- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065157084
作品紹介・あらすじ
地方在住のリア住が伝える、現代における「伝統仏教」の価値
東京目線で「葬式は不要だから直葬に」とか、「住職も経営者目線を持つべきだ」などと盛んに言われる昨今でございますけれども、関東の一般家庭より出家得度いたしまして30年、そして四国の今のお寺で17年も住職をやっておりますと、理屈的にも現実的にもそういった論には「おかしいな」と思うところが沢山ございます。そこでこの本にて、「住職が普段なにをしているのか」から説き起こし、「こういう時代だからこそ伝統仏教はまだまだ価値がある」というお話をしてまいりたいと思います。2500年の信頼と実績ある伝統仏教は、「お金は穢れたものだ」「水晶玉を買え」なんて申しません。それでは最後まで、ごゆるりとお付き合いください。
感想・レビュー・書評
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実際に四国で真言宗で住職をされている方からみた仏教や生活に関しての記述
ネットで有名な方だけあって
読みやすく、興味を引きやすく、
それでいてなるほどと思わせられる主張がきっちり詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
住職の仕事は何かや檀家との関わりや生業としていかに生活費を稼ぐ事に努力しなければいけないかなどリアルな住職の生活が知れます。また、それ以上に現代における仏教や葬儀などの必要性を説くと同時に仏教会全体の問題点を明治以降の宗教政策の失敗まで遡って語っているなど読み応えのある一冊です。
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日常生活における宗教とはなんぞや、日常生活にとって宗教の役割とはといった事に対して、仏教の住職をやってる人間が、との立場が求められているものや考え方を紹介したり提言したりした本。
仏教が持たれがちな偏見に対して、明らかな間違いはきちんと説明し、間違いに陥りやすいところはきちんと認め、仏教界の今後についての理想希望提言等が、住職が普段どんな生活をしているのかを軸に読みやすい形で書かれている。
著者はややネタよりネット芸人のような色物色が強めな人ではあるけれど、れっきとした現職の住職の、(檀家に身バレしたからか昔の著書と違ってかなりあけっぴろげに)自分の状況をきちんと踏まえたうえでの説法なので一読の価値はあると思う。
宗教との付き合い方は近年薄くなる一方ではあるし、宗教側も傲慢だったり自ら信用を貶めるようなことをしてたりするので、偏見はぬぐい切れないものはあるのだけれど、「こういう時代だからこそ、2500年の信頼と実績のある伝統仏教は価値がある」という主張は本当にその通りだと思う。 -
「葬式は、いらない」への反論が良かった。菩提寺が欲しくなる。誤字が多いのが残念。
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蝉丸P和尚の9年ぶりの本。
『つれづれ仏教講座』は仏教とは何か、の入門書の要素が多いのに対し、こちらは仏教が今どのように社会に実装されているのか、ということを住職という立場から分かりやすく解説。
特に、現代でももっとも重要な役割である葬儀及び供養に関する部分は、突然直面して判断を誤らないための予備知識として必要十分なことが書かれている。
明治維新後の近代日本の宗教の混乱と外国からのスピリチュアル系思想の流入にも触れ、この部分で団塊世代の宗教嫌いの背景の説明にもなっている。
日本人は無宗教。直葬が増えている。などと言われるが(特に葬儀の新しい形はNHKでよくやってる)、これはやはり東京目線かなと思う。実家に帰れば地方の老人がどれだけ宗教どっぷりな毎日を送っているかは容易に見て取れる。
自分の親なども菩提寺の行事によく行っては仏教関係の話題をいろいろと話しかけてくる。こちらもあれこれ調べては話に応じられるように知識を取り込んでいるところ。その途中で言わせてもらうと、日本人はちっとも無宗教じゃないし、神仏に関する話も面白い。また、いわゆる「カルト」は伝統宗教との差異がかなりはっきりしている。
というので、同世代、というかやや年下の僧侶が書いた本書はとても興味深く読ませていただいた。
また、唐突に『ゆるキャン△』に言及していたり、話題の方向性も自分の興味とだいぶ重なっていて面白かった。
当初「電子書籍まで待とう」と思っていたが、やはり紙の本で早めに購入して正解だった。
一方、amazonの指摘にもあるように誤字脱字は相応にあり、出版社の校閲が不十分というのは本当のところ。本書の電子書籍版がまだ出ていないことと合わせ、出版社にはあまりいい評価が出せないことは付記しておく。
追記:文化庁の『宗教年鑑』はこちら。
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/hakusho_nenjihokokusho/shukyo_nenkan/ -
テキストサイト時代からファンだった蝉丸Pの、宗教的実用書。
檀家寺のカツカツな実態や、終始見られていて時には「俺たちの金で食わせてやっている」と嫌味を言われる苦労など、非常にリアル。
また、法事についてや、自分の代で家が絶えそうな場合にするべきことなど、実務レベルのことを的確にアドバイスしてくれていて、大変参考になった。(うちは神道だけれども自分が末代だから早めに手を打たないと……)
檀家になって年会費や労働力を提供することでいざというときの出費を平坦にするのと、家族が亡くなってからすべてを高い金でなんとかするのとどちらがいいか。都会目線の葬儀不要論に警鐘を鳴らされるのももっともだなぁ、と。葬儀をしないと、一年ぐらい弔問客が土日ごとにやってきたり、精神的な負い目から人生がうまくなった時期に似非宗教に絡め取られたりする危険を考えれば、葬儀というのは非常によくできたシステムだと思った。
宗教は胡散臭いと決めつけたり、既存の価値観を否定する俺カッコイイ的なノリから宗教離れが進んでいる現状に対し、宗教とはOSのフォーマットであり、檀家とはサポートセンターのメンバーと、わかりやすく解説してくれる良書。
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