日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065160794

感想・レビュー・書評

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  • ●子を産まず、移民を受け入れることも嫌なのであれば、生活水準の低下を受け入れるしかない。
    ●日本の年金にお金を払う位なら、中国やロシア韓国に投資をする。日本人の子供は日本を去るべきだ。
    ●日本に投資をしたのは、東日本大震災の後。すべて、手放したのは2018年今は日本に関連する資産は何も持ってないし、この先買う予定もない。日本経済を破壊するアベノミクスが続き人口減少の問題を解決できない限り、この判断を変える事はないだろう。
    ●若者は政府のために働いてはいけない。日本の政府は、歳をとった人間以外は誰も採用しないと言うルールを設けるべきだ。活気ある若者は民間企業で活躍してもらったほうが国のためにもなるのだから。
    ●「女性は天の半分を支える」と言う毛沢東の言葉のとおり、女性が男性と同じようにビジネスや政治において活躍するのは望ましいことだ。
    ●かつての富裕国ミャンマーも1962年クーデターで軍事政権に変わり、最貧国へと転落した。外国人を追放せよと、国境を閉鎖していた間に起こったことだ。移民は新しいビジネスチャンス。
    ●子供用の本には中国語を習わせなさい。いわゆる標準中国語を学ばせるべきだ。
    ●今は、会社がいつなくなってもおかしくない時代である。シャープが台湾の鴻海精密工業の子会社になったように、海外資本によって全く違うルールが導入される可能性もある。従来の手法ではこのような環境変化が起きたときに、過去のスキルやノウハウが応用できないといった事態にもなりかねない。
    ●最高品質のものは何でも日本にある。日本のクオリティーに対する情熱は間違いなく世界一だ。2番目の国が思いつかないほど群を抜いている。日本ほどクオリティに対して「抑えがたい欲望」持っている国は他に思い付かない。この姿勢こそが日本を偉大な国にしたと言える。
    ●品質を犠牲にし、低価格だけを武器にビジネスをした会社が減速した事は、歴史的に見て存在しない。
    ●防衛費の増加は過ちの最たるものだ。防衛費の効果はいつだって非常に限られた範囲にとどまる。製造やメンテナンスに関わる人たちが儲けられるとしても、それ以上の事は何も起きない。やがて武器は老朽化し、無駄金だったと言うことになる。
    ●農業の可能性に目を向けよ。自らの作業を行いたくないのであれば、農地を購入し、移民を働き手として受け入れて経営することも考えられる。もっとも、日本人が動かずとも、いずれ日本に移民が増えれば、彼らが自ら後を買って農業を営むことになるだろう。政府は、米の減反政策は2018年度に廃止をした。さらに法改正により農業への参入障壁が低くなった。
    ●日本でのインバウンド消費を種目別に入ると、買い物代が多く占める現状が続いているものの、徐々にその割合が宿泊費や娯楽とサービス費にシフトしている。これは外国人観光客の興味が、日本のモノからコトにシフトしていることの表れではないだろうか。
    ●数年ごとに担当者が変わる日本の官僚組織に任せると、やがて利権化し、お金を使うことが目的化してしまう。予算と天下り先欲しさに余計な仕事を作る官僚は、今後はむしろ何もしないほうがいい。意欲ある若い民間人に任せた方が、よほど素晴らしい成果をあげることだろう。
    ●アメリカは市場で戦えないから政治家に頼る。中国はアメリカの8倍以上のエンジニアを輩出している。
    ●歴史的に見て、中国人こそが最も優秀な資本主義者だったのだ。ただ、急に金持ちになった中国の成金達のふるまいが良くない。1950年代のアメリカ人、かつてのイギリス人にも起きたこと。
    ●北朝鮮は間に中国を、挟むことによって、韓国との商取引を行っている。商品には、メイドインチャイナと記載されている。
    ●ブラジルは、相場の振れ幅が大きい。軍事クーデターが起き、すべてが崩壊する。投資先にするのは難しい。
    ●インドは訪れる場所としては素晴らしい国だ。しかし世界最悪の官僚制度と言う問題を抱えている。イギリスから官僚制度を学び、そして極度に改悪した。もともと異なる民族の多数の国々が集まって成立した国である点も成長を阻害している。
    ●今後30年の間に世界で最も刺激的になる年あげるから、コロンビアのメデジンを挙げる。理由は、コロンビアで医療用大麻(マリファナ)が合法化されたからだ。
    ●「あの人が空が青いというのだから、そうなんだろう」と思うだけで、決して自分で確かめようとはしない。だから失敗してしまう。


  • 今日の高湿度のように、読後感はあまりよくない。前半は日本の“衰退”をこれでもかというくらい「警告」されてる。
    「50年もすれば日本は考えられないほど衰退している(p20)」
    「私が日本に住む10歳の子どもであれば、一刻も早く日本を飛び出す(p24)」
    「自宅を購入しているのであれば、売却して海外に移住(p67)」とまで!
    21世紀の覇権国家となる中国、北朝鮮の若きリーダーの高評価、日本人よりマシな韓国人のオープン気質、投資先としてのロシア。歴史学も学んだ「世界的投資家」が見る将来は、説得力があり、当たるんだろう。
    歴史的に日本の“衰退”は納得。20世紀後半の数十年が特異だった。ただ、“衰退”はあくまで相対的なもの。情熱もって生きていけば個人も国も幸福になれるんだろう。
    「金持ちになりたければ、中国語のツアーガイドを始めるべきだ(p89)」なんて書いてあった。
    サボってる中国語の勉強を復活しなきゃ

  • 日本が現実の課題を直視せず、アベノミクスという花見酒で酩酊している無様さを厳しく批判、改革を求める警世の書。
    だが日本株をすべて売却したことからも、日本の将来に見切りをつけたきらいもある。
    なんといっても人口減少・財政赤字は国家の中核課題。
    国民は問題と認識しているものの、現実の対処策は選挙の争点にもならない。
    超長期の課題であることと、マイナスを受け入れる不利益集団がいることから、前へ踏み出せない。これは戦前と同じズルズルと事態の悪化が既成事実化し、最終的に最悪の結果=国家の破綻へいくことと同じ「戦略無き国家」の宿命。

    中国・北朝鮮韓国・ロシアを高く評価している。
    国家改革の意志がトップリーダーにあるということ!
    「未来」を描いて国民を奮い立たせるのがリーダーの役割。

  • 筆者は中国、北朝鮮をベタ褒めしているが、それはアメリカ人としての目線であるからだ。朝鮮半島や中国大陸の歴史や人々の価値観は、日本人には受け入れられないものが多い。アジアを一括していては、本質はわからない。

  • 4年前の本で、しかもいろいろな著書を寄せ集めた再構成本?
    今見ると、多くの示唆があり、この本での予見はかなり当たっているようです。

    この本で指摘されたさまざまな日本の課題は、現在もさらに厳しい状態。人口はさらに減り、子どもは増えず移民の受け入れも進まず、進むのは分断と人手不足ばかり。政府は現状維持しか考えず。若者は国内に家に閉じこもり。一方、韓国は中国はインドはベトナムは…。厳しいなあ。

    後半は投資についての体験談もあり、共感するところ多しです。
    新書判203ページ。

  • ・日本は人口減と財政難により衰退は免れない→日本に資産を持たないことが懸命
    ・対策は日本資産を海外に移動させる、中国語を学ぶ、移民を受け入れる、農業ビジネスを手がけること。
    ・南北統一の機運により韓国はこれから投資に値する
    ・投資や人生で成功するには人の言うことは聞かずに自分で考えること。
    ・成功するには情熱が必要
    ・娘には貯金をすること、お小遣いを上げずに手伝いなど仕事の報酬としてお金を稼ぐ事を学ばせる。
    ・自分がよく分からないものに投資しない
    ・自分の得意な分野をリサーチし然るべき時に投資すれば大儲けできる。

  • 世界三大投資家の1人と言われるジム・ロジャーズ氏の著書。

    やっと1冊目を手にしてみました。

    世界的に大成功をおさめたと言われる人に共通するのは頑固なまでに己を貫くということなのだろう。

    しかも、それを楽しみながら。

    そして、人の何倍もの情熱を持ち、没頭する。

    投資の世界で巨額の利益を生み出したのは時代が良かったからでも、ラッキーだったからでもない事がよくわかる。

    人の噂に流されず、自ら情報の裏をとり、時には現地に足を運び、自ら直接感じる事で自分の中で感じた可能性を根拠のあるものに変える。

    情熱を持ち没頭するからこそ成せることだと思います。

    彼が語った日本の将来への警告はまさに待ったナシの状況で、もはや自力(自国)だけでは解決出来ないレベルに達してしまった。

    若い頃に海外に憧れを抱きつつも飛び出す勇気が持てなかった。

    私が生きている時代に日本人の人口減少は止まらない。

    その中で進む超高齢化社会において増え続ける医療費、既に危機的な領域すら超えてしまったように感じる国の借金。

    生産年齢人口の減少が進む中でGDPが上がる根拠も見いだせない。

    となれば必然的に日本が内需で成長していくことは不可能で、すなわち企業が儲からなくなり国の税収は益々下がる。

    国だけでなく、企業が儲からなくなれば必然的にそこで働く現役世代の給与も上がるはずはない。

    誰が考えても全て必然で=に思えて仕方がない。

    日本型の雇用形態が大きく転換しようとし始めた現代において、高度な医療の発達と共に迎える人生100年時代。

    今までよりも長くなった老後を生きるための退職金や年金をあてにできる時代は終焉を迎えるのも時間の問題かもしれない。

    せめて人間らしく生きていく為に、願わくば楽しい人生を歩む為に、日本を知り、世界を知り、時代の流れを知る為に学び続けていきたい。

    本書を読み終えてもまだ投資というところに踏み出せないでいるのも事実ではあるが、サラリー以外での資産形成は本気で考えていかないといけない。

    数年先に本書がそんな私の背中を優しく後押ししてくれたきっかけとなった1冊だったと言える気がします。




    説明
    内容紹介
    紀伊國屋書店月間ランキング1位(新書部門・7月17日~8月15日)!
    発売1ヵ月で6刷!

    いま中国や朝鮮半島で起きている劇的な変化は、日本にどんな危機をもたらすのか?
    どうすれば日本人はその危機を打ち破り、新しい未来を築けるのか?
    世界的投資家だけに見えている日本の未来の切り開き方!

    「日本人は今、何かがおかしいとわかっているのではないか? 少子高齢化と巨額の長期債務残高を放置しても破綻しない『ニューエコノミー』など、存在しないのだ」

    つねに人の先を読み、目先の動きにとらわれずに決断し、偉大な成功を遂げてきた世界的投資家、ジム・ロジャーズ。彼の目から見れば、日本にはあきらかに大きな危機が訪れている。それは根本的で長期的な危機、すなわち人口減少と財政破綻だ。放置すれば破滅的未来しか待ち受けない重大な危機であるにもかかわらず、日本人は手を打とうとしているように見えない。ここ10年で近隣のアジア諸国が劇的に力をつけてきたのと比べれば目がくらむほどの落差ができたというのに。

    「日本は世界で最も素晴らしい国のひとつになれるし、なるべきだ」

    政府はけっして国民のためを考えて政策を立案しているわけではない。あなたのお金は官邸や財務省よりもあなた本人のほうがずっとその使途をあやまらない。権力、常識、他人の言うことに頼るのではなく、みずから観察し、未来を見抜く目を持つことが、あなたの仕事と生命、子どもを守る。著者がみずから生まれ故郷から脱出して新天地で成功を手に入れたのと同じものを、本書を読めば手中にできる。その知恵と勇気を授かる話題書が、ついにここに誕生した。

    第一章 日本人が見て見ぬ振りをする、破滅的な未来
    第二章 日本人が今克服すべき課題
    第三章 アメリカ、中国、朝鮮半島――これが変化の本質だ
    第四章 家族とお金を守るために私が学んだ九つの成功法則
    第五章 これからの時代に勝つ投資
    内容(「BOOK」データベースより)
    年金破綻、超円安、総貧困化で、人もお金も日本脱出…。国の破滅を日本人は放置するのか?世界的投資家だけに見える戦慄の未来あなたなら、どうする?
    著者について
    ジム・ロジャーズ
    1942年米国アラバマ州出身の世界的投資家。
    イェール大学とオックスフォード大学で歴史学を修めたのち、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立し、10年で4200%という驚異的なリターンを叩き出す。37歳で引退後はコロンビア大学で金融論を教えるなど活躍。2007年に「アジアの世紀」の到来に予測して家族でシンガポールに移住し、その後も数多くの投資活動と講演をおこなう。
    主要著書に『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行 』『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』(以上、日経ビジネス人文庫)、『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(プレジデント社)、『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』(PHP新書)がある。

    小里 博栄
    1971年神戸市生まれのグローバル起業家、社会心理学者。
    ロンドン(LSE)大学卒、オックスフォード大学で修士取得。英税理士。英ベンチャー大手ヴァージン・グループ、ダイソンの日本進出マーケティング担当。2006年(株)LA DITTA創業。インド初の寿司の宅配ビジネス、10万人規模のイベントなど複数のプロジェクトを進める。神戸の国際学校の最年少理事長を経験。400年続く日本の老舗企業の海外事業開発なども手がける。現在博士号取得目指し仕事を続けながらSBSスイスビジネススクール在籍。シンガポール、ムンバイ在住。東京、京都、ロンドンにも拠点を設ける。

    花輪 陽子
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者。
    1978年三重県生まれ。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年からシンガポールに移住する。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)他がある。海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトを運営。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ロジャーズ,ジム
    1942年米国アラバマ州出身の世界的投資家。イェール大学とオックスフォード大学で歴史学を修めたのち、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立し、10年で4200%という驚異的なリターンを叩き出す。37歳で引退後はコロンビア大学で金融論を教えるなど活躍。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住し、その後も数多くの投資活動および啓蒙活動をおこなう

    小里/博栄
    1971年神戸市生まれのグローバル起業家、社会心理学者。ロンドン(LSE)大学卒、オックスフォード大学で修士取得。英税理士。英ベンチャー大手ヴァージン・グループ、ダイソンの日本進出マーケティング担当。2006年(株)LA DITTA創業。インド初の寿司の宅配ビジネス、10万人規模のイベントなど複数のプロジェクトを進める。神戸の国際学校の最年少理事長を経験。400年続く日本の老舗企業の海外事業開発なども手がける。現在博士号取得目指し仕事を続けながらSBSスイスビジネススクール在籍。シンガポール、ムンバイ在住。東京、京都、ロンドンにも拠点を設ける

    花輪/陽子
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者。1978年三重県生まれ。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年からシンガポールに移住する。海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトを運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「お金の流れで読む~」に引き続き読みました。
    三章の朝鮮半島の話しが具体的で、わくわくしながら読めた。

  • ・北朝鮮は民主主義化により大発展。南北統一すれば朝鮮半島は驚異的な発展
    ・BRICsではロシアが最発展。特に極東(ウラジオストック)に注目。中国国境のシベリアには中国からの資本が入る
     ・ロシアのETF(ERUS), アエロフロート、農業分野
    ・コロンビアの都市メデジン 大麻ビジネスで大きく成長予想

    ・移民はビジネスチャンス
    ・子や孫には中国語を学ばせる
     数百年後には英語と中国語とスペイン語しか残らない

    ・アジアからの観光客
    ・世界を旅し、変化を肌で感じる


    ・子どもにできるだけ異国の遠い大学に行かせよ
    ・子どもは28歳まで結婚するな。自分自身についても世界についても知見を広めてから結婚すべき

    ・新聞を読むこと
    ・企業の年次報告書
     ・利益率 変動が激しく現状の利益率が低いならばチャンス
     ・自己資本利益率

  • 確実に人口が減っていく日本、それに対して子供を増やすこともできず、移民に対しても消極的であれば、あとは衰退しかない、というのが警告です。それに対してどうしていくのか、いろいろな考えを述べていますが、果たして日本はどうなっていくのか。考えさせられます。

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著者プロフィール

■著者略歴
ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)
1942年、米国アラバマ州生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立し、10年間で4200パーセントという驚異的なリターンを上げる。37歳で引退した後、コロンビア大学で金融論を指導する傍ら、テレビやラジオのコメンテーターとして活躍。2007年よりシンガポール在住。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。 主な著書に『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界大発見』(日経ビジネス人文庫)、『危機の時代』(日経BP)、『ジム・ロジャーズ 大予測』(東洋経済新報社)『大転換の時代』(プレジデント社)がある。

「2023年 『捨てられる日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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