お絵かき禁止の国

  • 講談社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065160916

作品紹介・あらすじ

ハルは中学3年の女の子。彼女には好きな子がいる。それはアキラという同級生の女の子! アキラを好きになったことで、ハルはうすうす感じていた自分の気持ちを確信する。やっぱりあたし、女の子が好きなんだ。世の中にそんな人がいることは知っていたけど、まさか、自分が、そうだったなんて! 第59回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。

登場人物の心理描写がうまく、家族やクラスメイトなど、それぞれの個性もうまく書き分けられていました。深刻になりそうなテーマが、時折ユーモアもまじえ、あたたかい雰囲気のある作品になっていて、最後まで安心して読むことができました。──茂市久美子(講談社児童文学新人賞選評より)

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい!!

  • アメリカで十年くらい前からLGBTや発達障害の主人公のYAがどっと出てきたけど、ここ数年で日本のYAにも出てきた。
    今まで、そういう内容の本を読んでみたい子には翻訳ものしかなくて、翻訳ものはどうしても、ある程度の読みなれを要求するから、あまり読めない子には難しかった。
    この本は現代の日本の公立中の中学生が主人公で、LINEもあるごく普通の日常が描かれているし、文章もわかりやすく、ほとんど誰でも読めるのが良い。
    主人公の女の子が女の子を好きになる。その恋愛感情は、ヘテロセクシュアルの女の子と少しも変わらない、ということが描けているだけで、とりあえず今の日本の中学生には良いと思う。
    若いうちに偏見をなくして、誰もが幸せを感じられる世の中を作ってほしい。
    大人も努力します。

  • アキラがキスしてくれた
    私・ハルはうれしくて、ぐるぐるしている
    でも、このキスはどんな意味のキス?

    ・自分がレズビアンと気付き、友だちのように恋人のように付き合った中学校3年生の3学期

    ・家族へのカミングアウト、学校でのアウティング

    ・“好き”の種類

    〇この子たちは、これからの人生をきっとしっかりと歩んでいけるだろうなと思った

  • LGBT、性自認についての
    児童書が少しずつ増えてきたな、という印象。

    主人公の一人称が最近のラノベに近くて、
    グループLINEの感じとかも
    けっこうリアル。
    読みやすくていい作品だと思います。

    親世代のリアクションもまさに、という感じ。
    少しでも偏見が無くなっていくように、
    10代のころから良い資料を、物語を
    読んでいけるような環境にしていきたい。


    弟、超いい子。こんな弟ほしい。

  • ハル、漫画の好きな中学3年生の女の子

    恋したのは同級生のアキラ
    でもそれはほかのだれにもばれてはいけない恋だった

      アキラはうちの学校で、いちばんやんちゃでおもしろくて
      ──最高にかわわい、女の子だから。

    “普通”と違う自分に向き合い、正直に生きることを選んだハルは
    あるできごとをきっかけに両親に自分の個性を打ち明ける

      「あたし、レズビアンなの」

    カミングアウトしたハル
    見る目が変わる家族、友だち
    支えてくれる家族、友だち

    ハルの卒業までの1年間を明るくさわやかに描いた作品

    第59回(2018年)講談社児童文学新人賞佳作を受賞したしずかな衝撃作

    この年の新人賞は水野瑠見『十四歳日和』
    悩みをかかえる中学生を描いた両作、甲乙つけがたし

  • 女の子が好きな、女の子の話。
    ハルが同性愛者なことが公になった後、味方をしてくれたお母さん、弟、クラスメイトたちの頼もしいこと!
    もし、自分がハルと同じ立場だったら…と考えると、受け入れようとしてくれる人たちが、家族にも学校にもいることがどれだけ心強いか、と胸が熱くなった。

  • すごく読みやすくて、たくさんいるキャラクターたちがそれぞれに魅力的。
    タイトルがイマイチで、勿体無い。

  • 好きなだけなのに…隠さなきゃいけない?
    同性愛者の女の子のお話。絵を描くのが好きなように、ただ人を好きになっただけなのに…それって悪いこと?隠さなきゃいけない?
    そんな心の傷や葛藤、悩みがリアルに描かれていました。LGBTや性自認はもちろん、好きなことを堂々と好きということについて考えさせられる1冊。

  • タイトルに惹かれて読みました


    同性愛者という事を認めていいのか分からない感情や家族,友人に話したくても話せない
    相手にも好きと伝えていいのか分からない,気持ち悪いと思われたくないなどまだ義務教育中の女の子が考えるには重すぎるけどしっかり自覚しないとあやふやなまま時間が過ぎてしまうという内容が読んでてハラハラしたりほっとする場面があったりしてとても面白かったです

    LGBTQなどが少数では無くなってきている時代にこの本を読んで自分が異性愛者の場合同性愛者の人はどんな気持ちや思考を持っているのかが少しでも理解してくれる方が増えるといいなと思います

  • 難しい言葉もなくサラサラと読みやすい物語でした。

    同性を好きになる感覚、同性を好きになれない感覚
    違った恋を漫画の中だけで楽しむ感覚。

    一見、同じようで同じじゃない。
    本人になってみないと分からない。

    そういったのがたくさん詰め込まれている内容でした。

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著者プロフィール

長谷川まりる/1989年、長野県生まれ、東京都育ち。職業能力開発総合大学校東京校産業デザイン科卒。『お絵かき禁止の国』で第59回講談社児童文学新人賞佳作(2018年)、『かすみ川の人魚』で第55回日本児童文学者協会新人賞(2022年)を受賞。ほかに『満天 in サマラファーム』など、話題作を発表している。創作同人会「駒草」所属。

「2023年 『キノトリ/カナイ 流され者のラジオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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