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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065162804
作品紹介・あらすじ
機械文明の発達により便利になった世界がかえって人間性の喪失につながるという、まさに２１世紀の世界が直面する問題を描いたディストピア小説『すばらしい新世界』のハクスレーによる、傑作短篇集。モームやヘンリー・ジェイムスの名訳者として知られる行方昭夫氏が、作風の異なる５つの短篇を精選し、訳し下ろしました。科学、数学から美術、音楽、哲学にいたるまで、博学で知られるハクスレーの面目躍如たる作品集です。収録作：「モナリザの微笑」「天才児」「小さなメキシコ帽」「半休日」「チョードロン」
感想・レビュー・書評
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ハクスリーの『すばらしい新世界』はディストピア小説のひとつだと言われるが、例えば『侍女の物語』や『一九八四年」にある重苦しさを感じない。たぶん、色んなところにちりばめられた一種の「ユーモア」のせいなのだろう。そして、本書に収められている「半休日」はそんなユーモアが凝縮されている。（本書の所収ではないが）「シンシア」も同じで、こういった短編が好みだ。翻訳はとても読みやすい。
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図書館で。
モナリザの微笑と天才？だかを読了。
イヤな話だな～
でも私もモナリザの方は医者が睡眠薬を処方する所で終わる方が皮肉が効いていていいと思うな。
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有名なあの本しか読んだことはなく、その時は、そうなのね、という感じで、特に肩入れするような感触ではなかった。その後、読む本とその後書きに引用されまくっていて、目に付くと同時に、クイズダービーの正解者のように、なんだか、理由のない評価の上昇があり、自分にとっては、すごい人＝真面目＝面白みないと、マイナス要素になる訳だが、この本は極めて読みやすく面白く、世の中の編集者っていうのは、こういういい本を読者に読ませるために存在してるはずなんではないのか、とか思ってね。昨日の朝、天気雨で濡れて、熱が出た、ごめん。
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『すばらしい新世界』しか読んだことがなかったハクスリー。『すばらしい～』は近未来ディストピアだし、ご本人は晩年かなり神秘主義に傾倒していたようだし、短編集もそっち系かなと期待していたのですが、とくにＳＦでも幻想小説でもなく、普通のシニカルな人間観察鋭い系でした。どれもそれなりに面白かったけれど、勝手に期待していたものとは少し違った感じ。
「モナリザの微笑」では、女癖の悪い男が病弱な妻を放置して若い愛人と遊び、行き遅れの独身アラフォー女性の心をもてあそんだりして調子に乗ってるうちに妻が病死、しかしあろうことか毒殺の疑いをかけられる。賢明な読者（とくに女性）には真犯人が誰か速攻でわかる話ですが、女心は弄ぶもんじゃないですよ、と。
「天才児」「小さなメキシコ帽」はイタリアが舞台。イタリアへやってきたイギリス人が主人公で、作者自身の経験のような印象を受ける。貧しい農家の末っ子が、あまりにも才能豊かであったために強欲なおばさんに目をつけられて悲劇的な結末をむかえる「天才児」は切ない。
「半休日」非モテの男性が公園で美女とのさまざなな出会いを妄想するも現実は・・・。揶揄ではなく自虐だと思えば許せるけれど、読後にちょっとしょんぼりしてしまう。
「チョードロン」は、財界の巨人チョードロンの訃報を新聞でみた語り手に、チョードロン自伝のゴーストライターだったその友人が彼の私生活をとうとうと語る。仕事の手腕は凄いが、変な女性にころりと騙される男は、しかしはたからみれば滑稽でも本人は幸福だったのではないだろうか。
※収録
モナリザの微笑／天才児／小さなメキシコ帽／半休日／チョードロン
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