お絵かき禁止の国

  • 講談社 (2019年6月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (194ページ) / ISBN・EAN: 9784065160916

作品紹介・あらすじ

ハルは中学3年の女の子。彼女には好きな子がいる。それはアキラという同級生の女の子! アキラを好きになったことで、ハルはうすうす感じていた自分の気持ちを確信する。やっぱりあたし、女の子が好きなんだ。世の中にそんな人がいることは知っていたけど、まさか、自分が、そうだったなんて! 第59回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。

登場人物の心理描写がうまく、家族やクラスメイトなど、それぞれの個性もうまく書き分けられていました。深刻になりそうなテーマが、時折ユーモアもまじえ、あたたかい雰囲気のある作品になっていて、最後まで安心して読むことができました。──茂市久美子(講談社児童文学新人賞選評より)

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい!!

  • アメリカで十年くらい前からLGBTや発達障害の主人公のYAがどっと出てきたけど、ここ数年で日本のYAにも出てきた。
    今まで、そういう内容の本を読んでみたい子には翻訳ものしかなくて、翻訳ものはどうしても、ある程度の読みなれを要求するから、あまり読めない子には難しかった。
    この本は現代の日本の公立中の中学生が主人公で、LINEもあるごく普通の日常が描かれているし、文章もわかりやすく、ほとんど誰でも読めるのが良い。
    主人公の女の子が女の子を好きになる。その恋愛感情は、ヘテロセクシュアルの女の子と少しも変わらない、ということが描けているだけで、とりあえず今の日本の中学生には良いと思う。
    若いうちに偏見をなくして、誰もが幸せを感じられる世の中を作ってほしい。
    大人も努力します。

  • アキラがキスしてくれた
    私・ハルはうれしくて、ぐるぐるしている
    でも、このキスはどんな意味のキス?

    ・自分がレズビアンと気付き、友だちのように恋人のように付き合った中学校3年生の3学期

    ・家族へのカミングアウト、学校でのアウティング

    ・“好き”の種類

    〇この子たちは、これからの人生をきっとしっかりと歩んでいけるだろうなと思った

  • 自分の気持ちははたして本当なのだろうか…誰もが、自分視点で物事を見てしまいがちになる。受け入れられること、受け入れられないことがある。様々なそれらを、時間をかけて自分の納得できる形にできたらいいなあと思わせてくれる物語。

  • LGBT、性自認についての
    児童書が少しずつ増えてきたな、という印象。

    主人公の一人称が最近のラノベに近くて、
    グループLINEの感じとかも
    けっこうリアル。
    読みやすくていい作品だと思います。

    親世代のリアクションもまさに、という感じ。
    少しでも偏見が無くなっていくように、
    10代のころから良い資料を、物語を
    読んでいけるような環境にしていきたい。


    弟、超いい子。こんな弟ほしい。

  • ハル、漫画の好きな中学3年生の女の子

    恋したのは同級生のアキラ
    でもそれはほかのだれにもばれてはいけない恋だった

      アキラはうちの学校で、いちばんやんちゃでおもしろくて
      ──最高にかわわい、女の子だから。

    “普通”と違う自分に向き合い、正直に生きることを選んだハルは
    あるできごとをきっかけに両親に自分の個性を打ち明ける

      「あたし、レズビアンなの」

    カミングアウトしたハル
    見る目が変わる家族、友だち
    支えてくれる家族、友だち

    ハルの卒業までの1年間を明るくさわやかに描いた作品

    第59回(2018年)講談社児童文学新人賞佳作を受賞したしずかな衝撃作

    この年の新人賞は水野瑠見『十四歳日和』
    悩みをかかえる中学生を描いた両作、甲乙つけがたし

  • 女の子が好きな、女の子の話。
    ハルが同性愛者なことが公になった後、味方をしてくれたお母さん、弟、クラスメイトたちの頼もしいこと!
    もし、自分がハルと同じ立場だったら…と考えると、受け入れようとしてくれる人たちが、家族にも学校にもいることがどれだけ心強いか、と胸が熱くなった。

  • 3.8 マイノリティにとって味方が大事と言う児童文学。読んだら勇気づけられる子どもはきっといるはず。現実はなかなかこうはいかない。母親のような大人でありたい。

  • 自分用メモ



    同性愛について苦悩する女の子の話。
    現代になってもやっぱり偏見とかは根強いよなぁ。
    というかそもそも人のキスシーンを写真撮って晒す、という行為自体に嫌悪する。
    デリカシーがないし、男女のカップルでも男同士、女同士でも嫌がられるでしょ。
    物語自体はものすごく興味深かった。現代の学校でも同じようなことが起きているのかなぁ。怖い。
    学生たちはどんな行動に出るかわからない。これによっていじめられるかもしれないし、同情されるかもしれない。多様性って何、って気分になってしまう。

  • すごく読みやすくて、たくさんいるキャラクターたちがそれぞれに魅力的。
    タイトルがイマイチで、勿体無い。

  • 好きなだけなのに…隠さなきゃいけない?
    同性愛者の女の子のお話。絵を描くのが好きなように、ただ人を好きになっただけなのに…それって悪いこと?隠さなきゃいけない?
    そんな心の傷や葛藤、悩みがリアルに描かれていました。LGBTや性自認はもちろん、好きなことを堂々と好きということについて考えさせられる1冊。

  • タイトルに惹かれて読みました


    同性愛者という事を認めていいのか分からない感情や家族,友人に話したくても話せない
    相手にも好きと伝えていいのか分からない,気持ち悪いと思われたくないなどまだ義務教育中の女の子が考えるには重すぎるけどしっかり自覚しないとあやふやなまま時間が過ぎてしまうという内容が読んでてハラハラしたりほっとする場面があったりしてとても面白かったです

    LGBTQなどが少数では無くなってきている時代にこの本を読んで自分が異性愛者の場合同性愛者の人はどんな気持ちや思考を持っているのかが少しでも理解してくれる方が増えるといいなと思います

  • 難しい言葉もなくサラサラと読みやすい物語でした。

    同性を好きになる感覚、同性を好きになれない感覚
    違った恋を漫画の中だけで楽しむ感覚。

    一見、同じようで同じじゃない。
    本人になってみないと分からない。

    そういったのがたくさん詰め込まれている内容でした。

  • LGBTQやSOGIについての学習が行われている今、若者のほうが同性愛に理解があり、考え方が柔軟だなと感心します。それにひきかえ親世代はカッチカチ頭でいろいろ決めつけてかかってくる…(ハルにキツく当たってくる同級生、親のステレオタイプを引き継いでるんでしょうね…)描き方は軽妙ですが、リアリティがあります。LINEで写真が拡散される辺り本当にリアルです。笑 
    文体、展開、読みやすく引き込まれるので、小学校高学年辺りから読めるのではないでしょうか。「レズとかキモ」と言い出す前に読んでほしい作品。
    ほかの方も書かれていましたが、翔太渋いです。

  • 10代をゼロ年代に過ごした若い作者だからこそ作り出せたであろう雰囲気。
    登場人物たちのやりとりや思考回路もリアル、いい意味で軽さがあってよかった。

  • 思春期にはこの気持ちが恋なのかと錯覚することもある。自分のセクシャリティに気づくこともある。

  • まっとうなつくりの児童文学だと思いました。【2026年1月18日読了】

  • 悩める同性愛の中学生の物語

    主人公・ハルは、自分の性的指向がレズビアンであることに気が付き、大いに悩んでいます。悪いことをしているわけではないのに、親への後ろめたさを感じ、友達にも打ち明けることができません。
    ところが、ハルは第三者によるカミングアウト、つまりアウティングを受けてしまいます。これによって、ハルは家族や友人との関係が大きく変化してしまいます。友人からは理解が得られなかったり、逆に思いがけない人物が味方になったり。

    本作では重いテーマを扱っているものの、ハルに味方してくれる人物がいることで、児童書として読みやすい作風になっていると思います。
    また、同性愛に対して理解のない人たちの反応がリアルかもしれないと感じました。「何か特別な理由やきっかけがあるんじゃないか」と聞かれたり、「一時的な勘違いだよ」と言われたり。
    特に、ハルが親へカミングアウトするシーンは、生々しくて胸が痛みます。家族からカミングアウトを受けることのイメージにつながるので、子を持つ親は一度読んでおくといいと思います。

  • 気になる書き出し。ふんふん、恋愛モノなんだ、と読み進めていくと、「あ、そうなんだ」と、自分が勘違いしていたことに気づく仕掛けがおもしろいし、自分の中にもある差別意識に気付かされる。軽いノリで始まっていくけど終わり方はいたってシリアスで誠実だ。何より、恋愛の結末がリアルだった。こういうことしちゃう子って、同性異性関係なく、いそうーーー。罪だけど、わからんでもないし、憎めないし。あ〜〜。と、もんどりうった。恋愛の結末はあっけなかったけれど、周囲が主人公のカミングアウトを受け止めていく流れの描写が、とにかく丁寧でいいなと思った。

  • 記録。

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著者プロフィール

長谷川まりる/1989年、長野県生まれ、東京都育ち。職業能力開発総合大学校東京校産業デザイン科卒。『お絵かき禁止の国』で第59回講談社児童文学新人賞佳作(2018年)、『かすみ川の人魚』で第55回日本児童文学者協会新人賞(2022年)を受賞。ほかに『満天 in サマラファーム』など、話題作を発表している。創作同人会「駒草」所属。

「2023年 『キノトリ/カナイ 流され者のラジオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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