未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065160893

作品紹介・あらすじ

47都道府県はもはや維持できない。20年後の日本人はどこに暮らしているのか? 累計75万部超の『未来の年表』シリーズ著者最新作!

映画に登場するゴジラが大都市を次々と破壊していくように、人口減少は、10年後、20年後の日本のどの地域を、いつごろ、どのような形で襲っていくのか?

今回は、これまで誰も本格的に試みることのなかった2つのアプローチに挑んだ。
1つは、現在を生きる人々が国土をどう動いているのかを追うこと。
もう1つは、「未来の日本人」が日本列島のどこに暮らしているのかを明らかにすることだ。

2045年までに全自治体の人口がどう変動するかをまとめた、最新版の「日本の地域別将来推計人口」が公表されて以降、その詳細を深堀りした一般書はなかった。

本書はその先陣を切るものである。

感想・レビュー・書評

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  • 現在の人口減少と人の移動、そこから2045年までの予測と対応策を示している。
    現状と近い未来の動きとしては、まず地方の中核都市に人口が吸い寄せられ、そこからさらに東京に吸い寄せられるが、そのうち供給元である地方の人口が急減するため、日本全体の人口としても減少していくという流れ。
    大都市内でも人口の偏りが出る。
    対応策はちょっと安易かなと思うが、都道府県が基礎自治体の役割を担う、それぞれの都市が面的に存在せず都市国家のようになりドット型国家を形成する等はなかなかこれまでにない面白い発想だと思った。

  • 全ての前提条件

  • ドット型王国を作ることが、人口減少時代の生き残り策。

    具体例
    イタリア、ソロメオ村 人間主義的な経営
    丸亀町商店街 住むことのできる商店街
    ITの徳島県神山町 アーティスト、山登り愛好家、サーファーなど、ファンを獲得する

    縮みながら成長する。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=341782

  • 解決策があまり具体的でなかった

  • ★人口減少といっても地域差がある。ポートランドみたいなコンパクトな街を目指せば豊かさは維持できるのでは。一方で高齢化は社会を変えるだろう。

  • 鳥取県は2045年に40万人になれば、間違いなく島根県と合併することになるだろう。

  • ベストセラー「未来の年表」シリーズの著者が、新たな視点として、日本国内の都道府県、市町村の人口動態と今後どのような人口変化が起きるか、そして、避けられない人口減少への対応策を述べています。
    相変わらず、データに基づいた、かなり正確な予測を示したうえで、今後の処方箋を描いているわけですが、この世界的にも稀な状況をどのように迎えるのか、厳しい状況ながら、今後の方向性は大変参考になります。多くの方に読んでいただきたいと思います。


    ▼人口減少は2段階で進む
    ・第1段階 2042年まで
    -若者が減る一方で高齢者は増え続ける。これからの四半世紀、高齢者泰作に追われる
    ・第2段階 2043年以降
    -高齢者も減り、若い世代はもっと減っていく時代
    -高齢者も若者も減るから、このころから人口が急落する。
    -総人口の4割近くを高齢者が占めるようになるため、社会の担い手が不足し、日常生活がいろいろな形で麻痺する
    ▼いま、我が国に求められているのは、人口減少を前提として、それでも「豊かさ」を維持できるよう産業構造をシフトさせていくことであり、国民生活が極度の不自由に陥らぬよう社会システムを根本から作り替えていくことである。
    ▼「戦略的に縮む」
     「国土の均衡ある発展」から路線転換し、「拠点型国家」へと移行する必要がある。地図に落とし込めば点描画となるような「ドット型国家」への移行

    ▼名古屋市の状況
    ・全国に3つしかない人口200万人を超す政令指定都市の1つ
    ・大都市のわりに住みやすい街
    ・人口増の要因は社会増幅が急速に伸びたため
    ・大企業が集積しているため、人口の流出入は雇用情勢の影響を受けやすい。リーマンショックを乗り越え、経済状況の伸びに引っ張られる形で全国から人が集まってきていることが大きい
    ・県内からの流入が多く、岐阜県、三重県、静岡県、長野県、北陸3県からも流入が多い
    ・名古屋市の人口増加は、外国人の存在が大きい
    ・東京圏へのみ転出超過
    ・今後の課題
    -リニア中央新幹線の開業→ストロー現象の恐れ
    -高齢社会に不向きな広すぎる道路

    ▼国土交通省「国土のグランドデザイン2050」(2014年)
    ・人口15万人程度→百貨店や救命救急センター施設、先進医療を実施する病院が維持しづらくなる。映画館や大学、公認会計士事務所が撤退を始める。都市としての風格や機能の衰えは地域経済にも波及するので、人口流出をさらに加速させる要因
    ・人口5万7500人を下回る→結婚式場業が廃業・撤退を始める
    ・人口3万2500人を下回る→ペット・ペット用品小売業が廃業・撤退を始める
    ・人口1万7500人を下回る→カラオケボックス業や税理士事務所が廃業・撤退を始める
    ・人口6500人を下回る→銀行や通所介護事業所まで経営が厳しくなる。一般病院だけでなく、遊戯施設、音楽教室、喫茶店といった住民の「楽しみ」を提供してきたサービスも姿を消し始める
    ・人口2500人を下回る→お年寄りの憩いの場である喫茶店も持ちこたえられなくなる

    ▼2030年代に定数を大きく割り込む自治体が相次ぐことが懸念される。2045年を待つまでもなく、行政は公共サービスをどこのエリアまで届けるべきかという「線引き論」が、大きな政治課題となるだろう

    ▼「東京都は、全国から出産できる年齢の女性を多く集めている割には、出生数はこの程度しか伸びなかった」

    ▼なぜ地方創生はうまくいかないのか
    ・出発点からのボタンの掛け違い
    ①人口ビジョン「2060年に1億人程度の人口を維持」と掲げたこと
    ②既存の市町村をベースとしていること

    ▼拡大路線による過去の成功モデルで東京圏が日本の経済成長を何とか牽引しているうちに、人口減少が続く地方の社会基盤を、人口が減ってもやっていけるように根本から作り直す
    ▼人口が多少減ろうとも、世界の中で「なくてはならない存在」を目指したほうが、豊かさは維持しやすい

    ▼令和時代に求められる5つの視点
    ①拠点という「王国」を作る
    ・人口減少日本では発想を大きく転換し、居住可能なエリアを「王国」として整備すること
    ・人を中心に据えた出会いの場を用意し、「賑わい」を作っていく。それがエリアの活力となり、仕事が創造され豊かな暮らしを実現していくという好循環を生み出すことに主眼。
    ・都市部の繁華街や商店街など「すでに賑わっている場所」や既存のインフラをうまく活用しながら展開
    ・イタリア・ソロメオ村が手本
    ②基礎自治体の単位を都道府県とする
    ・「自分で出来ることは、どんなことでも積極的に取り組む」という意識と「行政に多くを頼むことはできない」という覚悟を持つことが不可欠
    ③働くことに対する価値観を見直す
    ・日本全体で仕事の総量を減らす。残業がなく生産性が高いオランダを目指す
    ④「在宅医療・介護」から転換する
    ・元気なうちから高齢者が集まり住んでおく。交通の便利な中心市街地に高齢者向けの居住スペースを建設するか、その周辺に「王国」を作る
    ⑤東京圏そのものを「特区」とする

    ▼「王国」を地方に数多く築き上げていくことが、人口減少日本が豊かさを手放さずに済む唯一の策。
    ・「豊かさの集積地」を作る:空港(福岡市、長崎空港と大村市)、港、サービスエリア、道の駅など。高齢者向け住宅や福祉施設を街の中心に



    <目次>
    第1部 現在の人口減少地図―日本人はこう移動している
    序 市区町村による「住民の綱引き」に勝者はいない
    1―1東京圏 東京は共存の道を探るべき「日本の外国」である
    1―2関西圏 三大都市圏の中で減少スピードが最も速いのは、関西圏
    1―3大阪市 「西の都」の人口拡大を下支えしているのは、外国人住民
    1―4名古屋圏 名古屋市最大の懸念材料は、リニア新幹線と広すぎる道路
    1―5北海道 「ところてん式」の札幌市は、200万人を超えるか
    1―6東北 政令指定都市なのに通過都市、仙台パッシングの理由とは
    1―7中国 周辺から人を集めきれず、「磁力の弱い」広島市
    1―8九州 福岡市は北九州市と熊本市の二大都市を吸収か
    1―9東京圏 一極集中が続く東京圏、その内側を覗いてみれば
    第2部 未来の日本ランキング―20年後、日本人はどこに暮らしているか
    序 塗り替えられてゆく日本列島
    2―1 都道府県の人口差は30倍超へ
    2―2 東京圏という「外国」は、老化に苦しむ
    2―3 政令指定都市は、極端に明暗が分かれる
    2―4 県庁所在地・地方都市は、不便さの増すエリアが拡大
    2―5 出産期の若い女性が減少する地域はここだ
    第3部 それぞれの「王国」の作りかた
    序 なぜ地方創生はうまくいかないのか?
    令和時代に求められる5つの視点

  • 田舎にいるので共感できるところは多い。
    これから何が起こるか、のところはざーっと読み飛ばした。
    関係ないところはふーん、でいいのかなと思う。
    筆者の思う、これからの「王国」としての地域、ないし地方のありようが書かれた最終章は、イメージが鮮明で、輝かしい(とはいえ筆者のいうように「成長」は容易ではない)地域のあり方があるような気がした。

    今後、身の回りがどうなるのか、自分も担い手の一員としてしっかり見て行きたい。

  • いつものシリーズ。特に加筆する事はありません。

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著者プロフィール

1963年、名古屋市生まれ。産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(専門は人口政策・社会保障政策)。中央大学卒業。内閣官房有識者会議委員、厚労省検討会委員、農水省第三者委員会委員、拓殖大学客員教授などを歴任。2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞。『未来の年表』(講談社)で2018年新書大賞2位、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」政治経済部門賞受賞。

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