ブルーピリオド(5) (アフタヌーンKC)

  • 講談社
4.37
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065159583

作品紹介・あらすじ

成績優秀、世渡り上手なリア高校男子が絵を描く喜びに目覚め、美大を目指す! 藝大実技1次試験、ハプニングがあったもののなんとか乗り切った八虎。そんな中、龍二が試験を放棄したことを知り2次試験への準備に集中できなくなってしまう…。  読めば何かを始めたくなる! 超話題の伝染性青春漫画、待望の第5巻!

感想・レビュー・書評

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  • "周りの人から見た自分"というものにがんじがらめになっていた二人が、セルフヌードを同時に描き、自分を見つめる作業をしている過程は胸に迫りました。お互いがお互いをケアするのではなく、自分が自分を見つめることで、葛藤に向かい合っていく。きれいなところも汚いところも、かっこわるいところも。一人では自分を見つめることができなかったけれど、なんて名称になるのかよくわからない不思議な関係の二人が、一緒になら、自分を見つめることができたんですね。誰かがそばにいることで。青年期の、自分とは何か悩む過程、自分の凡人さを感じて吹っ切れた部分、何かを描き、受験というプロセスを経て、成長していく様子は、就職率とか、生産性とか、そういう軸なんてちっぽけに感じられるくらい、もっと根源的な問いの答えをもらえる気がします。いい作品に出会えたな。

  • マジっすか、
    そんなに自分を見つめなおさないと駄目っすか?
    八虎とか、普通の人だと意識もしない自分自身のことを
    必死に見つめなおすから魅力的なのかもなぁ。

  • 龍二との内面ぶつけ合いのところがジンジンくるね。

  • 作品を作る時であっても、人と向き合う時であっても、裸でそれにぶつかることが出来るだろうか。

    もちろん着衣の問題ではなく心の問題だが、この巻ではその「向き合う姿勢」が描かれ、今回も強い感銘を受けた。素晴らしい作品は大概作者の裸を感じるが、そこまで見せてくれたことに感動するのだ。

    芸大の一次試験が終わり、結果が出て、次のステージへ。わずか十日間くらいの出来事だが、非常に濃密。創作とは、自己と向き合い曝け出すことというのを再認する。

    なお余談だが、ワシは曝け出すことがとても苦手だ。

  • 心を抉ってくる巻。八虎も龍二もいろんなことを抱えて袋小路に入ってしまった中で「裸」になる。お互いに裸になって、自分を見つめる中で交わす会話がすごい。/「自分の裸を見つめ、自分の裸を魅せるのは、ありのままを認めること。綺麗なとこも汚いとこもね。難しいのよ。一生服を着たままの人だってたくさんいるわ」(大葉先生)/この作品、同じ言葉でも漢字の充て方が違いますね。「みる、見る、観る」とか。龍二が八虎に言う「優等生の服は重くてあつそうだしね」も「暑い」ではなく「厚い」なんですね。平仮名ではなく明確に「厚い」と。

  • 一周目は「鑑賞者」として二周目は「表現者」としてか…良い課題だな 小田原は海のものが本当に美味しいから 目標無いと何して良いかも分からない_理論武装しないと人と喋るのも怖い

  • 続く

  • 美大受験って命どころか魂まで削ってるんだなって思わせられました。
    これを若い18歳でやるってすごいな。
    しかもモチベーションを折らずに。

    龍二くん幸せになって欲しい。

  • 真面目過ぎると切り替えや気分転換は
    中々上手くいかないと思う。

    奇を衒う必要はない、
    結果を求めた人に結果が全てじゃないなんて言わない
    と先生が言ってくれるところが良い。

    八虎は違うと思っても納得がいったらすぐ反省して
    自分を恥じて改めようとするのが凄いと思う。
    絵もそうだし、人間関係もそうだ。
    龍二に電話をするまではやれても、
    鬱陶しそうにされて「何かして欲しいことないの」
    と食い下がれるのは八虎ならではだろう。
    しかしそこまで食い下がったのに、愛にきてと言われて
    断ってしまうのはやはり真面目が過ぎる。
    きっと頑張って本心の欠片を吐き出したのだろうに。
    橋田くんが言う通り、
    「そこまでする必要があるか」の判断は八虎次第なのだが、
    その必要が無いとして拒絶した事になると
    八虎自身は思っていなさそうなのが問題だと思う。

    先生の「自分以外はみんな変人」は名言だ。
    普通の基準は思ったよりばらばらなはず。

    龍二くんの絵を見て気付くことがあって、
    もう一度電話するところが八虎っぽい。
    龍二くんは家を出た方が良いと思うのだが。
    蕁麻疹を掻くの、龍二くんが止めてくれてよかった。
    取り立てて相談に乗るとか悩みを聞くとかではなく
    正に裸で、でもそれは己と向き合ってのことで。
    それぞれ己の裸に向き合いながら
    ぽつぽつと話をするなんとも言えない空気感と、
    外には海。
    2人の気持ちが前向きになれていると良いのだが。

    こういう描写があるということは、
    実際8階まで運ばされるケースがあったということだろうか。
    何故エレベーターを使わせてくれないのだろう。
    事前に配送を受け付けるとかそういった対応があっても良いのでは。
    相手が学生で受験生だから文句も言えないからやっているのは普通にパワハラだと思う。

    番外編のランチをおすすめしあうエピソードも良かった。
    それぞれの険の担ぎ方もらしいし興味深い。

  • 受験真っ只中での感情のぶつかっている感じがいい

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著者プロフィール

東京都出身。東京藝術大学卒業後、2014年に月刊アフタヌーンの新人賞「四季賞」で受賞を果たし、増刊good!アフタヌーン2015年5号にて読み切り『ヌードモデル』でデビュー。2016年にアニメーション監督・新海誠氏の作品『彼女と彼女の猫』のコミカライズで初連載。『ブルーピリオド』は月刊アフタヌーン2017年8月号から連載開始。第1巻発売から注目を集め、 「マンガ大賞2019」第3位、「このマンガがすごい! 2019」(宝島社)オトコ編第4位、「みんなが喜ぶTSUTAYAコミック大賞2018ネクストブレイク部門」大賞、第2回「マンガ新聞大賞」第3位、「マンガ大賞2020」第1位、講談社漫画賞総合部門を受賞。電球が大好きでアクセサリーなど種々収集中。


「2021年 『ブルーピリオド(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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