つげ義春大全 第十六巻 ねじ式 ゲンセンカン主人 (KCデラックス)

  • 講談社 (2020年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (366ページ) / ISBN・EAN: 9784065164075

作品紹介・あらすじ

つげ義春の代表作『ねじ式』、『ほんやら洞のべんさん』『ゲンセンカン主人』『やなぎ屋主人』『リアリズムの宿』等、60年代後半から70年代前半に発表された伝説の作品、15編を収録。
<収録作品>
『長八の宿』『二岐渓谷』『オンドル小屋』『ほんやら洞のべんさん』『ねじ式』
『ゲンセンカン主人』『もっきり屋の少女』『蟹』『やなぎ屋主人』『夢の散歩』
『夏の思いで』『下宿の頃』『大場電気鍍金工業所』『懐かしいひと』『リアリズムの宿』

感想・レビュー・書評

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  • まさか「つげ義春大全」が出るとは。

    過去に何度か全集が出た事もあるし買うべきか買わぬべきか迷っていたのだが、な、な、なんと!?今回の大全には つげ作品の中でも好きな「古本と少女」のオリジナル版が収録されるとの事。

    そうなると迷う事などない!
    「二岐渓谷」で献立を聞いて即 宿泊を決めた主人公の如く購入を決定。
    早速、書店で予約。
    が、今回の自粛で発売日に購入出来ず ようやく5/20に購入。

    第1回配本は貸本作品3作を収録した第1巻と1968~1973年の作品を収録したこの第16巻の二冊。

    収録されているのは以下の15作品。

    ・長八の宿
    なんと言ってもジッさんのキャラクターが最高。
    旅作品(と言うよりつげ作品)の中では珍しく爽やかなラストが印象的。
    でも、さりげなくマリちゃんの失恋を匂わせる所が秀逸。

    ・二岐渓谷
    旅作品はどれも好きだがこれが一番好きな作品。
    主人公が小屋の婆さんの料理の内容説明に生唾を呑み込み宿泊を決めるシーンは何度読んでも飽きない。
    自分も主人公と同じ状況だったら間違いなく宿泊を決める!!(笑)
    露天風呂で傷ついた猿と出会った後の主人公と宿の主人の会話のシーンが貸本版悪魔くんでの佐藤と別荘番の老人の会話シーンと どことなく似ていると思うのは自分だけ?

    ・オンドル小屋
    初めて読んだ時はあのオチ(少女が鼻唄を口ずさむ)を単純に聞こえてくる花札のかけ声を覚えただけだと思ってたのだけど、実際は花札の三人と何かあったのだろうと今では思っている。
    体に花札四十八枚の入墨を入れた老人が浴槽で願かけに奉納する木製の男根を抱いて入浴する姿に笑ってしまう。

    ・ほんやら洞のべんさん
    ほのぼのした感じの物語と思いきや、べんさんの境遇が切ない。

    ・ねじ式
    言わずと知れたつげ義春の代表作。
    金太郎飴のくだりが好きでたまらない。
    ポキン 金太郎。
    最初に読んだ時は妙な怖さを感じた。
    それこそ『シリツ』のシーンでも。
    十代の頃の自分にとっては「ねじ式」は恐怖漫画だった。(今では好きだけど)

    ・ゲンセンカン主人
    これもつげ義春の代表作の一つであり、子供の頃の自分には怖い漫画の一つ。(これも今では好きな作品)
    ラストカットの天狗面の男の姿が何故か怖くて仕方なかった。

    ・もっきり屋の少女
    なんと言ってもコバヤシ チヨジが魅力的。
    彼女なしではこの物語は成立しない。
    映画版では つぐみがチヨジを演じたがちょっとイメージと違う気がする。

    ・蟹
    「李さん一家」の続編的作品。
    相変わらずの李さんの胡散臭さというかいかがわしさが良かったりする。

    ・やなぎ屋主人
    これも初めて読んだ時は言い様のない不気味さを感じた。
    主人公の陰鬱な表情がそう思わせるのか?

    ・夢の散歩
    不条理エロとでも言うのだろうか?
    泥濘でジタバタしている子供の姿とラストのセリフがどことなく可笑しい。

    ・夏の思いで
    売れない漫画家とその妻のほんの少し風変わりな日常を描いた短編連作「ひなげし荘」シリーズ(深川夏眠さん命名)の一作目。
    ひき逃げを目撃した主人公の不安を描いた話だが後の「退屈な部屋」「日の戯れ」と比べると暗いというか割りとサスペンスタッチな作品で印象が全然違うのだけど当初はシリーズ化する(される)予定ではなかったから あの様な作風になったのか?

    ・下宿の頃
    巻末の解題によると、無自覚に生きる若者を娯楽風に描いたとの事。
    確かにつげ作品に有りがちな妙な暗さや切なさがない。

    ・大場電気鍍金工業所
    「ねじ式」や「ゲンセンカン主人」「李さん一家」同様、この作品もラストカットが素晴らしい。

    ・懐かしいひと
    「夏の思いで」もだけど主人公の妻(モモちゃん)の無邪気な面もあれば洞察力もありハッキリと物を言うキャラクター(性格)が凄く良い。
    旅行に行くと言われて 何を着て行こうなんて慌てる姿や夜中の大浴場で泳ぐ姿が本当に可愛らしい。
    「ひなげし荘」シリーズはモモちゃんがいるからこそ成り立っている!!………と、勝手に自分ではそう思ってたりする。

    ・リアリズムの宿
    ある意味、ギャグ漫画としても受け取れもするけど、やはりラストが切ない。

    収録されているのはどれも好きな作品ばかりで、第一回配本だと言うのに この第16巻が個人的「ベストオブつげ義春大全」になってしまった(笑)

    旅物、ひなげし荘シリーズ、古本と少女等の個人的に好きな作品は別として 16巻を越える巻はこの後 出て来ない様な気がする。

    • 深川夏眠さん
      お邪魔します~。
      わー、全部好きな作品ですわ。
      まとめて読んだら圧巻でしょうね。
      うう、購買意欲が刺激され……(ぐぬぬ)。
      お邪魔します~。
      わー、全部好きな作品ですわ。
      まとめて読んだら圧巻でしょうね。
      うう、購買意欲が刺激され……(ぐぬぬ)。
      2020/05/30
    • darkbonkuraさん
      深川夏眠さん、いいね、コメントありがとうございます。

      おっしゃるとおり圧巻ですよ~(笑)
      もう、買ってから毎日手に取ってます。

      ...
      深川夏眠さん、いいね、コメントありがとうございます。

      おっしゃるとおり圧巻ですよ~(笑)
      もう、買ってから毎日手に取ってます。

      是非!!買ってください!!!
      2020/05/30
  • どこかに、旅に出たいと思った。

  • やはり良い。全集を集めたくなってきた。

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著者プロフィール

つげ 義春(つげ・よしはる):1937年生まれ。漫画家。60年代末に、「沼」「チーコ」「ねじ式」などでのあらたな漫画表現で社会に衝撃を与える。その後、1987年以降は作品を発表していない。近年、海外での注目も高まっている。

「2024年 『つげ義春が語る マンガと貧乏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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