日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く (講談社+α新書)
- 講談社 (2019年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065160794
感想・レビュー・書評
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●子を産まず、移民を受け入れることも嫌なのであれば、生活水準の低下を受け入れるしかない。
●日本の年金にお金を払う位なら、中国やロシア韓国に投資をする。日本人の子供は日本を去るべきだ。
●日本に投資をしたのは、東日本大震災の後。すべて、手放したのは2018年今は日本に関連する資産は何も持ってないし、この先買う予定もない。日本経済を破壊するアベノミクスが続き人口減少の問題を解決できない限り、この判断を変える事はないだろう。
●若者は政府のために働いてはいけない。日本の政府は、歳をとった人間以外は誰も採用しないと言うルールを設けるべきだ。活気ある若者は民間企業で活躍してもらったほうが国のためにもなるのだから。
●「女性は天の半分を支える」と言う毛沢東の言葉のとおり、女性が男性と同じようにビジネスや政治において活躍するのは望ましいことだ。
●かつての富裕国ミャンマーも1962年クーデターで軍事政権に変わり、最貧国へと転落した。外国人を追放せよと、国境を閉鎖していた間に起こったことだ。移民は新しいビジネスチャンス。
●子供用の本には中国語を習わせなさい。いわゆる標準中国語を学ばせるべきだ。
●今は、会社がいつなくなってもおかしくない時代である。シャープが台湾の鴻海精密工業の子会社になったように、海外資本によって全く違うルールが導入される可能性もある。従来の手法ではこのような環境変化が起きたときに、過去のスキルやノウハウが応用できないといった事態にもなりかねない。
●最高品質のものは何でも日本にある。日本のクオリティーに対する情熱は間違いなく世界一だ。2番目の国が思いつかないほど群を抜いている。日本ほどクオリティに対して「抑えがたい欲望」持っている国は他に思い付かない。この姿勢こそが日本を偉大な国にしたと言える。
●品質を犠牲にし、低価格だけを武器にビジネスをした会社が減速した事は、歴史的に見て存在しない。
●防衛費の増加は過ちの最たるものだ。防衛費の効果はいつだって非常に限られた範囲にとどまる。製造やメンテナンスに関わる人たちが儲けられるとしても、それ以上の事は何も起きない。やがて武器は老朽化し、無駄金だったと言うことになる。
●農業の可能性に目を向けよ。自らの作業を行いたくないのであれば、農地を購入し、移民を働き手として受け入れて経営することも考えられる。もっとも、日本人が動かずとも、いずれ日本に移民が増えれば、彼らが自ら後を買って農業を営むことになるだろう。政府は、米の減反政策は2018年度に廃止をした。さらに法改正により農業への参入障壁が低くなった。
●日本でのインバウンド消費を種目別に入ると、買い物代が多く占める現状が続いているものの、徐々にその割合が宿泊費や娯楽とサービス費にシフトしている。これは外国人観光客の興味が、日本のモノからコトにシフトしていることの表れではないだろうか。
●数年ごとに担当者が変わる日本の官僚組織に任せると、やがて利権化し、お金を使うことが目的化してしまう。予算と天下り先欲しさに余計な仕事を作る官僚は、今後はむしろ何もしないほうがいい。意欲ある若い民間人に任せた方が、よほど素晴らしい成果をあげることだろう。
●アメリカは市場で戦えないから政治家に頼る。中国はアメリカの8倍以上のエンジニアを輩出している。
●歴史的に見て、中国人こそが最も優秀な資本主義者だったのだ。ただ、急に金持ちになった中国の成金達のふるまいが良くない。1950年代のアメリカ人、かつてのイギリス人にも起きたこと。
●北朝鮮は間に中国を、挟むことによって、韓国との商取引を行っている。商品には、メイドインチャイナと記載されている。
●ブラジルは、相場の振れ幅が大きい。軍事クーデターが起き、すべてが崩壊する。投資先にするのは難しい。
●インドは訪れる場所としては素晴らしい国だ。しかし世界最悪の官僚制度と言う問題を抱えている。イギリスから官僚制度を学び、そして極度に改悪した。もともと異なる民族の多数の国々が集まって成立した国である点も成長を阻害している。
●今後30年の間に世界で最も刺激的になる年あげるから、コロンビアのメデジンを挙げる。理由は、コロンビアで医療用大麻(マリファナ)が合法化されたからだ。
●「あの人が空が青いというのだから、そうなんだろう」と思うだけで、決して自分で確かめようとはしない。だから失敗してしまう。
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今日の高湿度のように、読後感はあまりよくない。前半は日本の“衰退”をこれでもかというくらい「警告」されてる。
「50年もすれば日本は考えられないほど衰退している(p20)」
「私が日本に住む10歳の子どもであれば、一刻も早く日本を飛び出す(p24)」
「自宅を購入しているのであれば、売却して海外に移住(p67)」とまで!
21世紀の覇権国家となる中国、北朝鮮の若きリーダーの高評価、日本人よりマシな韓国人のオープン気質、投資先としてのロシア。歴史学も学んだ「世界的投資家」が見る将来は、説得力があり、当たるんだろう。
歴史的に日本の“衰退”は納得。20世紀後半の数十年が特異だった。ただ、“衰退”はあくまで相対的なもの。情熱もって生きていけば個人も国も幸福になれるんだろう。
「金持ちになりたければ、中国語のツアーガイドを始めるべきだ(p89)」なんて書いてあった。
サボってる中国語の勉強を復活しなきゃ -
日本が現実の課題を直視せず、アベノミクスという花見酒で酩酊している無様さを厳しく批判、改革を求める警世の書。
だが日本株をすべて売却したことからも、日本の将来に見切りをつけたきらいもある。
なんといっても人口減少・財政赤字は国家の中核課題。
国民は問題と認識しているものの、現実の対処策は選挙の争点にもならない。
超長期の課題であることと、マイナスを受け入れる不利益集団がいることから、前へ踏み出せない。これは戦前と同じズルズルと事態の悪化が既成事実化し、最終的に最悪の結果=国家の破綻へいくことと同じ「戦略無き国家」の宿命。
中国・北朝鮮韓国・ロシアを高く評価している。
国家改革の意志がトップリーダーにあるということ!
「未来」を描いて国民を奮い立たせるのがリーダーの役割。 -
筆者は中国、北朝鮮をベタ褒めしているが、それはアメリカ人としての目線であるからだ。朝鮮半島や中国大陸の歴史や人々の価値観は、日本人には受け入れられないものが多い。アジアを一括していては、本質はわからない。
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4年前の本で、しかもいろいろな著書を寄せ集めた再構成本?
今見ると、多くの示唆があり、この本での予見はかなり当たっているようです。
この本で指摘されたさまざまな日本の課題は、現在もさらに厳しい状態。人口はさらに減り、子どもは増えず移民の受け入れも進まず、進むのは分断と人手不足ばかり。政府は現状維持しか考えず。若者は国内に家に閉じこもり。一方、韓国は中国はインドはベトナムは…。厳しいなあ。
後半は投資についての体験談もあり、共感するところ多しです。
新書判203ページ。 -
・日本は人口減と財政難により衰退は免れない→日本に資産を持たないことが懸命
・対策は日本資産を海外に移動させる、中国語を学ぶ、移民を受け入れる、農業ビジネスを手がけること。
・南北統一の機運により韓国はこれから投資に値する
・投資や人生で成功するには人の言うことは聞かずに自分で考えること。
・成功するには情熱が必要
・娘には貯金をすること、お小遣いを上げずに手伝いなど仕事の報酬としてお金を稼ぐ事を学ばせる。
・自分がよく分からないものに投資しない
・自分の得意な分野をリサーチし然るべき時に投資すれば大儲けできる。 -
「お金の流れで読む~」に引き続き読みました。
三章の朝鮮半島の話しが具体的で、わくわくしながら読めた。 -
確実に人口が減っていく日本、それに対して子供を増やすこともできず、移民に対しても消極的であれば、あとは衰退しかない、というのが警告です。それに対してどうしていくのか、いろいろな考えを述べていますが、果たして日本はどうなっていくのか。考えさせられます。