「愛の物語」です。絶対最後まで読んでほしいマンガです!

◆マガポケ編集長
どんな人にも日常はあって、どんな日常にも楽しみや発見はある。けど、それを他人に伝えることは、実はけっこう難しい。
表現者として過ごした滝沢さんの20年間がこの漫画の面白さを支えているのは間違いなくて、何よりもその事実に勇気づけられました。

感想・レビュー・書評

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  • お笑い芸人・滝沢秀一氏の、ゴミ清掃員としての日常が描かれた、漫画作品の第一弾。初めて描かれた漫画だからか、以前読んだものにくらべると、"ゴミの解説"が丁寧に描かれていると思った。ゴミを減らすことも大切だが、できることならなるべく資源として出すようにしたい、と思った。

  • マシンガンズという芸人コンビの滝沢秀一(原作構成)と妻の滝沢友紀(漫画)の共著
    以前アメトーーク屋ワイドナショーで紹介され気になっていた。
    ゴミ清掃員になるいきさつやゴミあるある、家族や周囲の方とのやりとりがイキイキと描かれています。
    担当編集の塩田さんが有吉弘行さんとお会いしたいためにオファーしたといういきさつや漫画初挑戦の友紀さんとの共同でつくり上げた本、隅から隅まで愛情を感じます。
    可燃ごみに不燃ごみが混じった場合、焼却炉の中に不燃物がたまるので手作業で掻き出す作業は200から350万円かかり税金で賄われる、給料日後やイベント後などにゴミが増える周期がある、可燃ゴミにスプレー缶が混じると清掃車が燃える、ちゃんとゴミ袋の紐は縛ってほしい、汚れたペットボトルは可燃ゴミに分けてほしいなど、ためになる知識が満載。
    ゴミで人となりがわかるらしく(年代や嗜好、生活水準など推理できるようです!)、地域の品格や治安なども目安になりそう。

    できるだけ自分の殻をつめこんでごみ収集の日が暮れていく(ベルガモット作)
    私の住んでいる地域は夜回収なんです できるだけゴミは少なくなるよう努めます

  • 芸人だけでは生計が立たず、ゴミ収集業に関わっている筆者について、奥さんが漫画を書いているエッセイ。

    好きな芸事だけで生きていけないということは大変なことなんだなと思う。

    ガンで亡くなった30代働いていた仲間(内山さん)の言葉が印象的
    _____
    「オレ思ったんす 苦しんで闘病する姿より死ぬ前日まで働いている姿を子供には見せたいなって」
    「美しいとか綺麗とか考えている暇あったら、そのスペースを子供のことで埋めたいっすねぇ」
    彼は有言実行した 亡くなる前日までではなかったが 内山さんは亡くなる3日前まで働いたそうだ
    _____

    この本の最後の方の筆者の言葉

    _____
    そうだ 答えは自ずと見えてくる 自分できめつけちゃいけない
    待つんだ 目の前のことを一生懸命こなして 日常に戻る日をとにかく待つんだ まつっことは受け身の選択肢じゃない
    内山さん
    最後まで清掃員として働いたね
    あんたに教えてもらって改めて思うよ
    日常を送ることはとても強いことだね
    すげーな内山さん
    _____

  • ゴミ清掃員として働く滝沢さんの日常をコミックにしたエッセイ。
    絵心があるということでマンガ部分を描くことになったのは、なんと滝沢さんの妻・友紀さん。
    コマが詰まっていてすこし読みにくさはあるけれど、それがかえって、ひとつひとつの話をゆっくり読める要素にもなっている。

    夫の滝沢さんはゴミ清掃員かつ芸人さんなので、この本に笑いを求めて読まれる方もいるかもしれない(ちなみに表紙には滝沢さんが芸人であるという情報はなく、読んでみてはじめてわかる)。
    しかしこの本は笑いよりも、ゴミ清掃員という仕事に誇りを持って働いているひとりの人の日常をかいた本であり、小ネタにクスッとすることはあったけれど、むしろ心がじんわりすることのほうが多かった。
    ゴミ清掃員の方が、どんなところに苦労されていて、どんなところに感動しているのか、またゴミから見える人間模様の観察も、なるほどとおもうことが多かった。

    滝沢さんは他にもゴミについての著書を多数書かれている。
    「文章だと手に取りにくいなあ…」とおもわれていた方は、こちらのコミックエッセイから読まれるとよいかもしれない。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    ゴミを回収してくれる人のことがわかると、もっとちゃんとゴミを出したくなる。
    ゴミの出し方についても本当にタメになる記述ばかりで、例えば油で汚れているPET表記のボトル(PETって書いてあるけど汚れが落ちないのでリサイクルできないから、PETでは出せない!)の捨て方などは、「間違って出してて本当にすいません!!!!!」とおもった。

    どんな仕事もそうだけど、相手は人間。
    わたしは黙って仕事してりゃいいんだよ!という時代は過ぎたとおもっていて、堪えるよりもむしろ、こんな仕事してます!こんなところに困ってます!こんなところにほっこりしてます!というのを、どんどん伝えていったほうがいいんじゃないかなとおもう。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    滝沢さんはTwitterをされていて、ゴミの分別について写真つきでわかりやすいツイートをされているので、よかったらのぞいてみてほしい。
    また前に放送されていた「しくじり先生」にも先生としてご出演されており、そのときに見聞きしたゴミの話が衝撃的だった。
    この放送はとてもわかりやすく、タメになる回だったので、もう小学校の授業で流してほしいくらいだった。
    たまたまその頃、下の娘が学校でゴミについて学んでいるときだったので一緒に放送を見たのだが、娘は見た内容についてノートにまとめていて、学校でクイズにして発表したらしい。

    滝沢さんのおかげで、前よりももっとゴミ分別を意識するようになったし、ラベルをよくみたりわからないと調べたりするようになった。
    すると子どもたちも前よりもラベルを見るようになり、分別間違いが減ってきた。親の背をみて育ってるな(笑)よしよし。

  • 売れないお笑い芸人を続け、妻子も持った。足りない生活費を稼ぐために著者が選んだのは、ゴミ清掃員。いや、そこはお笑いで一攫千金を狙おうよ、って余計なことを言いたくなるけど、人にはそれぞれ、好きなこと、ゆずれないこと、そして生まれ持った才能がある。ゴミ清掃員の稼ぎで妻子を養い、芸人としての成功を夢見ることが著者にとっての幸せであり、それが著者の日常なのだ。

    「これでいいのだ」と断言し、儲からないお笑いライブに出場する著者と、彼を家事で支え、本書のイラストを提供する妻。いろいろな家族があって、いろいろな幸せがあるのだなと思う。

    そんなほっこりする家族ドラマと並行して語られるのが、ゴミに対する豆知識と出会った清掃員仲間たちとのエピソード。普段、適当なゴミ分別への意識に反省し、気にすることがないゴミ清掃員の苦労に感謝するきっかけを与えてくれる。

  • 「このゴミは収集できません ゴミ清掃員が見たあり得ない光景」のマンガ版です。
    内容的にはほぼ同じですが、より気楽に読めます。
    こちらのマンガ版には+αで家族の話がありましたが少し切ない気持ちになりました。
    これらの本が売れて収入が増えたでしょうが、滝沢一家のことだから相変わらず質素に暮らしているのでしょうね。

  • 決まった曜日にゴミを回収してくれる。本当に暑い日も寒い日も、感謝です。ゴミを出すとき気をつけたいなと思いました。


  • 読んで良かった。
    ゴミ清掃員の方の日常て考えたこともなかった。

    分別はしてるけどペットボトルそのまま捨ててたよ!
    包装もはがした方がよいとか、知らなかった…。自分でちゃんと調べてなくて反省したけど、もっと分かりやすい教えてほしいとも思ったなぁ…!

  • 大きな環境問題はたくさんあるけれど、まずは身の回りの小さなゴミのことから一人一人が考えて、行動していかないと、と思わされます。
    危険が伴うお仕事なので、なかなか体験できるものではないと思うけれど、子どもたちに「自分が出したゴミがどうなっていくのか」はしっかり見せて、理解させたいと思いました。
    でも子ども達は意外とわかっていて、年配者の方が食べ切れなかった物や溜め込んだ結果劣化してしまった物を「仕方ないわね〜」とゴミにしてしまってるような気もします。
    誰もがゴミを出さずに生きられない(と思われる)なら、自分の行動を真剣に考えないと。

  • 「焼却炉の中に燃えない不燃ゴミが溜まると火を止めて手作業でかき出す清掃工場もあり、作業を終えて再度火をつけるのに200~350万円かかる」
    そして、それは税金でまかなわれるという…。

    この本には、知っておいた方が良い知識がたくさん。
    ビデオテープが燃えるゴミだとは知らず、びっくりしました。
    実家ではカイロも不燃ゴミではなく、燃えるゴミとして出してしまっていました…。


    女性誌などで環境に優しいサステナブルでオシャレな商品の紹介が増えてきましたが、
    それよりも正しいゴミの出し方や、今ある物を大事にした方が環境に優しいのではないかと思います。

    奥深い本です。

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著者プロフィール

1976年、東京都生まれ。1998年、西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年から芸人を続けながらゴミ収集会社に就職。『このゴミは収集できません』(白夜書房)、『ゴミ清掃員の日常』(講談社)などゴミ収集の体験記を数多く出版。「THE MANZAI」2012,14年認定漫才師。2020年、環境省「サステナビリティ広報大使」に就任。ゴミを減らす活動や、SDGsに関するさまざまなアクションを共有・実践できるオンラインコミュニティ「滝沢ごみクラブ」を開設。

「2023年 『地球と人にちょこっとやさしくなれる365日 アクション!今日も、身近なSDGs!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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