- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065162491
作品紹介・あらすじ
女皇陛下に仕える宮女・詠月は筋金入りの壺オタク。壺の中を通って遠くへ行く〈壺中術〉で、女皇の孫・李隆基のもとに現れるが……。
感想・レビュー・書評
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参考文献がこええよ!っていえるくらい、時代考証をバッチリして書き上げた小説。中国史専攻でないのに、これをやりとげた作者は凄いと思う。
あまり馴染みのない、けれども、調べたからこそ出てきた単語は以下の通り。
宮城
太初宮
公主
臙脂色の裙裳
金糸を織り込んだ羅の襦衣
紫紺の披帛(ひはく)
金の簪
女官
宦官
殿内
侍衛
殿宇
尚寝局(掃除、家事)
宮女(下っ端、玉の輿を夢見る)
青磁
白磁
黄釉陶
黒釉陶
宮奴
双耳壺
女皇陛下の寝房について
紅い毛氈が敷かれ
金箔が施された龍が絡みつく丹塗りの柱に、天蓋から幾重にも色絹が垂らされた大きな牀(しょう)。そのかたわらには精緻な彫刻の施された衝立や螺鈿細工の厨子。腰ほどの高さの飾り棚には、菓子が高く盛られた高坏が置かれている。迎仙宮。
男寵の服装。錦繍の衣をまとう。
胸まで引き上げた裙裳に、透けそうなほど薄い絹の襦衣を羽織り、大きく開けた衿元から玉のような肌を惜しげもなくさらす。
婕妤。
宮城内の正殿は明堂。通天宮。
四時に即した下層の上に十二辰にのっとった中層を載せ、その上の円形の屋根の上には金で飾られた鳳凰の鉄像が鎮座する。その北西にそそりたつのは、巨大な仏像が安置されているといわれる天堂の五層の塔。それらの周囲には、紫緋の袍をまとい、金や銀の魚袋を下げる金帯冠を着け、笏を持った高官達。
長生殿
金龍を這わせた朱色の柱に、黒檀の衝立、上質な香が焚かれている。天蓋の羅布。
上官婕妤。結い上げられた花の簪。髪は黒々と。色鮮やかに刷いた紅。その横に入れた流行の飾り黒子。
作品は、もうちょっと恋愛パートがあっても良かった。というか、恋愛になるまえに話が終わった物語だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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