富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ (ブルーバックス)

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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065160435

作品紹介・あらすじ

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震は、富士山の様相を決定的に変えてしまった。津波や原発に隠れてこのとき、富士山内部のマグマだまりに「ひび割れ」が生じたことに、火山学者たちは青ざめた。以後、富士山は「噴火するかもしれない山」から「100パーセント噴火する山」に変容してしまった。そのとき何が起こるのか。南海トラフ巨大地震との連動はあるのか。火山の第一人者が危機の全貌を見通す!

感想・レビュー・書評

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  • ◯地学や火山に関する知識のない初学者でも非常にわかりやすい。東日本大震災の後に、何故、政府内の議論で南海トラフが盛り上がったのかがよく理解できた。
    ◯富士山の噴火に関する危機の裏に、しっかりと富士の恵みを紹介していることや、日本人が愛してやまない富士山のまさに文化的な面まで網羅されている。
    ◯形が変わる前に富士山に登ってみたくなるし、形が変わっても愛し続けたくなる。

  • 日本列島の中には3枚ものプレート(北米、ユーラシア、フィリピン海)が重なり合う地球上でも極めて珍しい場所がある。
    そんなプレートが引き裂かれる場所に富士山はある。
    こんな場所だから噴火を繰り返し造られたのが富士山だ。
    「日本を代表する」と言われる富士山は、実は特異な性格を持つ「巨大」な活火山だということを忘れてはならない。

    富士山噴火の影響を受ける東京に住んでいると、最も長期的に被害をもたらす火山灰に怖さを感じる。
    火山灰は細かいガラスの粉で、積もれば雪のようには融けてくれない。
    水を含めば粘土のように固まる。よって洗い流そうとすると下水管が詰まる。
    エアコンや車のフィルターが詰まり故障する。
    気管や肺が傷つけられる。農作物がやられる。太陽光が遮られる。、、、などなど。

    300年前の宝永噴火の時代とは異なり、複雑に発達した現代のインフラが機能マヒに陥る恐れがある。
    しかしながら危機管理に過剰なコストはかけられないので、起こってから「想定外」と言い訳するしかない役所や企業が大多数なのだろうな。

    今日も、明日も、明後日も、大地震と大噴火が起きませんように!

  • 自然の恵み豊かな日本列島をかたちづくったプレートテクトニクスや火山は一方では甚大な災害をもらたす。富士山が大噴火を起こせば都市機能は全面的にマヒをする。火山灰が舞うと外出が危険になる。神奈川県に住んでいる私も被災者になる。正しく知って備えたいです。

  • 富士山噴火が近いことはわかった。噴火したら致命的な打撃を受けることもわかった。なんで東京集中が変わらないかがわからない。

  • ●3.11の4日後に、富士山は震度6強の地震が発生している。江戸時代から300年分のマグマをため込んで不気味な沈黙を続けているのだ。
    ●火山灰の正体はガラス!普通の灰とは違う。
    ●南海トラフ地震は3.11以上の被害に。
    ●3.11で生じた歪みが元に戻るのは何十年もかかる。今後全ての活火山を厳重に監視する必要がある。

  • 2030年には南海トラフ地震が発生し、富士山も影響を受ける。噴火につながるかも知れない。現在、地震の兆候は1ヶ月程度前に分かるようになったが、やはり1人1人の意識の持ち様で被害が抑えられる。

  • 火山の噴火による様々な被害。例えば、火山灰、溶岩流、噴石、火砕流、泥流。こうした被害はどこの火山でも起こり得るが、富士山が噴火した場合、その山体規模や東側に首都東京があることなど、日本に与える影響は計り知れない。富士山はここ300年ほど噴火していないが、いまも活火山であり、近いうちに噴火する可能性も十分あるという。著者は、東日本大震災や、近く起こるであろう南海トラフを震源とする東南海地震によって富士山の噴火が誘発されるという。実際、過去にもそのような関係性が見られる。
    そのリスクに警鐘を鳴らすとともに、他方で、火山の恵みは噴火の被害よりもずっと長期にわたって恩恵を与えるという点にも留意を促し、いざという時のための準備を怠らないことが重要だと主張する。なるほど。

  • 2007年刊行の『富士山噴火』以後に明らかとなった最新の火山学的知見に基づいて富士山について書き直しが行われています。また、3.11以降「大地変動の時代」に入った日本列島についてもわかりやすく解説されています。

  • 第1部 富士山噴火で起こること(火山灰―都市を麻痺させるガラスのかけら;溶岩流―断ち切られる日本の大動脈;噴石と火山弾―登山者を突然襲う重爆撃;火砕流と火砕サージ―山麓を焼き尽くす高速の熱雲;泥流―数十年間も続く氾濫と破壊)
    第2部 南海トラフと富士山噴火(地理と歴史からみた富士山噴火;「3・11」は日本列島をどう変えたか;南海トラフ巨大地震との連動はあるか;山体崩壊のおそるべきリスク;富士山の噴火予知はどこまで可能か;活火山の大いなる「恵み」)

    著者:鎌田浩毅(1955-、東京都、地球科学)

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。1979年東京大学理学部地学科卒業。通産省地質調査所、米国内務省カスケード火山観測所を経て、1997年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学・地球科学。京大の講義は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。著書に、『理科系の読書術』『地球の歴史』(以上、中公新書)、『世界がわかる理系の名著』(文春新書)、『火山噴火』(岩波新書)、 『京大人気講義 生き抜くための地震学』(ちくま新書)、『地球とは何か』(サイエンス・アイ新書)など多数。

「2020年 『理学博士の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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